節電タップや窓の断熱シート、LED電球など、電気代を節約するグッズはいろいろあります。買ってみたものの、本当に電気代が下がっているのかわからない、と感じている人もいるでしょう。
節電グッズの効果は、そのグッズで減らせる電気の量と、使う時間で決まります。年間2,000時間点灯する場合、白熱電球をLED電球に替えると1個で年間約2,880円の節約になる一方、待機電力1Wの家電を節電タップで切っても年間約270円です。
この記事では、節電グッズの効果を買う前に計算する方法と、LED電球・サーキュレーター・断熱シート・こたつ布団・節電タップの効果の目安、使うときの注意点を紹介します。
※2026年10月時点の情報です。節約額は、電気料金の目安単価31円/kWh(税込)で計算した目安です。
この記事のポイント
- 節電グッズの効果は、減らせる電気の量と使う時間で決まる
- 白熱電球をLED電球に替えると1個で年間約2,880円(年2,000時間点灯)
- サーキュレーターは、エアコンの設定の見直しとあわせて節約になる
- 冬は暖房の熱の約6割が窓から逃げるため、窓の対策が効く
- 節電タップは、待機電力1Wあたり年間約270円の節約
- 断熱シートはガラスの種類、タップは上限の消費電力を確かめる
節電グッズの効果は「減らせる電気の量」と「使う時間」で決まる

節電グッズは、置きかえる家電や使う時間によって効果が変わります。買う前に、どのくらい電気代が減るかを計算する方法と、家電の消費電力を確かめる方法を紹介します。
節約額は「減る消費電力×使う時間×電気料金の単価」で計算できる
節電グッズで減る電気代は、グッズで減る消費電力(W)×使う時間×電気料金の単価で計算できます。W×時間で出たWhを1,000で割ると、電気代の計算に使うkWhになります。
- 減る消費電力(W):グッズを使う前と後の消費電力の差
- 使う時間:1日に使う時間×1年に使う日数
- 電気料金の単価:この記事では目安単価の31円/kWhで計算
たとえば、54Wの白熱電球を7.5WのLED電球に替えると、消費電力は46.5W減ります。年間2,000時間点灯するなら、46.5W×2,000時間=93kWhで、年間約2,880円の節約です(※)。
一方、待機電力が1Wの家電をスイッチ付きのタップで切る場合は、1年中切ったままでも1W×8,760時間=約8.76kWhで、年間約270円です。同じ「節電グッズ」でも、減らせる電気の量と使う時間で、節約額に10倍以上の差が出ます。
グッズの値段を年間の節約額で割ると、何年で元が取れるかの目安になります。LED電球のように寿命の長いグッズは、使える年数の間にどれだけ節約できるかも比べると、買うかどうかを決めやすくなります。夏だけ・冬だけ使うグッズは、使う日数で計算しましょう。
(※2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(照明)」)
ワットチェッカーで、家電の消費電力を測ってから選ぶ
家電の消費電力は、取扱説明書や本体のラベルで確かめられます。ただし、表示されている消費電力と、ふだん使っているときの消費電力は違うこともあります。待機電力は、表示されていない家電もあります。家電どうしを比べるなら、省エネラベルの年間消費電力量も参考になります。
実際の消費電力を知りたいときは、コンセントと家電の間につないで電力を測る計測器(ワットチェッカー)を使うと、使っているときと待機しているときの電力を測れます。ホームセンターや家電量販店などで買えます。
測ってみると、電源を切っているときにほぼ電気を使わない家電もあれば、待機電力を使い続けている家電もあります。どの家電に待機電力があるかがわかれば、節電タップにつなぐ家電を選べます。200Vのエアコンなど、一般的な100V用の計測器では測れない家電もあります。
スマートメーターが付いている家庭では、電力会社の会員サイトなどで30分ごとの使用量を見られることもあります。
白熱電球からのLED電球のように、消費電力を何十Wも減らせるグッズなら、使う前と後で、同じ時間帯の使用量を比べると効果の目安になります。待機電力のように差が小さいものは、家全体の使用量では見分けにくいため、計測器で家電ごとに測りましょう。見方は電気の使用量の確認方法で紹介しています。
LED電球とサーキュレーターは、毎日使う照明・冷暖房で効果が出やすい

照明と冷暖房は、毎日長い時間使う家電です。置きかえたり併用したりすることで電気の使用量を減らせるグッズとして、LED電球とサーキュレーターの効果を見ていきましょう。
LED電球は、白熱電球からの交換なら1個で年間約2,880円の節約
LED電球は、効果がわかりやすい節電グッズのひとつです。ただし、節約額は今使っている照明の種類で変わります。年間2,000時間点灯する場合の節約額は、次のとおりです。
| 交換前→交換後 | 年間の節約電力量 | 年間の節約額 |
|---|---|---|
| 54Wの白熱電球→7.5WのLED電球 | 93kWh | 約2,880円 |
| 68Wの蛍光灯器具→34WのLED器具 | 68kWh | 約2,110円 |
| 12Wの電球形蛍光ランプ→7.5WのLED電球 | 9kWh | 約280円 |
※2026年10月時点。年間2,000時間点灯した場合
出典:資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(照明)」
白熱電球からの交換なら、1個で年間約2,880円の節約になります。一方、電球形蛍光ランプからの交換では年間約280円で、白熱電球からの交換の10分の1ほどです。白熱電球や蛍光灯の器具を使っている部屋から替えると、効果が出やすくなります。
寿命も違います。白熱電球は約1,000時間、電球形蛍光ランプは約6,000〜10,000時間、LED電球は約40,000時間です(※)。電球を替える回数が減るので、買い替えの手間と費用もおさえられます。
交換するときは、口金の大きさが合うか、調光機能付きの器具や、密閉形の器具・断熱材で覆われた器具で使えるかを、商品の説明で確かめましょう。合わない器具で使うと、早く切れることがあります。点灯時間の長いリビングやキッチンから替えると、1個あたりの節約額が増えます。
(※2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(照明)」)
サーキュレーターは、エアコンの設定温度を見直してはじめて節約になる
サーキュレーターは、それだけで部屋を冷やしたり暖めたりする家電ではありません。エアコンと扇風機を一緒に使うと、冷房では体に風が当たって涼しく感じられ、暖房では暖まった空気を部屋に回せます(※1)。サーキュレーターは、人に風を当てるより、部屋の空気を回すのに使う家電です。
冷房のときは、エアコンを背にしてサーキュレーターを置き、部屋の中心や対角に向けて風を送ります。暖房のときは、天井近くにたまった暖かい空気に向けて、上向きに風を送ります。どちらも、人に直接風を当てない置き方です(※2)。
部屋の空気が回って快適に感じられれば、エアコンの設定温度を見直せます。1日9時間使う場合、外の気温31℃で冷房の設定を27℃から28℃にすると年間約940円、外の気温6℃で暖房を21℃から20℃にすると年間約1,650円の節約です(※3)。
熱中症に注意し、温度計で室温を確かめながら、無理のない範囲で調整しましょう(※4)。
サーキュレーター自体も電気を使います。消費電力20Wの機種を1日8時間、30日使うと4.8kWhで、月約150円です。設定温度を変えずにサーキュレーターを足すだけでは、電気代は増えます。併用の効果は、扇風機・サーキュレーターとエアコンの併用で紹介しています。
(※1,3 2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(空調)」)
(※2 2026年10月時点 シャープ「サーキュレーターの使い方を解説|冷暖房・換気・部屋干しで使用する効果的な置き方は?」)
(※4 2026年10月時点 資源エネルギー庁「どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント」)
窓の断熱シートとこたつ布団は、冬の暖房の熱を逃がしにくくする

冬は、部屋の暖かさが窓から逃げたり、暖房器具の熱がむだになったりします。熱を逃がしにくくするグッズとして、窓の断熱シート・カーテンと、こたつ布団などの効果を紹介します。
窓の断熱シートとカーテンで、窓から逃げる熱を減らす
住まいの熱は、窓から出入りしています。冬は暖房の熱の約6割が窓から逃げ、夏は約7割が窓から入ります(※1)。窓の対策は、暖房と冷房の両方の電気代に関わります。
手軽にできるのは、窓ガラスに貼る断熱シートです。窓ガラスの室内側の表面温度が下がるのを防ぎ、結露をおさえるのに役立ちます(※2)。冬は厚手で床まで届くカーテン、夏はレースのカーテンやすだれで日差しをさえぎるのも効果があります(※3)。
ただし、断熱シートはガラスの種類によっては貼れません。次のガラスには、熱割れ(ガラスの温度差でひびが入ること)のおそれから使えない商品があります(※4)。
- 熱線反射ガラス
- 熱線吸収ガラス(Low-Eガラス)
- 網入りガラス
- 真空二重ガラスなど、特殊なガラス
自宅の窓ガラスの種類がわからないときは、賃貸なら管理会社に、持ち家なら建てたときの書類などで確かめましょう。買う前に、商品の説明で使えるガラスも確かめておきます。
断熱シートだけで暖房費がいくら減るかは、窓の大きさや住まいの断熱、暖房の使い方で変わるため、決まった目安はありません。窓の断熱をしっかり高めたいときは、内窓の取り付け(※5)や、複層ガラスへの交換(※6)といった方法もあります。
(※1,5 2026年10月時点 埼玉県「省エネ住宅のすすめ」)
(※2,4 2026年10月時点 ニトムズ「よくあるご質問(省エネ・エコ)」)
(※3 2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(空調)」)
(※6 2026年10月時点 資源エネルギー庁「どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント」)
こたつは上掛けと敷布団を足し、電気カーペットは部屋に合う大きさにする
こたつは、こたつ布団の中を暖める暖房器具で、布団から熱が逃げにくいほど電気を使わずに済みます。1日5時間使う場合、こたつ布団に上掛けと敷布団を足すと、年間32.48kWh(約1,010円)の節約になります(※1)。
こたつの設定を「強」から「中」にすると、年間約1,520円の節約です(※2)。上掛けや敷布団で熱を逃がしにくくしたうえで設定も見直すと、両方の節約が見込めます。ただし、2つの金額を単純に足した額にはなりません。
電気カーペットは、部屋の広さに合った大きさを選ぶのがポイントです。室温20℃・設定「中」で1日5時間使う場合、3畳用ではなく2畳用を使うと、年間約2,790円の節約になります(※3)。3畳用の設定を「強」から「中」にすると、年間約5,770円の節約です(※4)。
こたつや電気カーペットは、体の近くを暖める暖房器具です。部屋全体を暖めるエアコンと一緒に使うときは、エアコンの設定温度もあわせて見直しましょう。こたつ布団に上掛けや敷布団を足すのは、こたつを買い替えるより手軽に始められる節電です。
(※1,2,3,4 2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(空調)」)
節電タップは、待機電力のある家電にだけ効く

節電タップは、手軽に買える節電グッズのひとつです。ただし、効果はつなぐ家電の待機電力で決まります。効果の目安と、つなぐ家電の選び方、安全に使うための注意点を見ていきましょう。
待機電力は家庭の電気の約6%、1Wなら年間約270円
待機電力は、家電を使っていないときにも使われる電気で、家庭の電気の使用量の約6%です(※1)。リモコンの信号を受けるためや、時計や表示のために、コンセントにつないでいるだけで電気を使う家電があります(※2)。
パソコンやファクス、ステレオ、石油ファンヒーター、空気清浄機なども、待機電力を使う家電です(※3)。ただし、どれもタップで切ってよいわけではありません。切ってよい家電かどうかは、次の章で紹介します。
節電タップの効果は、つなぐ家電の待機電力の合計で決まります。待機電力1Wで年間約270円なので、合計3Wなら年間約810円、合計5Wなら年間約1,360円です。待機電力のない家電をつないでも、電気代は変わりません。
つなぐ予定の家電の待機電力を、計測器で測ってから選ぶと、効果を見込みやすくなります。タップの値段と年間の節約額を比べて、何年で元が取れるかも計算しておきましょう。家電ごとの待機電力の目安は、待機電力の電気代で紹介しています。
(※1,2,3 2026年10月時点 資源エネルギー庁「待機時消費電力を減らしましょう。」)
録画機器やファクスはつながず、タップの上限とほこりに注意する
節電タップには、つながないほうがよい家電もあります。録画機器などは、電源を切ると設定が消えることがあります(※1)。止めると困る家電は、次のように分けて考えましょう。
- つなぐと効果が出やすい家電:使わない時間が長く、待機電力のある家電(ステレオ、パソコンのまわりの機器など)
- つながないほうがよい家電:冷蔵庫、録画予約をしている録画機器、Wi-Fiルーター、電話機・ファクスなど
- 取扱説明書で確かめる家電:パソコン(シャットダウンしてから切る)、石油ファンヒーターなどの暖房器具
タップにつなげない家電は、電源を切ったときに時計などの表示を消す機能や、使わないと一定時間で電源が切れる機能を使うと、待機電力を減らせます(※2)。
タップには、つなげる電気製品の消費電力の上限が「1500Wまで」などと表示されています。上限を超えて使うと、コードやタップが熱くなり、発火することがあります(※3)。ドライヤーや電子レンジなど、消費電力の高い家電は、ほかの家電と同じタップにつながないようにしましょう。
タップやコンセントに差したままのプラグには、ほこりや湿気がたまります。ほこりが原因の発火(トラッキング)を防ぐため、プラグは定期的に掃除しましょう(※4)。コードを束ねたまま使わないことも大切です(※5)。
(※1,2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「待機時消費電力を減らしましょう。」)
(※3,4,5 2026年10月時点 製品評価技術基盤機構(NITE)「製品安全教育DVDハンドブック(配線の事故)」)
よくある質問
Q. 100円ショップの節電グッズは効きますか?
グッズの値段より、どの家電の電気をどれだけ減らせるかで効果が決まります。100円ショップでも、窓用のシートやスイッチ付きのタップなどが売られていることがあります。安いグッズでも、使う家電と時間を考えてから買いましょう。
窓用のシートはガラスの種類によって貼れないものがあり、タップは上限の消費電力を確かめて使う必要があります。タップを買うときは、電気用品安全法のPSEマークが付いているかも確かめましょう。効果は、この記事で紹介した計算方法で見込めます。
Q. 節電グッズを買わずにできる節電はありますか?
あります。周りの温度が22℃のとき、冷蔵庫の設定を「強」から「中」にすると年間約1,910円の節約になります。上と両側が壁に接した冷蔵庫を、片側だけ接するように置き直すと年間約1,400円です(※1)。エアコンのフィルターを月1〜2回掃除すると、年間約990円の節約です(※2)。
グッズを買う前に、お金のかからない節電から始めると、出費を増やさずに電気代を減らせます。どれも一度設定や置き場所を変えれば、毎日手間をかけずに続けられます。ほかのやり方は、電気代を安くする方法で紹介しています。
(※1 2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(キッチン)」)
(※2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「家庭向け省エネ関連情報(空調)」)
Q. 「コンセントに差すだけで電気代が下がる」という商品は効きますか?
商品の説明に、どの家電の電気を、どのような条件で、どれだけ減らすのかが書かれているかを確かめましょう。条件や測り方が書かれていない場合は、買う前に販売元に問い合わせると安心です。
買ったあとは、計測器で家電の消費電力を使う前と後で測ると、効果があったかを確かめられます。効果が確かめられないまま、ほかの節電をやめてしまわないようにしましょう。家電の消費電力そのものを減らすには、LED電球への交換や、設定温度の見直しのほうが確実です。
まとめ|節電グッズは「減らせる電気の量」を計算してから選ぶ
節電グッズの効果は、減らせる電気の量と使う時間で決まります。年間2,000時間点灯する場合、白熱電球をLED電球に替えると1個で年間約2,880円の節約になる一方、節電タップは待機電力1Wあたり年間約270円です。サーキュレーターは、エアコンの設定温度を見直してはじめて節約になります。
冬は窓の断熱シートやカーテン、こたつ布団で熱を逃がしにくくしましょう。断熱シートは使えるガラス、タップは上限の消費電力を確かめてから使います。買う前に年間の節約額を計算し、お金のかからない節電とあわせて取り入れましょう。
※2026年10月時点の情報です。節約額は、電気料金の目安単価31円/kWh(税込)で計算した目安です。






















































家計・節約アドバイザー
山田 美咲
節電グッズは、買う前に「どの家電の電気を、どれだけ減らすか」を考えると失敗しにくくなります。年間の節約額とグッズの値段を比べて、元が取れるものから選びましょう。値段が安くても、効果の小さいグッズをいくつもそろえると、かえって出費が増えることもあります。