新電力から元の電力会社に戻せる?戻し方と損しないための確認点

新電力に切り替えたものの、料金やサービスに納得できず、元の電力会社に戻したいと考える人もいるでしょう。新電力から、東京電力などの地域の電力会社や、前に使っていた電力会社に戻すことはできます。

戻し方は、戻す先の料金プランによって違います。東京電力の場合、スタンダードなどの自由料金プランはWebで申し込むだけで切り替わりますが、従量電灯Bなどの規制料金プランは電話で申し込み、新電力の解約も自分で行います。

この記事では、元の電力会社に戻す手順と、戻すデメリット(解約金・セット割・特典)と料金プランの選び方、切り替え日と請求の流れを紹介します。

※料金・制度の情報は2026年10月時点のものです。手続きの内容は東京電力エナジーパートナーの例で、電力会社によって違うことがあります。

この記事のポイント

  • 新電力から元の電力会社には、申し込めば戻せる
  • 東京電力の自由料金プランはWebで申し込むだけで、新電力への連絡は不要
  • 規制料金プランは電話で申し込み、新電力は自分で解約する
  • 戻すデメリットは、新電力の解約金と、セット割・特典がなくなること
  • 2026年11月1日から、東京電力の従量電灯B 30Aの基本料金は1,176.18円に
  • 切り替えの前後は、新電力と元の電力会社の2社から請求が届く

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新電力から元の電力会社には、申し込めば戻せる

新電力から元の電力会社に戻す流れは、基本的にほかの電力会社への切り替えと同じです。ただし東京電力の場合、戻す先の料金プランによって、申し込み方法と新電力の解約のしかたが違います。

申し込みに必要なのは、お客さま番号と供給地点特定番号

東京電力エナジーパートナーに他社から切り替えるときは、今の契約のお客さま番号・供給地点特定番号・契約名義・使用場所の住所が必要です(※1)。どれも、今の新電力との契約の内容です。

お客さま番号と供給地点特定番号は、今の電力会社から届く検針票などで確かめられます。検針票が見つからない場合は、今の電力会社に問い合わせましょう(※2)。

申込書の「今の電力会社名」には、取次店や代理店の名前ではなく、電気を売っている電力会社(小売電気事業者)の名前を書きます。取次店の名前を書くと、申し込みの不備になるためです(※3)。わからないときは、契約時の書類や請求書で確かめましょう。

申し込み先によっては、切り替えの希望日や本人確認書類も必要です(※4)。

契約名義は、今の新電力と同じ名義で申し込みます。家族の名義で契約している場合は、名義人の情報で申し込みましょう。お客さま番号などが検針票のどこに書いてあるかは、検針票の見方で紹介しています。

  • 今の電力会社名(小売電気事業者の名前)
  • お客さま番号
  • 供給地点特定番号(22桁)
  • 契約名義と、電気を使う場所の住所

(※1 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力エナジーパートナーに電気・ガスの契約を切り替えたい」)

(※2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)

(※3,4 2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」)

自由料金プランに戻すなら、Webで申し込むだけ

東京電力エナジーパートナーのスタンダード・プレミアム・スマートライフなどの自由料金プランに戻す場合は、Webで24時間申し込めます(※1)。Webで手続きできない場合は、カスタマーセンター(月〜土の9時〜17時、休祝日を除く)でも受け付けています(※2)。

自由料金プランへの切り替えは、東京電力エナジーパートナーの手続きだけで済むため、今の新電力への連絡は必要ありません(※3)。新電力の解約は、切り替えの手続きの中で行われます。Webでは、申し込みページの「他社からTEPCOへの切替手続き」から進みます(※4)。

本人が同意すれば、切り替え先の電力会社が、今の電力会社の解約手続きを代わりに行えます(※5)。どちらの料金プランに戻す場合も、新電力の解約を先に申し込まず、まず戻す先の電力会社に申し込みましょう。

他社から東京電力エナジーパートナーに切り替える場合、東京電力エナジーパートナーに払う手数料はかかりません(※6)。ただし、新電力の解約金は別なので、次の章で確かめます。

(※1,2,4,6 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力エナジーパートナーに電気・ガスの契約を切り替えたい」)

(※3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力の規制料金プランに電気の契約を切り替えたい」)

(※5 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)

規制料金プランに戻すなら、電話で申し込み、新電力を自分で解約する

東京電力エナジーパートナーの従量電灯や低圧電力などの規制料金プランに戻す場合は、申し込みは電話のみで、カスタマーセンターで受け付けています(※1)。

申し込みのときに「切替日」が案内されるので、今の新電力に自分で連絡して、その切替日で解約します(※2)。自由料金プランのように、新電力の解約を代わりにしてもらえるわけではありません。

新電力に伝える解約日は、案内された切替日と同じ日にします。切替日をメモしておき、日付を確かめてから新電力に連絡しましょう。

電話で申し込むときは、お客さま番号や供給地点特定番号を手元に用意しておくと、話を進めやすくなります。カスタマーセンターの連絡先は、東京電力エナジーパートナーの案内ページで確かめられます(※3)。

規制料金プランと自由料金プランのどちらに戻すかは、後の章で紹介する料金のしくみも見て決めましょう。手続きの方法は電力会社によって違うため、東京電力以外の地域の電力会社に戻す場合は、各社の案内を確かめます。

(※1,2,3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力の規制料金プランに電気の契約を切り替えたい」)

電力自由化研究家 鈴木 翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

戻すかどうかは、解約金と、戻したあとの料金の両方で決めましょう。解約金がかかる時期なら、かからない時期まで待つほうが得なこともあります。料金プランは、燃料の価格が上がったときの値上がりを抑えたいなら規制料金、そうでなければ使用量で計算して安いほうを選ぶと決めておくと、申し込み方法も迷わずに決められます。

新電力から元の電力会社に戻すデメリットはある?

戻すデメリットは、主に3つです。新電力の解約金がかかることがある点、セット割・ポイント・特典がなくなる点、使い方によっては今より電気代が上がる点です。3つめは次の章で確かめます。

デメリット①新電力の解約金がかかることがある

料金プランによっては、解約するときに解約金がかかることがあります(※)。かかるかどうかも金額も、今の新電力の料金プランで決まるため、まずは今の料金プランの名前を確かめましょう。解約金は「解約手数料」「違約金」などの名前で書かれていることもあります。

解約金の有無と金額は、契約したときに受け取った書面や、新電力の会員サイトの契約内容で確かめられます。「1年以内の解約は○円」のように、契約してからの期間で解約金が決まっていることもあります。

契約期間の終わりなど、解約金がかからない時期がある場合は、その時期まで待ってから戻すと、解約金を払わずに済みます。急いで戻す理由がなければ、待つほうが得なこともあります。

解約金を払っても戻したほうが得かどうかは、解約金と、戻したあとに毎月いくら安くなるかで決まります。たとえば解約金が3,000円で、戻すと毎月300円安くなるなら、10か月で解約金の分を取り戻せます。

解約金のしくみは、電気の解約金・違約金で解説しています。

(※2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「電力小売全面自由化に関するよくあるご質問と回答集」)

デメリット②セット割・ポイント・特典がなくなる

新電力の中には、ガスやインターネット、携帯電話とのセット割や、ポイントの還元をしている会社があります。電気の契約をやめると、セット割の割引がなくなり、ほかのサービスの料金が上がることがあります。

たまったポイントは、解約すると使えなくなることがあります。解約する前に、ポイントの残高と、解約したあとも使えるかを会員サイトで確かめ、必要なら使い切っておきましょう。

入会時の特典に「○か月以上の利用」などの条件がある場合は、早く解約すると、特典を受け取れなくなったり、返す必要があったりすることもあります。特典の条件は、申し込んだときの案内や会員サイトで確かめます。

戻すかどうかは、電気代の差だけでなく、解約金・セット割・ポイント・特典も含めて比べましょう。セット割の内容は、ガスや通信の会社の会員サイトでも確かめられます。

  • 解約金があるか、金額はいくらか
  • ガス・ネット・携帯電話とのセット割がなくなるか
  • ポイントの残高と、解約後も使えるか
  • 入会特典に、利用期間の条件があるか

戻すときは、どの料金プランにするかを決める

元の電力会社に戻すときは、どの料金プランで契約するかも選びます。前と同じプランに戻すつもりでも、料金や条件が変わっていることがあります。

東京電力の規制料金には燃料費調整額の上限があり、自由料金にはない

東京電力エナジーパートナーの規制料金プラン(従量電灯Bなど)は、燃料費調整額に上限がある料金です。平均燃料価格が基準燃料価格86,100円の1.5倍の129,200円を上回ると、それを超える分は調整されません(※1)。

一方、スタンダードなどの自由料金プランには、燃料費調整額の上限がありません(※2)。燃料の価格が上がり続けると、上限がない分、燃料費調整額も上がり続けます。

燃料の価格が上がったときの値上がりを抑えたい場合は、上限のある規制料金が向いています。ただし、どちらが安いかは使用量や燃料の価格で変わるため、次の見出しで紹介する方法で、両方の料金を計算して比べましょう。どちらにするかで、前の章の申し込み方法も変わります。

上限があるのは燃料費調整額だけで、基本料金や電力量料金の単価は、規制料金でも見直されることがあります。2026年11月1日の見直しは、規制料金の従量電灯Bも対象です(※3)。

規制料金と自由料金のしくみは、規制料金と自由料金の違いで、燃料費調整額は燃料費調整額とはで解説しています。

東京電力EPに戻すときの料金プランの違い
項目 規制料金(従量電灯Bなど) 自由料金(スタンダードなど)
申し込み方法 電話のみ Webで24時間
新電力の解約 自分で連絡する 連絡は不要
燃料費調整額の上限 あり なし

※2026年10月時点

出典:東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力の規制料金プランに電気の契約を切り替えたい」、東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力エナジーパートナーに電気・ガスの契約を切り替えたい」、東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」

(※1,2 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「燃料費調整制度とは」)

(※3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「低圧の料金メニューの見直しについて」)

前と同じ料金に戻るとは限らない

新電力に切り替える前と今とでは、元の電力会社の料金が変わっていることがあります。東京電力エナジーパートナーは2026年11月1日に料金を見直し、従量電灯Bの30Aの基本料金は935.25円から1,176.18円に上がります(※1)。

電力量料金も、120kWhまでの単価が29.80円から29.85円になるなど、各段階で0.05円上がります(※2)。前に使っていたときの検針票の金額は、当時の単価や燃料費調整額で計算されているため、そのまま比べる材料にはなりません。

40Aの場合は、基本料金が1,247.00円から1,568.24円に上がります(※3)。東京電力のように契約アンペアで基本料金が決まる場合は、アンペアが上がるほど値上げ額も増えます。

この見直しは託送料金の値上げを反映したもので(※4)、託送料金の値上げは新電力の料金にも反映されることがあります(※5)。今の新電力からも値上げのお知らせが届いていないかを確かめ、見直し後の料金どうしで比べましょう。

戻すかどうかは、今の明細の使用量を使い、戻す先の電力会社の見直し後の料金表で基本料金と電力量料金を計算して、今の新電力の料金と比べましょう。使用量は季節で変わるため、夏と冬など複数の月で計算すると確実です。

使用量がわからない場合は、当サイトの料金シミュレーションで、郵便番号と世帯人数から電気代の目安を確かめられます。

(※1,2,3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」)

(※4 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「低圧の料金メニューの見直しについて」)

(※5 2026年10月時点 HTBエナジー「電気料金の改定および約款等の改定予定について(お知らせ)」)

切り替え日と、請求の流れを知っておく

申し込んでから、元の電力会社に切り替わるまでには日数がかかります。切り替えまでの日数と、切り替えの前後の請求を確かめておきましょう。

切り替えまでは、およそ4日〜2週間かかる

切り替えにかかる期間は、スマートメーターへの交換工事が不要な場合でおよそ4日、必要な場合でおよそ2週間です(※1)。

切り替え日は契約ごとに決まるため、具体的な日付は戻す先の電力会社に確かめます。スマートメーターがすでに付いている家庭は、交換工事をせずに切り替えられます(※2)。申し込むときに、切り替えの希望日を伝えることもあります(※3)。

スマートメーターがまだ付いていない家庭は交換が必要で、交換工事の日程は地域の電力会社から連絡があります。交換には原則として費用はかかりませんが、工事に費用がかかる場合もあります(※4)。交換のときには、1軒あたり15分ほど停電することがあります(※5)。

スマートメーターが付いているかどうかや、メーターのしくみはスマートメーターで紹介しています。

切り替えまでの間も、電気はそれまでどおり使えます。申し込みから切り替え日までは、今の新電力の料金で計算されます。

(※1,2,4,5 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)

(※3 2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」)

切り替えの前後は、2社から請求が届く

切り替えの前後は、新電力から切り替え日より前の分の最後の請求が届き、元の電力会社からは切り替え日からの分の請求が届きます。届く時期はずれることがありますが、使った期間が分かれて請求されるため、二重に払っているわけではありません。

新電力の最後の請求は、解約金がある場合は、その金額も含まれることがあります。明細の使用期間を見て、切り替え日の前と後で使用期間が重なっていないかを確かめましょう。

切り替えたあとは、支払い方法も、元の電力会社であらためて登録します。口座振替やクレジットカードの登録が済むまでは、払込用紙で請求されることがあるので、届いた請求書を見落とさないようにしましょう。

新電力の会員サイトは、解約後しばらくすると見られなくなることがあります。過去の明細は解約前に保存し、最後の明細も届いたら保存しておくと、あとで使用量を比べるときに役立ちます。請求がおかしいときの確かめ方は請求がおかしいときで紹介しています。

  • 新電力の最後の請求の使用期間(切り替え日より前)
  • 元の電力会社の最初の請求の使用期間(切り替え日から)
  • 元の電力会社での支払い方法の登録

よくある質問

Q. 元の電力会社に戻すとき、電気が止まることはありますか?

原則として、電気が止まることはありません。どの電力会社と契約しても、今ある送配電網を使って電気が届き、電気の品質や停電の可能性は、どの会社から電気を買っても同じです(※1)。

例外は、スマートメーターへの交換工事がある場合で、交換のときに15分ほど停電することがあります(※2)。また、規制料金プランに戻すときは、新電力の解約日を、案内された切替日に合わせましょう(※3)。手続き中も、電気はそれまでどおり使えます。

(※1 2026年10月時点 資源エネルギー庁「よくある質問」)

(※2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)

(※3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「他社から東京電力の規制料金プランに電気の契約を切り替えたい」)

Q. 戻したあと、また新電力に切り替えることはできますか?

元の電力会社に戻したあとも、ほかの電力会社に切り替えることはできます。手続きは、この記事で紹介した流れと同じで、切り替えたい電力会社に申し込みます。

ただし、戻した先の料金プランに解約金や契約期間があると、早く切り替えたときにお金がかかることがあります。戻すときに、戻す先のプランの解約の条件も確かめておきましょう。

また切り替える可能性があるなら、解約金のない料金プランを選んでおくと安心です。切り替えの手順は電力会社の切り替え方法3ステップで紹介しています。

Q. 新電力が事業をやめる場合も、自分で戻す手続きが必要ですか?

電力会社が倒産や撤退をする場合も、原則として、電力会社から知らされる期日までに新しい電力会社と契約すれば、引き続き電気の供給を受けられます(※)。

新電力から事業をやめるお知らせが届いたら、書かれている期日と必要な手続きを確かめ、期日までに元の電力会社やほかの電力会社に申し込みましょう。

撤退の時期や手続きは、新電力の公式サイトでも確かめられます。次の電力会社を決めていない場合は、元の電力会社に戻すのも方法の一つです。くわしくは電力会社が倒産したらで解説しています。

(※2026年10月時点 資源エネルギー庁「よくある質問」)

Q. 戻す手続きでトラブルになったら、どこに相談できますか?

まずは、新電力と、戻す先の電力会社の窓口に問い合わせましょう。それでも解決しない場合は、公的な相談窓口を使えます。

公的な相談窓口には、消費者ホットライン(188)と、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725)があります(※1)。事業者とのトラブルは188に相談すると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。

監視等委員会の相談窓口は、電力の制度などについての相談先です。事業者との間に入って解決する、あっせんや仲裁は行っていません(※2)。

契約している電力会社の名前を名乗って訪問し、検針票の情報を聞き出して、別の会社との契約を進める勧誘もあります(※3)。お客さま番号や供給地点特定番号は、聞かれてもすぐに教えないことが大切です(※4)。

(※1,3,4 2026年10月時点 国民生活センター「電力・ガスの契約トラブル」)

(※2 2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」)

まとめ|戻す前に、解約金と料金プランを確かめる

新電力から元の電力会社には、申し込めば戻せます。東京電力の場合、自由料金プランはWebで申し込むだけで新電力の解約も済みますが、規制料金プランは電話で申し込み、案内された切替日で新電力を自分で解約します。

戻すデメリットは、新電力の解約金がかかることがある点、セット割・ポイント・特典がなくなる点、使い方によっては今より電気代が上がる点です。

申し込む前にこれらを確かめ、今の明細の使用量で、戻す先の見直し後の料金と比べましょう。2026年11月1日から東京電力の料金は見直されるため、前と同じ料金に戻るとは限りません。

※料金・制度の情報は2026年10月時点のものです。手続きの内容は東京電力エナジーパートナーの例で、電力会社によって違うことがあります。

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【独自調査】今の電力会社の不満は?回答者の本音と、切り替えで解決できること

今の電力会社に「料金が高い」「ポイントがたまらない」「アプリが使いにくい」といった不満を感じていても、変えるほどではないと、そのまま使い続けている家庭もあるでしょう。

電気比較ガイドが全国の電気契約者249人に聞いたところ、今の電力会社の不満で多かったのは「料金が高い」27%、「ポイント・特典が少ない」22%、「明細・アプリが使いにくい」14%でした。一方で、料金やアプリを「良いところ」に挙げた人もそれぞれ50%、29%いました。

同じ点に不満の人と満足している人がいるのは、電力会社や料金プランによって違うからです。実際に、電力会社を切り替えた人の67%が「安くなった」と答えています。この記事では、不満の中身ごとに、切り替えで解決する方法を紹介します。

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おすすめは、不満の中身に合わせて電力会社を選び直すこと

電力会社への不満の上位は、料金・ポイント・アプリの3つでした。どれも電力会社や料金プランによって違う点なので、不満に合わせて選び直せば変えられます。

不満の上位は「料金」「ポイント」「明細・アプリ」

今の電力会社のイマイチなところの割合

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/全国の電気契約者249人)

今の電力会社の「イマイチなところ」を聞くと、「料金が高い・もっと安くしてほしい」が27%(66人)でもっとも多く、「ポイント・特典が少ない」が22%(55人)、「明細・アプリが使いにくい」が14%(36人)と続きました。

料金については「もう少し電気代が安くなればうれしい」のほか、「年々値上がりはしているなと思います」「冬場の電気代が高い」という声がありました。ポイントについては「ポイントの還元率が低いので全く貯まりません」「ポイントの使い道がわからない」、アプリについては「専用アプリがないため使用料の確認が面倒」という声がありました。

また、7%(18人)は「高いのか安いのかわからない」と答えていました。「他社と比較したことが無いので、何が良いのか悪いのかもよく分かりません」という声もあり、比べたことがないために、不満があっても判断できない家庭もあります。不満は特にないと答えた人は24%(59人)で、4人に3人は何らかの不満を書いていました。

同じ点を「良いところ」に挙げた人もいる

不満に挙げた人と良いところに挙げた人の割合の比較

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/全国の電気契約者249人)

同じ回答者に「今の電気の良いところ」も聞いたところ、「料金が安い」を挙げた人は50%、「アプリ・明細が見やすい」は29%、「ポイントがたまる」は16%でした。料金とアプリは、不満に挙げた人より、良いところに挙げた人のほうが多くなっています。

同じ料金やアプリでも、満足している人と不満の人がいるのは、電力会社や料金プランによって中身が違うからです。たとえばアプリでは、「アプリで毎日、どの時間帯の電気代が安いのかが30分単位で分かる」という声がある一方、「専用アプリがない」という声もありました。

つまり、今の不満は「電気とはそういうもの」ではなく、選んでいる電力会社やプランによるものかもしれません。不満の中身がはっきりしていれば、それを解消できる会社を条件にして選び直せます。

なお、ポイントは不満に挙げた人(22%)のほうが、良いところに挙げた人(16%)より多くなりました。ポイントのしくみは会社による差が出やすいので、ポイントを重視する人は、切り替え先の条件として確認しておきましょう。

不満の中身と、切り替え先で確認すること
不満の中身 切り替え先で確認すること
料金が高い 同じ使用量で計算した毎月の電気代
ポイント・特典が少ない ポイントの還元率と、料金を含めた支払い総額
明細・アプリが使いにくい 毎日の使用量や料金をアプリで確認できるか
高いか安いかわからない 今の使用量で、ほかのプランの電気代を試算する

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

電力会社への不満は、我慢するものではなく、選び直して変えられるものです。料金の単価、ポイントのしくみ、アプリの機能は、電力会社や料金プランごとに違います。今の会社に不満があるなら、その不満が解消できる会社を条件にして比べてみましょう。切り替えは新しい電力会社に申し込むだけで、今の会社への解約の連絡もいりません。

「料金が高い」と感じたら、同じ使用量で比べて切り替える

料金の不満は、切り替えたことがない家庭ほど多くなっていました。同じ使用量でほかのプランの電気代を計算すれば、今の料金が割高かどうかがわかります。

切り替えたことがない家庭は、31%が「料金が高い」と回答

切り替え経験の有無別の不満の割合

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/全国の電気契約者249人)

電力会社を切り替えたことがあるかどうかで分けると、切り替えたことがない人の31%が「料金が高い」と答えていました。切り替えたことがある人では22%です。「高いか安いかわからない」も、切り替えたことがない人は11%、ある人は4%でした。

切り替えたことがない人からは、「入居してから変えてないので他社が分からないのですが、今より安いところが、ありそうなので検討中」「毎月予想よりも高く請求されている。他の電力会社の料金を比較したことがなかったのですが、安いプランを提供している会社が他にあれば変更しようか検討中です」という声がありました。

料金に不満を感じていても、ほかの会社と比べたことがなければ、今の料金が高いのかどうかは判断できません。まずは同じ使用量で比べてみることが、不満を解消する第一歩です。満足度で見ても、「料金が高い」と答えた人のうち満足度4以上は33%で、全体の53%を20ポイント下回っていました。

切り替えた人の67%が「安くなった」、金額の中央値は月1,000円

電力会社を切り替えたあとの電気代の変化

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/電力会社を切り替えたことがある126人)

電力会社を切り替えたことがある126人に、切り替える前と比べて電気代がどう変わったかを聞くと、「かなり安くなった」14%、「少し安くなった」52%で、合わせて67%が安くなったと答えました。安くなった金額の中央値は月1,000円、年間で約12,000円です。

料金を比べるときは、直近の明細で1か月の使用量(kWh)と請求額を確認し、同じ使用量でほかの料金プランの電気代を計算します。請求額を使用量で割った1kWhあたりの金額を出しておくと、今の料金が割高かどうかの目安になります。目安の金額は電気代の平均値と比べてうちは高い?で紹介しています。

同じ使用量で計算して今より安くなるプランがあれば、切り替えを検討しましょう。電気料金シミュレーションなら、郵便番号と世帯人数を入れるだけで比べられます。

  • 直近の明細で、1か月の使用量(kWh)と請求額を確認する
  • 同じ使用量で、ほかの料金プランの電気代を試算する
  • 今より安くなるプランがあれば、切り替えを申し込む

「ポイント」「アプリ」の不満は、切り替え先の条件で選ぶ

ポイントやアプリの不満は、電力会社を選ぶときの条件に入れれば解消できます。ただし、ポイントは還元率だけで選ばず、料金と合わせて比べることが大切です。

ポイントは、料金と合わせた実際の支払いで比べる

ポイントの不満では、「ポイントの還元率が低いので全く貯まりません」「ポイントで交換できる商品のラインナップがちょっとしょぼく感じます」という声がありました。電気代の支払いでポイントがたまる電力会社や、普段使っているポイントにまとめられる電力会社を選べば、こうした不満は解消できます。

ただし、ポイントの還元率だけで選ぶと、電気代そのものが高くなることがあります。たとえば月8,000円の電気代で還元率1%なら、ポイントは月80円分です。一方、1kWhあたりの単価が1円違うだけで、月300kWh使う家庭では月300円の差になります。

ポイントを重視する場合も、まず同じ使用量で電気代を比べ、そのうえでポイントを上乗せして考えましょう。料金とポイントを合わせた実際の支払いで比べれば、どちらが得かがはっきりします。ポイントの使い道も確認しておきましょう。電気代の支払いに使えるか、普段の買い物で使うポイントにまとめられるかで、使いやすさが変わります。

毎日の使用量や料金が見られる会社を選ぶ

回答者のスマートフォンの電力会社アプリ画面。請求予定額と使用量が表示されている

回答者提供のアプリ画面(関東・戸建て・3人世帯)。画面の一部をぼかしています

アプリの不満では、「専用アプリがないため使用料の確認が面倒」「ブラウザのため毎回ログインが煩わしい」という声がありました。一方、アプリを良いところに挙げた人からは、「アプリで毎日、どの時間帯の電気代が安いのかが30分単位で分かるので、その時間を利用して家事を済ませている」という声もあります。

写真は、この回答者が使っているアプリの画面です。請求予定額や使用量、目標金額がひと目でわかります。この家庭は電力会社を切り替えて、電気代が月1,500〜2,000円安くなったと答えていました。

アプリを重視するなら、毎日や30分ごとの使用量、月の途中の電気代の見込みがわかるかを確認して選びましょう。使用量がこまめにわかれば、電気の使いすぎにも早く気づけます。使用量の確認方法は電気の使用量の確認方法で紹介しています。

30分ごとの使用量がわかるのは、スマートメーターで使用量を計っているためです。アプリやWebでどこまで細かく見られるかは電力会社によって違うため、申し込む前に公式サイトで確認しておくと安心です。

不満があるなら、まず今の料金を試算してみる

不満があっても、切り替えるのは面倒だと感じる人もいるでしょう。まずは今の使用量で料金を試算し、どれくらい変わるかを確かめるところから始めましょう。

「高いか安いかわからない」家庭こそ、比べてみる

「高いか安いかわからない」と答えた人からは、「プランが分かりづらく、今払っている電気代は安いのか高いのかよくわかりません」「他の電気会社を使ったことがないので、電気代が高いのかどうかが分からない」という声がありました。

こうした家庭は、満足度4以上の割合が33%で、全体の53%を下回っていました。高いか安いかわからないままでは、満足も不満もはっきりしないまま、毎月の電気代を払い続けることになります。

料金シミュレーションで、今の使用量でほかのプランの電気代を試算すれば、今の料金が高いのか安いのかがわかります。比べた結果、今の会社のほうが安ければ、それも安心材料になります。試算は、明細を手元に用意すれば数分で終わります。

切り替えたあとの家庭からも、「具体的に他社に比べて何円安くなっているのかが分からない」という声がありました。切り替えたあとも、ときどき同じ使用量でほかのプランと比べておくと、今の料金に納得して使い続けられます。

切り替えは申し込むだけ。「もっと早くやればよかった」という声も

切り替えた人からは、「電力会社は簡単に変えられず違約金や電話対応もあると思っていたがそういったことが一切なくすぐに解約・契約できたのが驚きでした。もっと早くやっておけばよかったと後悔しています」という声がありました。

電力会社の切り替えは、新しい電力会社に申し込むだけで、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。申し込みには、今の電力会社の検針票に書かれた「お客さま番号」と「供給地点特定番号」を使います。切り替えにかかる期間は、約4日〜2週間です。

料金プランによっては解約金がかかることもあるため、今の契約の条件も確認しておきましょう。切り替えの流れは電力会社の切り替え方法で紹介しています。スマートメーターへの交換が必要な場合も、工事費は原則かかりません。思い立ったときに、すぐ始められます。

  • 今の電力会社の検針票を用意する
  • 同じ使用量で、ほかの料金プランの電気代を試算する
  • 今の契約の解約金の有無を確認する
  • 新しい電力会社に申し込む

よくある質問

Q. 電力会社を切り替えて、電気代が高くなることはありますか?

あります。調査では、切り替えた126人のうち「少し高くなった」が6%、「かなり高くなった」が3%で、合わせて9%でした。高くなるのを防ぐには、切り替える前に、今の使用量でほかのプランの電気代を試算し、今より安くなるかを確かめることが大切です。キャンペーンやポイントだけで選ばないようにしましょう。安くなった金額を聞いた質問では、「まとめた当初は安くなったが、やや高い」という声もあり、割引の続く期間も確認が必要です。

Q. 再エネ賦課金は、電力会社を切り替えると安くなりますか?

再エネ賦課金は国が単価を決めていて、2026年度は1kWhあたり4.18円です。どの電力会社と契約しても同じ単価がかかるため、切り替えても安くはなりません。ただし、基本料金や電力量料金の単価は電力会社や料金プランによって違うため、電気代全体では安くなることがあります。電気代を下げたいときは、基本料金と電力量料金の単価を、同じ使用量で比べて選ぶのが確実です。くわしくは再エネ賦課金とはで解説しています。

Q. 市場連動型プランの値動きが不安なときはどうすればいいですか?

調査でも、市場連動型プランを使っている人から「冬場に電気代が跳ね上がることがあり、予算が読みにくい」という声がありました。値動きが不安なら、単価があらかじめ決まっている料金プランへの切り替えを検討しましょう。毎月の電気代の見通しが立てやすくなります。市場連動型プランは、市場の価格が安い時間帯に電気を使えば電気代を抑えられる一方、価格が上がる季節や時間帯は電気代も上がります。市場連動型のしくみは市場連動型プランとはで解説しています。

Q. マンションで電力会社を選べないと言われたらどうすればいいですか?

建物全体でまとめて電気を買う「一括受電」のマンションでは、各住戸で電力会社を選べないことがあります。一方、一括受電でなければ、賃貸でも契約名義が本人なら切り替えられます。調査では「今住んでいるところが、東京電力オンリー」と答えた人もいました。一括受電かどうかは、管理会社や管理組合に聞けば確認できます。一括受電でないとわかったら、同じ使用量でほかのプランの電気代を比べてみましょう。くわしくは賃貸でも電力会社は変更できる?で解説しています。

まとめ|不満は、電力会社を選び直せば変えられる

249人調査の結果まとめ

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/全国の電気契約者249人)

今の電力会社への不満は、「料金が高い」27%、「ポイント・特典が少ない」22%、「明細・アプリが使いにくい」14%が上位でした。同じ点を「良いところ」に挙げた人もいて、電力会社や料金プランによって中身は違います。

電力会社を切り替えた人の67%が「安くなった」と答え、金額の中央値は月1,000円でした。不満があるなら、まずは今の使用量で料金を試算してみましょう。

この記事のポイント

  • 不満の上位は「料金」27%、「ポイント」22%、「明細・アプリ」14%
  • 料金を「良いところ」に挙げた人は50%、アプリは29%。会社によって中身が違う
  • 切り替えたことがない人ほど、「料金が高い」と答えた割合が高かった(31%と22%)
  • 切り替えた人の67%が「安くなった」。金額の中央値は月1,000円
  • ポイントは還元率だけでなく、料金と合わせた支払いで比べる
  • 切り替えは新しい電力会社に申し込むだけで、解約の連絡はいらない

※本記事の調査数値は、電気比較ガイドが2026年3月〜8月に全国の電気契約者249人に実施した自社アンケートに基づきます。不満・良いところは自由記述の回答を内容で分けたもので、1人が複数に当てはまる場合があります。

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当サイトでは、公式発表の情報だけでは分からない「実際に使ってみてどうだったか」を補うため、利用者への独自アンケート調査を実施し、その結果を一次情報として記事に反映しています。

  • 調査名:電気料金・電力会社に関する利用実態調査(電気代比較ガイド独自調査)
  • 調査方法:クラウドソーシングサービスを通じたインターネットアンケート
  • 調査期間:2026年3月16日〜2026年8月12日
  • 調査対象:自宅で電気を契約している全国の個人(回答は40都道府県から)
  • 回答総数:322件
  • 設問数:全31問(住居タイプ・世帯人数・契約中の電力会社とプラン・契約アンペア数・毎月の電気代と使用量・乗り換え前後の比較・満足度・不満点等)
  • 回答に含まれる電力会社:大手電力会社・新電力会社あわせて28社(このほか「その他」としての回答を含みます)

アンケートの収集・集計にあたっては、恣意的な操作を防ぐため以下を徹底しています。

  • 第三者からの回答収集:回答はクラウドソーシングを通じて第三者から募集しており、当サイトおよび委託元の関係者による回答は集計対象に含めません
  • 証憑の提出を必須化:回答にあたって電気料金の明細と住居の写真の提出を必須としており、提出内容と回答内容の整合性を確認できたものを採用します
  • 数値の無加工:特定の電力会社に有利または不利となるような回答の取捨選択・重み付け・点数の調整は一切行わず、集計結果をそのまま掲載します
  • 否定的な回答も掲載:満足度の低い回答や不満点についても、削除・改変せずそのまま紹介します
  • 調査概要の併記:調査結果を引用する記事には、調査期間・回答数・調査方法を併記し、どのデータに基づく記述かが分かるようにします
  • 継続的な追加調査:回答は継続して募集しており、一定数の追加回答が集まった時点で集計結果を見直し、記事の数値を更新します

 

【独自調査】引っ越しのときの電力会社の決め方は?94世帯を調査

引っ越しが決まると、新居の電気をどの電力会社と契約するか決める必要があります。不動産会社に勧められた会社や、前の家と同じ会社に申し込むこともできますが、どう選ぶのがよいのでしょうか。

電気比較ガイドが、引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人に聞いたところ、新居で使う電気の量をもとに各社の料金を比べて選んだ人は、81%が今の電気に満足していました。勧められた会社に決めた人(43%)や、セット割を決め手にした人(33%)を上回っています。

引っ越しのときは、前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめです。比べる時間がなければ、入居後に見直すこともできます。この記事では、94人の選び方と満足度をもとに、新居の電力会社の選び方を紹介します。

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おすすめは、新居で使う電気の量で料金を比べて選ぶこと

94人の選び方と、今の電気の満足度を比べると、新居での料金を比べて選んだ人の満足度がいちばん高くなりました。比べるときに使うのは、前の家の明細の使用量です。

料金を比べて選んだ人は、81%が今の電気に満足していた

選び方別の満足度4以上の割合

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)

満足度5段階で4以上と答えた人は、新居での料金を比べて選んだ人で81%(16人中13人)でした。それ以外の選び方をした78人では45%です。勧められた会社に決めた人は43%、セット割を決め手にした人は33%でした。

料金を比べて選んだ人からは、「引っ越しの際にネットで料金を比較して一番安かったので選びました。実際に月1,000円くらい安くなっていると思います」「独り暮らしの自分には合っているプランだったし、実際、毎月約800円ほど安くなっている」という声がありました。

自分の使用量で比べておくと、契約する前に毎月の電気代の見込みがわかります。使い始めてから届いた請求額と見込みを比べれば、選んだ会社で安くなったかどうかも確かめられます。比べるのは、基本料金と1kWhあたりの単価を使用量に当てはめた毎月の電気代です。ポイントや特典は、そのうえで上乗せして考えましょう。

比べるときは、前の家の明細の使用量を使う

新居の電力会社は、次の手順で比べます。

  • 前の家の明細で、1か月の使用量(kWh)を確認する
  • 世帯人数や新居の設備が変わるなら、使用量の増減を見込む
  • 同じ使用量で、各社の毎月の料金を試算する
  • いちばん安くなる会社に、新居の電気を申し込む

北海道の戸建てに住む2人世帯は、新築の家に移る前に、1年分の電気の使用量と料金をもとに各社の単価を計算し、いちばん安くなる会社を選んでいました。季節によって使用量は変わるため、夏や冬の明細もあると、1年を通した電気代で比べられます。

調査回答者のリビングとダイニング。木目の天井と石目調の壁がある

回答者提供の写真(北海道・戸建て・2人世帯)。新築の家に移る前に、1年分の使用量で各社の料金を比べて選んだ

一人暮らしを始めるときなど、前の家の明細がない場合は、世帯人数が近い家庭の使用量を目安にして試算しましょう。調査でも、おおよその使用量をもとに各社を比べて選んだ人がいました。

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

新居の電力会社は、紹介やキャンペーンの内容より先に、毎月の料金で比べて選びましょう。電気代は、基本料金と、使った電気の量に応じた料金で決まります。前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の料金を試算すれば、新居での電気代の見込みがわかります。新居ではどのみち電気の申し込みが必要なので、申し込む先を比べて決めるだけで済みます。

セット割やキャンペーンは、毎月の料金とあわせて比べる

新居の設備やほかの契約に合わせて選ぶ方法もあります。セット割やキャンペーンで選ぶときは、割引の内容だけでなく、毎月の料金とあわせて比べることが大切です。

セット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上は2人

ガスや携帯電話とのセット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上と答えたのは2人(33%)でした。「セットにすると安くなると聞いたので」選んだ人や、「当時はガスと電気をセットで契約するとキャッシュバックがあったりお得だった」ものの、「現在はそこまでお得感はない」と答えた人もいます。

セット割は、電気代ではなく、ガス代や携帯電話料金から割り引かれることもあります。また、キャッシュバックや入居時のキャンペーンは、一度きりや数か月だけの割引のこともあります。調査でも、入居時のキャンペーンで3か月間の基本料金が0円になる会社を選んだ人がいました。

セット割やキャンペーンで選ぶときは、次の3つを確認しましょう。

  • 割引が、電気・ガス・携帯電話のどの料金から引かれるか
  • 割引やキャッシュバックが続く期間
  • 割引がない月も含めた1年分の支払い総額

電気だけでなく、ガスや携帯電話の料金も合わせて計算すると、本当に安くなるかがわかります。

オール電化・床暖房・EVがある新居は、設備に合うプランで比べる

新居の設備に合わせてプランを選んだ5人のうち、4人は満足度4以上でした。オール電化の新居に移るときに「料金を比較したところ一番お得なところだった」と答えた人や、電気自動車(EV)があることを前提に、複数の会社を比べた人がいます。

オール電化の家庭は、エコキュートなどで夜間の電気を使ってお湯を沸かすため、時間帯によって単価が変わるプランを契約している家庭もあります。比べるときは、夜間と昼間の単価と、それぞれの時間帯にどれだけ電気を使うかを確認しましょう。

回答の中には、「当時はオール電化対応不可の所が多かった」として、地域の電力会社を使い続けている家庭もありました。今はオール電化向けのプランを用意している会社もあるため、数年前に検討してあきらめた家庭も、比べ直してみましょう。

床暖房がある新居では、ガスの床暖房の割引があるプランを、ガス会社の電気とセットで選んだ人もいました。この場合も、電気とガスを合わせた1年分の総額で、ほかの組み合わせと比べると確実です。

勧められた会社や物件で決まっている会社は、決める前に確認する

94人のうち、不動産会社などに勧められた会社に決めた人は22%、物件で電力会社が決まっていた人は13%でした。案内された会社に申し込む前に、確認しておきたいことがあります。

勧められた会社も、同じ使用量でほかの会社と比べる

引っ越しのときの電力会社の決め方の割合

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)

勧められた会社に決めた21人のうち、10人は不動産会社や管理会社からの紹介でした。そのほか、住宅会社やガス会社、引っ越し業者に勧められた人もいます。引っ越しの準備で忙しい時期なので、案内された会社にそのまま申し込むのは珍しいことではありません。

ただ、勧められた会社に決めた人のうち、今の電気に満足していたのは43%でした。「入居時、案内されたとおりで契約し、使用を続けていますが、他社への変更も検討中です」という声もあります。

一方で、不動産会社に紹介された会社について、口コミや料金を自分で確認してから契約し、満足度5と答えた人もいました。案内された会社に決める場合も、同じ使用量でほかの会社の料金と比べてから申し込みましょう。比べても案内された会社のほうが安ければ、そのまま申し込んで問題ありません。比べた結果を見てから決めれば、納得して使い続けられます。

「物件で決まっている」と言われたら、一括受電かどうかを確認する

物件で電力会社が決まっていた12人の中には、「大家さんに聞いたところ変えられないようでそのままです」と答えた人もいました。ただ、資源エネルギー庁は、賃貸住宅でも電気の契約名義が本人であれば、電力会社を切り替えられるとしています。

切り替えが制限されることがあるのは、マンションの管理組合などが、建物全体でまとめて電気を買う契約をしている場合です。この契約は「一括受電」と呼ばれ、マンションの契約や規約によって、各住戸で電力会社を選べないことがあります(資源エネルギー庁「よくある質問」)。

不動産会社や管理会社に「電力会社は決まっている」と言われたら、次の2つを確認しましょう。

  • 電気の契約名義が自分になるか
  • 建物全体で一括受電をしているか

契約名義が自分で、一括受電でなければ、案内された会社以外も選べます。その場合は、ほかの会社と料金を比べたうえで、申し込む先を決めましょう。わからない場合は、管理会社に問い合わせれば確認できます。

引っ越しまでに比べられなければ、入居後に見直す

引っ越しの直前は、料金を比べる時間が取れないこともあります。その場合は、入居時の電力会社で使い始め、あとから見直して切り替える方法もあります。

入居時の会社をあとから見直した5人は、全員「安くなった」と回答

調査回答者のリビング。丸いテーブルといす、テレビ台が置かれている

回答者提供の写真(中国地方・分譲マンション・一人暮らし・オール電化)。入居時の電力会社から切り替えて、月3,000円ほど安くなった

入居時の電力会社をそのまま使い始め、あとから見直して切り替えた人が5人いました。5人とも、切り替えたあとの電気代について「安くなった」と答えています。

中国地方の分譲マンションに住む一人暮らしの人は、入居時に契約されていた電力会社が生活のリズムに合わず、電気代が高かったため、自分に合うプランを探して切り替えました。電気代は月3,000円ほど安くなったそうです。

関東の賃貸マンションに住む一人暮らしの人も、入居時に契約されていた電力会社の料金が予想より高かったため、料金を比べ直して切り替えました。電気代は月2,500円ほど下がったと答えています。

調査回答者の部屋。ベッドとキーボード、物干しラックが置かれている

回答者提供の写真(関東・賃貸マンション・一人暮らし)。入居時の電力会社から切り替えて、月2,500円ほど安くなった。画像の一部をぼかしています

旧居の解約・新居の申し込み・入居後の切り替えの手続き

引っ越し日が決まったら、旧居で契約している電力会社に連絡し、電気を止める日を伝えます。新居の電気は、選んだ電力会社に使用開始日を指定して申し込みます。電話で申し込めば、引っ越し当日から使えるようにできる会社もあり、調査でも「電話一本で即日開通するため選びました」という人がいました。旧居の解約の連絡を忘れると、旧居の契約が続いてしまうため注意しましょう。

入居後に切り替えるときは、新しい電力会社に申し込めば、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。切り替えの手続きに、原則として費用はかかりません。申し込みには、検針票などに書かれた「お客さま番号」と「供給地点特定番号」を使います。

切り替えにかかる期間は、スマートメーターへの交換が不要なら約4日、必要なら約2週間です(資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)。料金プランによっては解約金がかかることもあるため、今の契約の解約条件も確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 引っ越しのとき、電力会社はどう選べばいいですか?

前の家の明細で1か月の使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめです。調査では、新居での料金を比べて選んだ人の81%が、今の電気に満足していました。世帯人数や新居の設備が変わる場合は、使用量の増減も見込んで試算しましょう。明細がない場合は、世帯人数が近い家庭の使用量を目安にします。セット割やキャンペーンは、毎月の料金を比べたうえで、割引のない月も含めた1年分の総額で判断しましょう。

Q. 不動産会社に勧められた電力会社と契約しないといけませんか?

マンション全体で電気をまとめて買う一括受電の物件でなければ、案内された会社以外とも契約できます。賃貸住宅でも、電気の契約名義が本人であれば、電力会社を切り替えられます。案内された会社に申し込む場合も、まず新居での使用量に近い条件で、ほかの会社の料金と比べてから申し込みましょう。物件で決まっているか不明な場合は、管理会社に一括受電かどうかを確認してください。比べても案内された会社のほうが安ければ、そのまま申し込んで問題ありません。

Q. セット割で電力会社を選ぶのはお得ですか?

セット割で支払い総額が安くなる場合もありますが、割引がガス代や携帯電話料金から引かれることもあるため、電気代だけでは判断できません。キャッシュバックなどの特典が一度きりや数か月だけのこともあります。割引がない月も含めた1年分の支払い総額で、ほかの会社と比べましょう。調査では、セット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上は2人でした。割引の内容は、毎月の料金を比べたうえで上乗せして考えるのがおすすめです。

Q. 入居後に電力会社を切り替えることはできますか?

できます。新しい電力会社に申し込めば、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。切り替えにかかる期間は約4日〜2週間で、手続きに原則として費用はかかりません。調査では、入居時の電力会社をあとから見直して切り替えた5人全員が「安くなった」と答えていました。引っ越しまでに比べる時間がなかった場合も、入居後に見直してみましょう。料金プランによっては解約金がかかるため、今の契約の条件も確認しておきましょう。

まとめ|新居の電力会社は、使用量で料金を比べて選ぶ

94人調査の結果まとめ

電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)

引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人のうち、新居での料金を比べて選んだ人は81%が今の電気に満足していました。セット割を決め手にした人や、勧められた会社に決めた人より満足度が高い結果です。

新居の電気はどのみち申し込みが必要です。前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べてから申し込みましょう。間に合わなければ、入居後に見直すこともできます。

この記事のポイント

  • 新居で使う電気の量で、各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめ
  • 料金を比べて選んだ人は81%が今の電気に満足(それ以外の選び方は45%)
  • セット割やキャンペーンは、割引のない月も含めた1年分の総額で比べる
  • オール電化などの設備がある新居は、時間帯ごとの単価も比べる
  • 勧められた会社も比べてから決める。「指定」と言われたら一括受電かを確認する
  • 比べる時間がなければ入居後に見直す。見直した5人は全員「安くなった」と回答

※本記事の調査数値は、電気比較ガイドが2026年3月〜8月に実施した自社アンケートで、引っ越し・入居のときに今の電力会社を決めたと答えた94人の回答に基づきます。満足度は5段階で聞いています。

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当サイトでは、公式発表の情報だけでは分からない「実際に使ってみてどうだったか」を補うため、利用者への独自アンケート調査を実施し、その結果を一次情報として記事に反映しています。

  • 調査名:電気料金・電力会社に関する利用実態調査(電気代比較ガイド独自調査)
  • 調査方法:クラウドソーシングサービスを通じたインターネットアンケート
  • 調査期間:2026年3月16日〜2026年8月12日
  • 調査対象:自宅で電気を契約している全国の個人(回答は40都道府県から)
  • 回答総数:322件
  • 設問数:全31問(住居タイプ・世帯人数・契約中の電力会社とプラン・契約アンペア数・毎月の電気代と使用量・乗り換え前後の比較・満足度・不満点等)
  • 回答に含まれる電力会社:大手電力会社・新電力会社あわせて28社(このほか「その他」としての回答を含みます)

アンケートの収集・集計にあたっては、恣意的な操作を防ぐため以下を徹底しています。

  • 第三者からの回答収集:回答はクラウドソーシングを通じて第三者から募集しており、当サイトおよび委託元の関係者による回答は集計対象に含めません
  • 証憑の提出を必須化:回答にあたって電気料金の明細と住居の写真の提出を必須としており、提出内容と回答内容の整合性を確認できたものを採用します
  • 数値の無加工:特定の電力会社に有利または不利となるような回答の取捨選択・重み付け・点数の調整は一切行わず、集計結果をそのまま掲載します
  • 否定的な回答も掲載:満足度の低い回答や不満点についても、削除・改変せずそのまま紹介します
  • 調査概要の併記:調査結果を引用する記事には、調査期間・回答数・調査方法を併記し、どのデータに基づく記述かが分かるようにします
  • 継続的な追加調査:回答は継続して募集しており、一定数の追加回答が集まった時点で集計結果を見直し、記事の数値を更新します

 

【独自調査】152人が回答/電力会社の切替で電気代は下がる?「6割が減少」

「電力会社を切り替えると電気代が安くなる」とよく言われます。ただ、実際に切り替えた人がどうなったのかを数字で見た記事は多くありません。

そこで電気比較ガイドでは、全国の電気利用者295人にアンケートを実施しました。このうち実際に電力会社を切り替えた経験がある152人の回答を集計したのがこの記事です。

結論からお伝えすると、安くなったのは66%でした。裏を返せば、3人に1人は「変わらない」か「高くなった」と答えています。下がった額の実額と、うまくいかなかった人に何が起きていたのかまで見ていきます。

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152人に聞いた、切り替えたあとの電気代

まず調査の方法と、切り替えた152人の結果をお見せします。同じ「安くなった」でも、誰に何を聞いたかで意味が変わります。読み方を誤らないよう、前提のほうから整理します。

どうやって調べたか

この調査は、電気比較ガイドが2026年に実施した自社アンケートです。全国の電気契約者から回答を集め、重複投稿を除いた295人を有効回答としています。

設問では、住まいの地域・住居タイプ・世帯人数・契約中の電力会社とプラン・先月の電気代と使用量・満足度などを聞いています。

このうち「電力会社を切り替えた経験がある」と答えたのが152人でした。残りは切り替えたことがない人と、切り替えの有無を回答しなかった人です。

回答者の内訳は次のとおりです。地域や世帯規模が特定の層に偏らないよう、幅広く集めています。

※横にスクロールできます

調査の概要
項目 内訳
有効回答 295人(うち切り替え経験者152人)
世帯人数 1人103・2人84・3人57・4人34・5人以上17
住居タイプ 戸建て108・賃貸マンション89・賃貸アパート72・分譲23
契約形態 ガス併用241・オール電化52
調査時期 2026年

※本記事の数値はすべて電気比較ガイドの自社アンケート調査によるものです。統計上の全国平均ではなく、回答者152人の実態を示したものとしてお読みください。

安くなったと答えたのは、3人に2人だった

切り替え後の電気代の変化(切り替え経験者152人)

電気比較ガイド自社調査(2026年・切り替え経験者152人)

「切り替える前と比べて電気代はどう変わりましたか」という設問に対する回答が、この調査でもっとも大きな結果です。

「かなり安くなった」13.8%と「少し安くなった」52.0%を合わせると65.8%。切り替えた人のおよそ3分の2が、金額の低下を実感していました。

一方で「変わらない」が24.3%あります。さらに「少し高くなった」7.2%と「かなり高くなった」2.6%を足すと、34.2%は期待した結果になっていません。

ここで注目したいのは、安くなった人の内訳です。「かなり安くなった」は13.8%にとどまり、多数派は「少し安くなった」でした。

つまり実感としては、劇的に下がるというよりじわりと効いてくる程度の変化が標準的だということになります。この温度感は、次の章で実額を見るとよりはっきりします。

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

34%が「安くならなかった」という数字こそ、この調査でいちばん価値のある部分です。切り替えは自動的に得をする手続きではありません。自分の使用量に合わないプランを選べば変わらないこともありますし、世帯人数が増えれば料金は当然上がります。66%という数字は、正しく選んだときの確率だと捉えるのが実態に近いはずです。

安くなった人は、月いくら下がったのか

「安くなった」と答えた人のうち、変化額を具体的に書いてくれたのは61人でした。その金額の分布を見ると、現実的な期待値が見えてきます。

中央値は月1,000円、年間で約12,000円

安くなった金額の分布(61人)

電気比較ガイド自社調査(2026年・安くなったと回答し金額を記入した61人)

もっとも多かったのは月1,000〜2,000円の層で26人、42.6%を占めました。次いで月500〜1,000円が13人(21.3%)です。

61人全体の中央値は月1,000円でした。年間に直すと約12,000円の差になります。

この金額をどう受け止めるかは人によります。ただ、手続きは一度きりで、その後は毎月効き続けるという性質を踏まえると、時間あたりの効率は悪くありません。

切り替えの手続き自体はWebで完結することが多く、工事も立ち会いも不要です。具体的な進め方は電力会社の切り替え方法で解説しています。

注意したいのは、この中央値が「安くなった」と答えた人のなかでの数字だという点です。切り替えた152人全体で見れば、変わらなかった人や上がった人も含まれます。

したがって「切り替えれば月1,000円下がる」と読むのは正確ではありません。うまく選べた場合に期待できる水準が月1,000円前後、という読み方が実態に近くなります。

また、金額を書いてくれたのは61人で、安くなったと答えた100人の6割ほどです。具体的な額を把握していない人も一定数いる点は踏まえておいてください。

大きく下がった人と、ほとんど変わらなかった人の差

一方で、月3,000円以上下がったと答えた人も10人(16.4%)いました。この層には、はっきりした共通点があります。

回答を見ると、もともとの使用量が多い世帯か、季節による変動が大きい世帯が中心でした。「冬の時期では月3,000円ほど安くなった」「夏場、毎日フル使用で月4,000円くらい安くなっていた」といった記述が目立ちます。

電気料金は使った量に単価をかけて計算されるため、使用量が多いほど、わずかな条件の差が大きな金額として表れます。裏返せば、使用量が少ない世帯では金額の差も小さくなります。

実際、月500円未満だったという回答は5人(8.2%)ありました。このなかには一人暮らしで在宅時間が短い層が含まれます。

下がり幅が大きかった人に見られた条件

  • もともとの使用量が多い(世帯人数が多い・戸建て・オール電化)
  • 冷暖房の使用が集中する季節に差が出やすい
  • 基本料金や割引の条件が生活パターンと合っていた

自分がどちらのタイプかは、検針票やマイページの使用量(kWh)を見ればおおよそ判断できます。使用量の確認方法は電気使用量の調べ方にまとめています。

安くならなかった34%に、何が起きていたのか

この記事でいちばんお伝えしたいのは、うまくいかなかった52人のほうです。回答をたどっていくと、切り替えそのものより手前の段階に原因がありました。

変わらなかった37人に共通していたこと

「変わらない」と答えた37人の自由記述を読むと、比較をせずに決めていたケースが多く見られました。

目立ったのは、入居時に不動産会社や管理会社から案内されたプランをそのまま契約した、というパターンです。「不動産の方からおすすめされたので契約した」といった記述が複数ありました。

次に多かったのが、料金以外の目的で切り替えたケースです。携帯やインターネットとのセット割、ポイント、株主優待の引換券といった特典が動機になっており、そもそも電気代を下げることが目的ではなかった回答も含まれます。

この場合「変わらない」は失敗ではありません。ただ、料金の低下を期待して切り替えるなら、比較の段階を飛ばした時点で結果はほぼ決まってしまうということになります。

マンションで一括受電契約になっており、そもそも個人では電力会社を選べないという回答もありました。集合住宅の場合は、契約形態を先に確認しておく必要があります。

「他社に変えるのが面倒で、変えたところでそこまで電気代は変わらないと思っている」という記述もありました。比較しないまま結果を推測している状態で、これも変化が出にくいパターンです。

高くなった15人には、別の事情も重なっていた

「高くなった」と答えたのは15人です。母数が小さいため傾向としての読み取りになりますが、2つの特徴がはっきり出ました。

1つ目は、切り替え以外の変化が同時に起きていたことです。「一人暮らしから二人暮らしに変わったので3,000円くらい高くなった」のように、世帯人数や住まいが変わったケースが含まれます。この場合、料金の上昇は切り替えのせいとは言い切れません。

2つ目は、契約の自由度が低かったケースです。オール電化住宅で「このプランしか契約できなかった」という回答が複数ありました。

※横にスクロールできます

「高くなった」と答えた15人に見られた偏り
項目 切り替え者152人全体 高くなった15人
オール電化の割合 13% 40%
引っ越し・勧誘など
受け身のきっかけ
39% 67%

高くなった15人のうち3人に2人は、引っ越しや営業の案内をきっかけに契約しており、自分から比較した結果ではありませんでした。全体の39%と比べて明らかに高い比率です。

※高くなった15人は母数が小さいため、参考値としてご覧ください。

152人は何をきっかけに切り替えたのか

結果を分けたのが「比較したかどうか」だとすると、そもそも何をきっかけに切り替えたのかが気になります。自由記述を読んで分類しました。

いちばんの動機は料金、ただし3割は引っ越しだった

切り替えた理由の分類(152人・複数該当あり)

電気比較ガイド自社調査(2026年・切り替え経験者152人/自由記述を分類・複数該当あり)

もっとも多かったのは「料金が安いから」で81人、53%でした。切り替えの動機として料金が中心にあることは、数字のうえでも確認できます。

ただし2番目に多いのが「引っ越し・入居時」の45人(30%)です。生活の変化にあわせて手続きが必要になり、その流れで契約先が決まったというケースになります。

引っ越しのタイミングは、契約を見直す機会でもあります。一方で慌ただしく、比較の時間を取りにくい場面でもあります。手続きの段取りは引っ越し時の電気の手続きを参考にしてください。

実際、切り替え先として選ばれていたのは特定の一社に偏っておらず、地域の大手電力から新電力まで幅広く分散していました。「どこが正解か」ではなく「自分の使い方に合うか」で決まっていることがうかがえます。

乗り換え元として名前が挙がったのは、もともと契約していた地域の大手電力が中心でした。自由化前から自動的に契約していた先を、何かのきっかけで見直したという流れです。

なお、この分類は自由記述を読み取って分けたものです。1人が複数の理由を挙げている場合があるため、合計は100%を超えます。

勧誘・キャンペーンで決めた人も少なくない

3番目に多かったのが「勧誘・紹介を受けて」の27人(18%)、4番目が「キャンペーン・特典」の24人(16%)でした。

この2つを合わせると、相手からの働きかけが決め手になった人が一定数いることがわかります。不動産会社、引っ越し業者、営業訪問、知人の紹介などが記述に挙がっていました。

勧められた先が悪いわけではありません。ただ、前章で見たとおり受け身で決めた人ほど「高くなった」に含まれる比率が高いという結果が出ています。

特典で決める場合も、注意点があります。キャッシュバックや特典には継続期間や適用条件が設定されていることが多く、条件を満たさないまま解約すると返還を求められる場合があります。

セット割やポイント連携を理由に挙げた人も、それぞれ17人(11%)ずついました。この層は料金そのものより、生活全体での使い勝手を重視していたと読み取れます。

この選び方自体は合理的です。ただしセット割は片方の契約を解約すると割引条件が崩れることがあるため、将来引っ越しや契約変更の予定があるなら、その点も踏まえて判断したいところです。

一方で「大手で安心・安定」を理由に挙げたのは9人(6%)にとどまりました。切り替えを実行した層に限れば、ブランドよりも金額や特典が決め手になっていることがわかります。

損をしないために、契約前に見ておきたいこと

152人の結果から逆算すると、やることは多くありません。手間のかかる下調べが必要なわけではなく、確認をひとつ挟むかどうかの差でした。3つに絞って整理します。

今の使用量を把握してから比較する

下がり幅が大きかった人の共通点は、もともとの使用量が多いことでした。逆にいえば、自分の使用量を知らないまま比較しても、効果の見込みが立ちません。

確認するのは検針票かマイページの使用量(kWh)です。直近1か月だけでなく、夏と冬を含む1年分を見ておくと、季節変動の大きさまで把握できます。

この調査でも、夏や冬に差が出たという回答が目立ちました。年間で平準化して考えるほうが、実態に近い判断になります。

あわせて契約アンペアも確認しておきましょう。調査では契約アンペアを「わからない」と答えた人が最多で、295人中68人にのぼりました。基本料金に直結する項目なので、把握しておく価値があります。

アンペアは検針票やブレーカーの表示で確認できます。実際の使い方に対して契約が大きすぎると、使っていなくても基本料金を払い続けることになります。詳しくは契約アンペアの選び方にまとめました。

使用量とアンペアの2つがわかれば、比較の土台は整います。この確認を飛ばした人が「変わらない」に多く含まれていたのが、今回の調査でもっとも実務的な示唆でした。

特典や割引の条件と期間を確認する

キャンペーンや特典を理由に切り替えた人は24人(16%)いました。特典自体は正当な選択理由ですが、確認しておきたい点があります。

特典には継続期間の条件が付くことが一般的です。数か月の継続が求められる場合、その前に解約すると特典の返還や違約金が発生することがあります。

また、割引が初年度のみという設計もあります。この場合、2年目以降の金額で比べ直さないと、実際の負担を見誤ります。

調査でも「安くなると言われて選んだが高くなった」という記述がありました。説明された金額が、どの期間のどの条件での話なのかを確認するだけで、こうしたずれは避けられます。

もう一点、契約期間の縛りの有無も見ておきたい項目です。定期契約型のプランでは、途中で解約すると解約金が発生する場合があります。

特典の金額が大きいプランほど、条件も細かく設定されている傾向があります。受け取る金額と、その代わりに引き受ける条件をセットで見るという姿勢があれば、あとから困ることは少なくなります。

切り替えたかどうかで、満足度は変わっていなかった

もう一つ、意外な結果がありました。総合満足度を比べると、切り替えた人と切り替えていない人でほとんど差がなかったのです。

※横にスクロールできます

切り替えの有無と満足度(★4以上の割合)
区分 人数 ★4以上の割合
切り替えた 152人 57%
切り替えていない 42人 55%

切り替えたから満足度が上がる、という単純な関係にはなっていません。満足度を左右しているのは、切り替えたかどうかではなく、納得して選べたかどうかだと考えられます。

実際、回答全体で「今の電気の良いところ」として挙がった上位は、安さ(44%)に続いてアプリや明細での見える化(24%)でした。料金以外の要素も評価に効いています。

切り替えを検討するときは、金額だけでなく、支払い方法や明細の見やすさ、問い合わせのしやすさまで含めて見ておくと、後悔が少なくなります。

不満として挙がった項目にも同じ傾向が出ています。「料金が高い」と並んで、ポイント制度への不満が19%、明細やアプリの使いにくさが13%を占めていました。

日々触れるのは料金表ではなく、明細やアプリの画面です。切り替え先を選ぶ段階で、ここを確認しておく人はあまり多くありませんが、満足度には確実に効いています。

よくある質問

Q. 電力会社を切り替えれば必ず安くなりますか?

A. なりません。今回の調査では、切り替えた152人のうち安くなったと答えたのは66%で、24%は「変わらない」、10%は「高くなった」と回答しています。

結果を分けていたのは、比較をしたかどうかでした。入居時に案内されたまま契約した人や、料金以外の目的で切り替えた人は、金額が変わらない傾向がありました。

また、世帯人数が増えたなど切り替え以外の変化が重なっていたケースも含まれます。自分の使用量を確認したうえで選ぶことが前提になる、というのが今回の結果から言えることです。

Q. 切り替えるとどのくらい安くなりますか?

A. この調査で金額を回答した61人の中央値は月1,000円でした。もっとも多かったのは月1,000〜2,000円の層で42.6%を占めています。

ただし幅はあります。月3,000円以上下がった人が16.4%いる一方で、500円未満だった人も8.2%いました。もともとの使用量が多い世帯ほど差が大きく出やすく、使用量が少ない世帯では差も小さくなります。

なお、この金額は安くなったと答えた人のなかでの数字です。切り替えた人全体の平均ではない点にご注意ください。

Q. 切り替えで電気が止まったり、質が落ちたりしませんか?

A. ありません。電気を届ける送配電網は地域の送配電会社が共通で管理しているため、契約先を変えても電気そのものの品質や停電のしやすさは変わりません。

切り替え時に停電が起きることもなく、工事や立ち会いも原則不要です。スマートメーターが未設置の場合は交換作業が入ることがありますが、費用はかかりません。

実際、今回の調査でも供給の品質に関する不満はほとんど挙がっていませんでした。不満として多かったのは料金やポイント制度、明細の見やすさといった項目です。仕組みについては電力自由化の解説記事でも触れています。

Q. 引っ越しのタイミングで切り替えるのはどうですか?

A. 調査では30%が引っ越しをきっかけに切り替えていました。契約をやり直す必要があるため、見直しの機会としては適したタイミングです。

ただし注意点があります。高くなったと答えた人の67%が、引っ越しや勧誘など受け身のきっかけで契約していました。切り替え者全体の39%と比べて明らかに高い比率です。

慌ただしい時期ではありますが、案内されたプランをそのまま契約する前に、使用量に合っているかだけは確認しておきたいところです。旧居の検針票を1枚持っておくだけでも判断材料になります。

Q. 特典やキャンペーンで選んでも問題ありませんか?

A. 問題ありませんが、条件の確認は必要です。調査では16%が特典を理由に挙げていました。

特典には継続期間や適用条件が設定されていることが多く、期間内に解約すると返還を求められる場合があります。また割引が初年度のみという設計もあるため、2年目以降の金額でも比べておくと安心です。

調査でも、特典やセット割を理由に切り替えた人のなかに「変わらない」と答えた人が含まれていました。特典目的なら問題ありませんが、料金の低下も期待するなら比較は別途必要になります。

まとめ|切り替えは「比較したかどうか」で結果が分かれる

152人調査の結果まとめ

電気比較ガイド自社調査(2026年・切り替え経験者152人)

152人の回答を集計すると、電力会社の切り替えは自動的に得をする手続きではないことがわかりました。安くなったのは66%、変わらない・高くなったが34%です。

そして結果を分けていたのは、切り替え先の良し悪しよりも、自分の使用量を把握して比較したかどうかでした。検針票を一度確認するだけで、期待値のずれはかなり減らせます。

この記事のポイント

  • 切り替えた152人のうち、安くなったのは66%(かなり13.8%・少し52.0%)
  • 変わらない24.3%、高くなった9.8%。3人に1人は期待どおりにならなかった
  • 下がった額の中央値は月1,000円。最多層は月1,000〜2,000円で42.6%
  • 下がり幅が大きいのは、もともと使用量が多い世帯
  • 高くなった15人は、オール電化の割合と受け身のきっかけの比率が全体より高かった
  • 切り替えの理由は料金53%が最多、引っ越し30%・勧誘18%・特典16%が続く
  • 満足度は切り替えの有無では変わらず、納得して選べたかどうかで決まる

※本記事の数値は電気比較ガイドが2026年に実施した自社アンケート調査(有効回答295人/うち切り替え経験者152人)に基づきます。回答者の自由記述は個人が特定できない形で分類・要約しています。

まずは今の使用量と契約プランを確認するところからです。そのうえで条件に合うプランがあるかを見てみてください。

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当サイトでは、公式発表の情報だけでは分からない「実際に使ってみてどうだったか」を補うため、利用者への独自アンケート調査を実施し、その結果を一次情報として記事に反映しています。

  • 調査名:電気料金・電力会社に関する利用実態調査(電気代比較ガイド独自調査)
  • 調査方法:クラウドソーシングサービスを通じたインターネットアンケート
  • 調査期間:2026年3月16日〜2026年8月12日
  • 調査対象:自宅で電気を契約している全国の個人(回答は40都道府県から)
  • 回答総数:322件
  • 設問数:全31問(住居タイプ・世帯人数・契約中の電力会社とプラン・契約アンペア数・毎月の電気代と使用量・乗り換え前後の比較・満足度・不満点等)
  • 回答に含まれる電力会社:大手電力会社・新電力会社あわせて28社(このほか「その他」としての回答を含みます)

アンケートの収集・集計にあたっては、恣意的な操作を防ぐため以下を徹底しています。

  • 第三者からの回答収集:回答はクラウドソーシングを通じて第三者から募集しており、当サイトおよび委託元の関係者による回答は集計対象に含めません
  • 証憑の提出を必須化:回答にあたって電気料金の明細と住居の写真の提出を必須としており、提出内容と回答内容の整合性を確認できたものを採用します
  • 数値の無加工:特定の電力会社に有利または不利となるような回答の取捨選択・重み付け・点数の調整は一切行わず、集計結果をそのまま掲載します
  • 否定的な回答も掲載:満足度の低い回答や不満点についても、削除・改変せずそのまま紹介します
  • 調査概要の併記:調査結果を引用する記事には、調査期間・回答数・調査方法を併記し、どのデータに基づく記述かが分かるようにします
  • 継続的な追加調査:回答は継続して募集しており、一定数の追加回答が集まった時点で集計結果を見直し、記事の数値を更新します

 

解約金・違約金はどんな時にかかる?会社乗り換えの条件と避けるタイミング

電力会社を乗り換えたいけれど、「解約金や違約金を取られるのでは」と不安で手が止まっていませんか。契約書の細かい条件を前にすると、判断がつきにくいものです。

結論から言うと、いまの電気料金プランの多くは、解約金がかかりません。かかるのは、契約期間の縛りがあるプランや、割引・特典と引き換えの条件が付いたプランなど一部にかぎられます。

この記事では、解約金が発生する条件と相場、解約金以外に見落としやすい費用、そして損をせずに乗り換えるための確認ポイントを、順に整理します。

※解約金・違約金の有無や金額は、電力会社・プラン・契約時期により大きく異なります。本記事は一般的な傾向の解説です。実際の条件は必ず契約先の重要事項説明書でご確認ください。情報は2026年9月時点。

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電気の解約金・違約金とは

「解約金」「違約金」「解約事務手数料」は似た言葉ですが、指すものも発生する条件も違います。まずはここを整理しておきましょう。

解約金・違約金・解約事務手数料の違い

解約金・違約金は、契約期間の約束を守らずに途中で解約した場合にかかる費用です。一定期間の継続を前提に割引や特典を受けているため、その約束を果たさずにやめると発生します。

これに対して解約事務手数料は、解約の手続きそのものにかかる費用です。契約期間の有無やタイミングに関係なく、解約すればかかるタイプの費用になります。

呼び方は会社によって「早期解約金」「解約手数料」などさまざまで、統一された名称はありません。大切なのは名前ではなく、契約書に「どんな時に、いくら発生するか」がどう書かれているかです。

解約時にかかりうる3つの費用

  • 解約金・違約金:契約期間内・更新月以外の解約で発生
  • 解約事務手数料:時期を問わず手続きにかかる
  • 特典の返還:条件を満たす前の解約で返却・取り消し
  • いずれも重要事項説明書に記載される

多くのプランでは解約金がかからない

不安に感じる方が多い一方で、実際には解約金がかからないプランのほうが主流です。従来からある規制料金(従量電灯などの経過措置料金)は、解約金なしで解約できます。

電力自由化以降に増えた新しいプランも、契約期間の縛りを設けていない標準的なものが多く、その場合はいつ解約しても費用は発生しません。特別な割引や特典を受けていないなら、まず心配はいらないと考えてよいでしょう。

つまり、解約金があるかどうかは「どの会社か」ではなく「どんな契約か」で決まります。同じ会社のなかでも、縛りのあるプランとないプランが混在していることは珍しくありません。電気料金そのものの仕組みは電気代の計算方法もあわせてご覧ください。

電力自由化研究家 鈴木 翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

「解約金が怖くて動けない」という相談は多いのですが、実際にかかる方は少数派です。いま主流の縛りなしプランや、昔ながらの従量電灯なら、解約金はありません。気をつけるべきは、契約時に「◯年契約で割引」「特典プレゼント」といった条件が付いていたケースです。判断のコツは、まず自分の契約条件を確認すること。そのうえで、解約金の額と乗り換えで下がる年間の電気代を並べて比べれば、待つべきか動くべきかは数字で見えてきます。感覚で決めず、事実を確認してから判断しましょう。

解約金がかかるのはどんな時?

実際に解約金が発生するのは、どのような場面なのでしょうか。代表的なパターンと、契約タイプごとの傾向を見ていきましょう。

契約期間内・更新月以外の解約で発生する

もっとも多いのが、契約期間(最低利用期間)内に解約したケースです。「2年契約」「3年契約」といった形で継続を約束する代わりに割引を受けているため、期間内にやめると解約金が発生します。

あわせて注意したいのが更新月以外での解約です。定期契約のプランでは、契約が自動更新される前の一定期間が「更新月」として設けられており、この期間に解約すれば解約金はかかりません。裏を返せば、それ以外の月にやめると費用が生じます。

更新月は「契約満了月とその前後の数か月」など、会社によって定め方が異なります。何月から何月までが対象かを正確に把握しておかないと、わずかな差で解約金が発生することもあるため、事前の確認が欠かせません。

解約金が発生しやすい主なパターン

  • 契約期間(最低利用期間)内に解約した
  • 更新月以外のタイミングで解約した
  • ガス・通信などのセット割の条件を外した
  • キャッシュバックなど特典を受けた後の早期解約

契約タイプ別|かかる契約・かからない契約

自分の契約に解約金があるかどうかは、契約のタイプでおおよその見当がつきます。規制料金や縛りなしの標準プランはかからず、定期契約や特典付きのプランはかかることがある、という整理です。

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契約の種類 解約金の傾向 主な特徴
規制料金(従量電灯など) かからない 経過措置料金・縛りなし
一般的な自由料金(縛りなし) かからないことが多い 多くの新電力の標準プラン
定期契約プラン(2〜3年など) かかることがある 期間内・更新月以外の解約で発生
割引・特典付きプラン かかることがある セット割・特典の縛りが条件

自分のプラン名は、検針票やWeb明細に記載されていることが多いので、まずそこを確認しましょう。プラン名が分かれば、公式サイトのプラン説明ページで契約期間の有無も調べられます。

注意したいのは、同じプラン名でも申し込んだ時期によって条件が異なる場合があることです。キャンペーン期間中の契約には、期間限定の特典と縛りがセットで付いていることがあります。現在のサイト表示ではなく、契約当時の書面を確認するのが確実です。

解約金の相場はいくら

実際に解約金がかかる場合、金額はどのくらいになるのでしょうか。代表的な水準と、注意したい計算方式を押さえておきましょう。

数百円から1万円超まで幅がある

解約金の金額は、プランによってかなりの幅があります。目安としては、数百円程度の軽いものから、数千円規模、条件によっては1万円を超えるものまで存在します。同じ「解約金」でも、負担感はまったく違います。

比較的軽いのは、解約事務手数料にあたる数百円〜1,000円台のものです。中心的な価格帯は2,000〜3,000円台で、契約期間の縛りがあるプランに多く見られます。高額なものは、大きな特典や長期契約とセットになっている傾向です。

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金額の目安 よくある位置づけ 主な対象
数百円〜1,000円台 解約事務手数料 手続きにかかる実費相当
2,000〜3,000円台 一般的な解約金 契約期間の縛りがあるプラン
5,000円〜1万円超 高めの解約金 大きな特典・長期契約付き
残存月数×一定額 変動する方式 特典付きプランなど

これはあくまで一般的な水準です。同じ「解約金あり」でも金額の決まり方はプランごとに異なるため、実際の金額は必ず自分の契約条件で確認してください。金額を知らないまま手続きを進めるのは避けましょう。

「残存月数 × 一定額」で計算される方式に注意

とくに注意したいのが、金額が固定ではなく「残っている契約月数 × 一定額」で計算される方式です。この場合、契約期間の序盤で解約するほど残存月数が多く、解約金も高くなります。

1か月あたり数百円〜1,000円程度の設定でも、残り2年あれば1万円を超えることがあります。契約したばかりのタイミングで解約すると高額になりやすいため、申し込み直後の乗り換えはとくに慎重に考えましょう。

この方式は、キャッシュバックや商品プレゼントなど大きな特典が付いたプランで採用されることがあります。特典を受け取った直後にやめると、実質的に特典分を返すかたちになると理解しておくと分かりやすいでしょう。

自分の契約がこの方式かどうかは、重要事項説明書の解約金の欄を見れば分かります。金額が「◯円」ではなく計算式で書かれていれば、残存月数で変わる方式です。

解約金以外にかかる可能性がある費用

乗り換えで気にすべきは、解約金だけではありません。見落としやすい費用や、思わぬ不利益もあわせて押さえておきましょう。

特典の返還とセット割の解除に注意

キャッシュバックやポイント、プレゼントなどの特典を受け取ったあとに早期解約すると、特典の返還や取り消しを求められることがあります。ポイント還元やクーポンも、解約と同時に失効することが多く、貯めていた分が使えなくなる場合があります。

意外な盲点がセット割の解除です。電気とガス、電気と通信をまとめて割引を受けている場合、電気だけ解約すると、残ったサービス側の割引も同時に失われることがあります。電気で得をしても、ほかが値上がりしては本末転倒です。

解約金以外に確認しておくこと

  • 解約事務手数料が別にかかるか
  • 特典の返還・取り消しの条件はどうか
  • セット割の解除で他サービスの割引が消えないか
  • 未使用のポイントやクーポンが失効しないか

これらは「解約金ゼロ」と書かれたプランでも起こりうる費用です。乗り換えの判断は、解約金だけを見るのではなく、周辺の費用も含めた総額で考えるのが正解です。不明な点は、解約前に契約先へまとめて確認しておくと安心です。

解約金を払わずに乗り換える方法

条件が分かったら、あとは動き方だけです。確認すべき項目とタイミングを押さえれば、余計な出費はほとんど避けられます。

契約期間・更新月・特典条件を確認する

損をしないためのカギは、「契約期間」「更新月」「特典の条件」の3点を確認することです。この3つが分かれば、自分に解約金がかかるのか、かかるとしたらいつまでなのかが判断できます。

確認先は、契約時に受け取った重要事項説明書や契約内容のお知らせです。手元にない場合は、電力会社の会員ページ(マイページ)で契約内容を照会できることが多く、そこに解約金の有無が表示されることもあります。

それでも分からない時は、契約先のカスタマーセンターに「契約期間の縛りや解約金があるか」を直接問い合わせれば、確実に教えてもらえます。乗り換えを考え始めたら、まずこの確認から始めましょう。

損をしないための段取り

  • ①今の契約の縛り・更新月・解約金を確認する
  • ②乗り換え先の料金を試算する
  • ③解約金と年間の節約額を比べる
  • ④納得できたら新しい会社へ申し込む

更新月に解約するのが基本

定期契約のプランを使っている場合、更新月に解約すれば解約金はかかりません。更新月が近いなら、それまで待つのがもっとも確実な方法です。数か月先であれば、待つ価値は十分にあります。

反対に、更新月がずっと先で、待つあいだも電気代が高いままなら、解約金を払ってでも早く乗り換えたほうが得になることがあります。解約金の額と、乗り換えで下がる年間の電気代を並べて比べてみましょう。

なお、電気の乗り換えでは、新しい電力会社へ申し込むと、旧会社の解約は原則として自動で手続きされます。自分で解約連絡をする必要は基本ありません。手続きの流れは電力会社の切り替え方法で解説しています。

今の使い方で料金がどのくらい変わるかは、シミュレーションで確認できます。比較してから判断すれば、解約金を払う価値があるかどうかも見えてきます。

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よくある質問

Q. 自分のプランに解約金があるか、どこで分かりますか?

A. 契約時に受け取った「重要事項説明書」や「契約内容のお知らせ」に、契約期間や解約金の有無が記載されています。手元にない場合は、電力会社の会員向けWebページ(マイページ)で契約内容を確認できることが多いです。

それでも分からない時は、契約先のカスタマーセンターに「契約期間の縛りや解約金があるか」を直接問い合わせれば、確実に教えてもらえます。乗り換えを検討し始めたら、まずこの確認から始めると、あとで想定外の費用に驚くことがありません。

Q. 引っ越しで解約する場合も解約金はかかりますか?

A. プランによりますが、引っ越しに伴う解約は解約金の対象外としている会社もあります。一方で、契約期間の縛りがあるプランでは、引っ越しでも解約金がかかる場合があります。対応は会社ごとに異なるため、転居が決まったら早めに契約先へ確認しましょう。

また、引っ越し先でも同じ電力会社を継続利用できる「住所変更」の手続きにすれば、解約金の心配なく使い続けられることもあります。引っ越し全体の流れは引っ越しの電気手続きもご覧ください。

Q. 解約の連絡は自分でしなければいけませんか?

A. 別の電力会社へ乗り換える場合は、新しい会社へ申し込むと旧会社の解約手続きは原則として自動で進みます。自分で旧会社へ連絡する必要は基本的にありません。二重に手続きすると混乱するため、乗り換え時は新会社への申し込みに集中して大丈夫です。

ただし、引っ越しなどで電気そのものを止める場合は、自分で使用停止の連絡が必要です。また、解約金がかかる契約では、自動で解約されても支払い義務は契約者に残ります。条件は事前に確認しておきましょう。

Q. 解約金を払ってでも乗り換えたほうが得ですか?

A. ケースバイケースです。判断の目安は、「解約金の額」と「乗り換えで下がる年間の電気代」を比べることです。解約金が数千円でも、乗り換えで年間それ以上の節約が見込めるなら、早く乗り換えたほうが得になることがあります。

反対に、更新月がすぐ先にあるなら、それまで待って解約金ゼロで乗り換えるほうが賢い選択です。感覚で決めず、実際の料金を試算して比較することが大切です。今の使い方でどのくらい変わるかは、シミュレーションで確認できます。

まとめ|多くは解約金なし。縛りの有無を確認すれば怖くない

電気の解約金・違約金は、多くのプランではかかりません。従量電灯などの規制料金や、縛りなしの自由料金プランなら、いつ解約しても費用は発生しないのが一般的です。注意すべきは、定期契約や割引・特典付きのプランで、契約期間内や更新月以外に解約した場合です。

損をしないコツは、「契約期間・更新月・特典条件」を確認し、更新月に解約すること。そして解約金だけでなく、特典の返還やセット割の解除も含めた総額で、乗り換え後の節約額と比べて判断することです。まずはシミュレーションで今の料金を確認してみましょう。

この記事のポイント

  • 多くのプランは解約金なし(規制料金・縛りなし自由料金)
  • かかるのは定期契約・割引/特典付きのプラン
  • 金額は数百円〜数千円、条件により1万円超も
  • 解約金以外に特典返還・セット割解除に注意
  • 定期契約は更新月の解約で解約金ゼロ

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※解約金・違約金の有無や金額、引っ越し時の扱いは、電力会社・プラン・契約時期により異なります。正確な内容は必ず契約先の重要事項説明書・契約条件をご確認ください。情報は2026年9月時点。

大手電力と新電力の違い|新電力のメリット・デメリットと選び方

「新電力ってやめたほうがいいの?大手電力と何が違うの?」と、乗り換えに不安を感じていませんか。

結論から言うと、大手電力と新電力で届く電気の品質や停電のしやすさは変わりません。違うのは料金プランや契約の中身です。新電力には料金の選択肢が広いメリットがある一方、事業撤退や市場連動型のリスクなど、知っておきたい注意点もあります。

この記事では、電力アナリストの視点で大手電力と新電力の違い・新電力のメリットとデメリット・失敗しない選び方を、順位付けではなく中立の立場で整理します。

※本記事の情報は執筆時点(2026年7月)のものです。制度・料金は変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトや公的機関の発表で最新情報をご確認ください。

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大手電力と新電力の違いとは?

まずは、大手電力と新電力が何を指すのか、そして両者の本当の違いはどこにあるのかを整理しましょう。

そもそも「大手電力」と「新電力」とは

まず大手電力とは、北海道電力から沖縄電力までの、もともと各地域で電気を供給してきた電力会社を指します。いっぽう新電力とは、2016年4月の電力自由化以降に電気の小売事業に参入した会社の総称です(2026年7月時点)。

2016年の電力自由化によって、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。ガス会社や通信会社、石油元売りなど、さまざまな業種が新電力として参入し、独自の料金プランや特典を打ち出しています。会社の数が増えたことで、選択肢が一気に広がったのが自由化後の大きな変化です。大手電力も自由料金の新しいプランを用意しており、両者の線引きは以前ほど明確ではなくなっています。

つまり、いまは大手電力も新電力も、同じ土俵で選べる小売電力会社という位置づけです。かつては地域ごとに1社しか選べませんでしたが、いまは自分の使い方に合わせて自由に選べます。自由化の仕組みは電力自由化の解説記事で詳しく説明しています。

電気の品質・送配電は同じ|違うのは「料金と契約」

もっとも大切なポイントは、どの会社と契約しても、電気そのものの品質や停電のしやすさは変わらないことです。電気を家庭まで届ける送配電網は、これまでどおり地域の送配電会社が共通で管理しているためです。

新電力に切り替えても、使う電気は同じ送配電網を通って届きます。停電の起こりやすさも、復旧のスピードも大手電力と同じです。切り替えにともなう工事や立ち会いも、スマートメーターが設置済みなら原則不要です。

大手電力と新電力で「変わるもの・変わらないもの」

  • 変わらない:電気の品質・停電のしやすさ・送配電網(地域会社が共通管理)
  • 変わる:料金プラン・セット割・ポイント・契約条件
  • だから選ぶときは「料金と契約の中身」で比べるのが基本

言い換えれば、新電力選びは「電気の質」ではなく「料金と契約の条件」を比べることだといえます。この前提を押さえておくと、過度に不安を感じずに検討できます。まずは「質は同じ」と理解することが、落ち着いて比較する第一歩です。

新電力のメリット

新電力の魅力は、大手電力の標準的なプランにはない、料金や特典の選択肢の広さにあります。自分の暮らしに合わせて選べるのが強みです。

料金プランやセット割・ポイントの選択肢が広い

新電力の大きなメリットが、料金プランや特典の選択肢の広さです。ガスとのセット割、携帯や共通ポイントとの連携、電気料金に応じたポイント還元など、大手電力にはない組み合わせが選べます。

すでに使っているガスや携帯、ポイントサービスとまとめれば、特典を含めた実質の負担を抑えやすくなります。支払いや問い合わせ窓口をまとめられ、管理がシンプルになる点も利点です。とくに使用量が多い家庭ほど、還元やセット割の金額も大きくなりやすい傾向があります。

自分の生活スタイルに合った会社を選べば、使い方を大きく変えなくても負担を下げられる場合があります。まずは、いま自分が使っているサービスを書き出してみると、相性のよい会社が見えてきます。日常でよく使うサービスとまとめるほど、恩恵を実感しやすくなります。

新電力で選べる主な特典・プランの例

  • ガス・携帯・光回線とのセット割
  • 電気料金に応じたポイント還元や共通ポイント連携
  • 基本料金0円型や、実質再エネ由来の環境価値プランなど

基本料金0円型や環境価値プランなど多様

料金設計そのものが多様なのも新電力の特徴です。基本料金0円型のプランや、実質再生可能エネルギー由来をうたう環境価値プランなど、大手電力の標準プランとは違う選択肢があります。

基本料金0円型は、使用量が少ない月の固定的な負担を抑えやすいのが利点です。ただし電力量料金や上乗せ費用はかかるため、「基本料金0円=総額が安い」とは限らない点には注意が必要です。見た目の言葉ではなく、使った量に応じた総額で判断しましょう。プランの種類が多いぶん、自分の使い方に合うものを選べるのが新電力の強みです。選択肢が多い分だけ、比べる手間はかかりますが、それだけ自分に合う一社を見つけやすくなります。

環境に配慮した電気を選びたい人にとっては、再エネ由来をうたうプランが選びやすくなっているのも新電力ならではです。料金だけでなく、環境価値という軸でも選べるのは選択肢の広がりといえます。自分が何を重視するかによって、選ぶべきプランのタイプが変わってきます。

新電力のデメリット・注意点(「やめたほうがいい」と言われる理由)

新電力には「やめたほうがいい」という声もあります。その背景にあるのが、次のような注意点です。正しく理解すれば、過度に恐れる必要はありません。

事業撤退・倒産のリスク(でも電気は止まらない)

新電力の注意点としてよく挙げられるのが、事業撤退や倒産のリスクです。実際に、2021年から2022年にかけての燃料価格の高騰では、新規受付を停止したり事業から撤退したりする新電力が相次ぎました(2026年7月時点)。

ただし、仮に契約先が撤退・倒産しても、電気がすぐに止まることはありません。次の契約先が決まるまでの間は、地域の一般送配電事業者による「最終保障供給」というセーフティネットがあり、電気は使い続けられます。

撤退・倒産リスクで押さえておきたいこと

  • 燃料高騰などで、新規受付停止や撤退をする新電力が出ることがある
  • 撤退・倒産しても「最終保障供給」で電気は止まらない
  • 不安な場合は、事業の継続性や料金の仕組みも含めて会社を選ぶ

「電気が止まるかも」という不安は、仕組みを知れば大きく和らぎます。とはいえ切り替えの手間はかかるため、会社選びの際は料金だけでなく安定性も意識しておくと安心です。極端に安いだけのプランは、その安さがどこから来ているのかも一度考えてみるとよいでしょう。

市場連動型・燃料費調整に上限がないプランの高騰リスク

もうひとつの注意点が、料金が大きく変動するタイプのプランです。とくに市場価格に単価が連動する「市場連動型」は、市場が高騰したときに電気代が大きく上がるリスクがあります。

また、自由料金のなかには燃料費調整額に上限がないプランもあります。上限がないと、燃料価格が高騰した局面での値上がり幅が大きくなることがあります。規制料金には上限があるため、この違いは知っておきたいポイントです。

安さだけで選ぶと、こうした変動リスクを見落としがちです。仕組みは燃料費調整額とはや規制料金と自由料金の違いで解説しています。変動を許容できるかどうかで判断しましょう。毎月の電気代を一定に近づけたい人は、固定単価で燃調に上限のあるプランのほうが安心です。「安くなる可能性」と「高くなるリスク」は表裏一体だと理解しておきましょう。変動型を選ぶなら、単価を確認する習慣を持てるかどうかもポイントです。不安が大きい人は、まず変動の小さいプランから検討するのが無難です。

オール電化やサポートで合わない場合がある

契約面の注意点もあります。新電力の中には、オール電化住宅を対象外としている会社や、対応エリア・最低契約アンペアに条件がある会社があります。自分の住まいや契約が対象になるかは、事前に確認が必要です。

また、サポート体制が会社によって異なる点も見落とせません。電話窓口がなくメール中心の会社や、受付時間が限られる会社もあります。困ったときにすぐ相談したい人は、サポートのしやすさも確認しておきましょう。

オール電化の料金の考え方はオール電化のメリット・デメリットもあわせて参考にしてください。料金だけでなく、契約後のやり取りのしやすさも含めて選ぶことが大切です。自分の住まいや使い方が対象になるかを、申し込み前に確認しておくと無駄がありません。手厚いサポートを求める人は、電話窓口のある会社を候補に入れておくと安心です。料金の安さと引き換えに条件が絞られている場合もあるため、総合的に見て判断しましょう。契約後に「思っていたのと違った」とならないよう、条件は事前に読んでおくと安心です。

大手電力と新電力、どちらを選ぶ?失敗しない選び方

ここまでの違いを踏まえ、大手電力と新電力のどちらが合うか、選び方の視点を整理します。自分の使い方に照らして考えてみてください。

向いている人・慎重に検討したい人

まずは、新電力への切り替えが向いている人と、慎重に検討したい人を整理します。あくまで一般的な傾向として参考にしてください。

新電力への切り替えが向いている人

  • ガス・携帯・ポイントなど、まとめられるサービスがある人
  • 使い方に合ったプランを選び、実質の負担を下げたい人
  • 解約金のない会社で、まず試してみたい人

慎重に検討したい人

  • 毎月の電気代をできるだけ一定に近づけたい人(変動型は不向き)
  • オール電化など、対象外になりやすい契約の人
  • 電話などですぐに相談できるサポートを重視する人

大手電力にも、規制料金の安心感や、燃料費調整額に上限がある点などのメリットがあります。無理に切り替える必要はなく、自分の重視する点で選ぶことが大切です。「安さ」「安定」「特典」のどれを優先するかを先に決めておくと、選びやすくなります。どれを重視するかは人それぞれで、正解が一つに決まるものではありません。自分の暮らしに合うかどうかを基準に考えましょう。

単価やキャンペーンではなく「総額と契約条件」で比べる

会社を比べるときは、単価やキャンペーンの数字だけでなく、年間の総額と契約条件で判断することが失敗しないコツです。基本料金や上乗せ費用まで含めた、実際の負担で比べましょう。

あわせて確認したいのが、燃料費調整の方式(上限の有無)、解約金・契約期間の縛り、オール電化やエリアの条件です。これらは会社によって大きく異なり、あとで後悔しないための重要なポイントになります。とくに解約金の有無は、合わなかったときの乗り換えやすさに直結します。会社選びに迷ったら、まず解約金のない会社で試してみるという方法もあります。実際に使ってみて納得できるかを確かめてから、続けるかを判断できます。

数字は世帯や使い方で変わるため、平均値ではなく自分の使用量で試算して比べるのが確実です。使用量が増える夏や冬も含めて見ておくと、より実態に近い比較ができます。エリアごとの選び方は各地域の記事でも解説しています(例:東京エリアの電力会社の選び方)。

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大手電力と新電力に関するよくある質問

最後に、大手電力と新電力の違いについてよく寄せられる疑問をまとめました。検討の参考にしてください。

Q. 新電力はやめたほうがいいのですか?

A. 一概に「やめたほうがいい」とは言えません。仕組みを理解して選べば、有力な選択肢になります。「やめたほうがいい」と言われる主な理由は、事業撤退のリスクや市場連動型の高騰リスクですが、いずれも仕組みを知れば過度に恐れる必要はありません。

撤退・倒産しても最終保障供給で電気は止まらず、変動リスクは市場連動型を避ければ抑えられます。大切なのは、料金の安さだけでなく、リスクや契約条件も含めて自分に合う会社を選ぶことです。

Q. 新電力に切り替えると電気の質は落ちますか?

A. 電気の質や停電のしやすさは変わりません。電気を届ける送配電網は、どの会社と契約しても地域の送配電会社が共通で管理しています。そのため、電気そのものの品質や停電の起こりやすさは大手電力と同じです。

新電力だから停電しやすい、電圧が不安定になる、といったことはありません。変わるのは料金プランや契約の中身だけです。安心して料金や条件で比較して大丈夫です。もし停電が起きても、復旧作業を担うのはこれまでどおり地域の送配電会社です。

Q. 契約した新電力が倒産したらどうなりますか?

A. すぐに電気が止まることはありません(2026年7月時点)。次の契約先が決まるまでの間は、地域の一般送配電事業者による「最終保障供給」というセーフティネットがあり、電気は使い続けられます。

そのうえで、あらためて別の電力会社に申し込めば通常の契約に戻れます。倒産・撤退のニュースを見ると不安になりますが、電気そのものが急に止まる心配はありません。落ち着いて次の会社を選びましょう。事前に会社の事業の継続性も見ておくと、こうした乗り換えの手間を避けやすくなります。

Q. 2026年夏の電気代の支援は新電力でも受けられますか?

A. 2026年夏の電気・ガス料金支援は、対象の電力会社と契約していれば新電力でも受けられます(2026年7月時点)。2026年7〜9月使用分を対象に、電気(低圧)は7月3.5円・8月4.5円・9月3.5円(1kWhあたり)が自動で値引きされます。

申請は不要で、契約中の電力会社を通じて毎月の請求から差し引かれます。多くの会社が対象ですが、念のため契約先が支援の対象かどうかは公式の案内で確認しておくと安心です。

まとめ|大手電力と新電力は「料金と契約」で中立に比べる

大手電力と新電力で、届く電気の品質や停電のしやすさは変わりません。違うのは料金プランや契約の中身です。新電力には選択肢の広さというメリットがある一方、撤退リスクや変動型の注意点もあります。

「やめたほうがいい」といった声も、仕組みを知れば過度に恐れる必要はありません。撤退しても電気は止まらず、変動リスクは選び方で抑えられます。自分の使い方に合うかどうかを、総額と契約条件で中立に比べていきましょう。

この記事のポイント

  • 大手電力と新電力で電気の品質・停電のしやすさは変わらない(送配電網は共通)
  • 違うのは料金プランや契約の中身。新電力はセット割・ポイント・多様なプランが強み
  • 注意点は撤退リスク・市場連動型や燃調上限なしの高騰リスク・オール電化やサポートの条件
  • 撤退・倒産しても最終保障供給で電気は止まらない
  • 単価だけでなく年間の総額と契約条件で、自分に合うかを中立に比べる

※本記事の情報は2026年7月時点のものです。制度・料金は変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトや公的機関の発表で最新情報をご確認ください。

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電力アナリスト 佐藤 健一

電力アナリスト
佐藤 健一

大手電力と新電力は「どちらが上か」ではなく、「自分の使い方にどちらが合うか」で選ぶものです。電気の質は同じなので、比べるのは料金と契約の中身になります。新電力の撤退リスクは、最終保障供給という仕組みを知れば過度に恐れる必要はありません。むしろ気をつけたいのは、市場連動型や燃調に上限のないプランの変動リスクです。単価の安さだけでなく、総額・契約条件・安定性まで含めて、自分の使用量で試算して選んでください。

賃貸でも電力会社は変更できる?マンション・アパートの注意点と手順

「賃貸だから電力会社は変えられない」と思っていませんか?結論からお伝えすると、賃貸マンション・アパートでも、電気の契約名義が自分であれば電力会社の変更は原則可能で、大家さんや管理会社の許可も基本的に不要です。

ただし、建物全体で電気をまとめて契約する「高圧一括受電」のマンションでは、各住戸が個別に電力会社を選ぶことができません。自分の物件が当てはまるかどうかは、申し込み前に必ず確認しておきたいポイントです。

本記事では、賃貸で電力会社を変更できるケース・できないケースの見分け方から、変更手順、退去時の手続きや原状回復の考え方までをまとめて解説します。

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賃貸でも電力会社の変更は原則できる|大家の許可も不要

2016年4月1日の電力小売全面自由化により、持ち家か賃貸かを問わず、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。まずは「賃貸でも原則できる」と言える理由から整理します。

契約名義が自分なら管理会社や大家さんの許可は原則不要

電力会社を変更できるかどうかの分かれ目は、建物の持ち主が誰かではなく電気の契約名義が誰かです。資源エネルギー庁も、契約名義が本人であれば切り替えは可能で、他人名義の場合は名義人に確認するよう案内しています。

賃貸でも入居者本人の名義で契約しているのが一般的なため、多くの場合は自分の判断で変更できます。

電気の契約はあくまで入居者と電力会社の間の契約であり、部屋や建物の設備を作り替えるわけではありません。そのため、大家さんや管理会社の許可は原則不要です。

ただし、オーナー・管理会社の名義でまとめて契約している物件など、例外も一部にはあります。検針票や請求書の名義が自分になっているかを確認し、不明なら管理会社に問い合わせておくと安心です。

賃貸で電力会社を変更できるかの判断ポイント

  • 電気の契約名義が自分(入居者)であれば、賃貸マンション・アパートでも電力会社の変更は原則可能
  • 電気の契約は入居者と電力会社の間の契約のため、大家さんや管理会社の許可は基本的に不要
  • オーナー名義の契約や電気代が家賃込みの物件など例外もあるため、検針票・請求書の名義を先に確認する

※出典:資源エネルギー庁「電力小売全面自由化に関するよくあるご質問と回答集」

切り替えに室内工事は不要|電気の品質や停電リスクも変わらない

電力会社を変更しても、部屋の中で電気工事をすることは基本的にありません。必要になるのは、電気の使用量を30分ごとに計測するスマートメーターへの交換だけで、未設置の場合に建物の外側などにある既存のメーターを付け替えます。

交換は地域の送配電事業者側が行い、資源エネルギー庁の案内では費用は原則かかりません(交換に伴う工事に費用がかかる場合があります)。

切り替えのために新しい配線を引いたり、壁に穴を開けたりすることもないため、賃貸特有の「勝手に工事してよいのか」という心配は不要です。

また、電気を各家庭へ届ける送配電網は、契約先を変えた後も地域の送配電事業者が共通で管理し続けます。資源エネルギー庁も、電気そのものの品質や信頼性はどの会社から電気を買っても同じと説明しており、賃貸で新電力に変更しても停電が増えるようなことはありません。

※出典:資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」

※関連記事:電力自由化とは?仕組みとメリットをわかりやすく解説

マンションで電力会社を変えられないケース|高圧一括受電に注意

「賃貸だから変えられない」のではなく、変えられない場合の多くは建物の受電方式が理由です。代表例が高圧一括受電のマンションで、ここでは仕組みと見分け方を解説します。

高圧一括受電マンションでは個別に電力会社を変更できない

高圧一括受電とは、管理組合やオーナーが一括受電サービス会社と契約し、マンション全体で電気を高圧のまままとめて受電して、各住戸へ供給する方式です。建物単位でまとめて契約することで、共用部や各住戸の電気料金の負担を抑えることなどを目的に導入されています。

この方式では、電気の契約は「建物全体とサービス会社」の間で結ばれており、各住戸は小売電気事業者と直接契約していません。資源エネルギー庁の審議会資料でも、一括受電サービスの利用者は個別に小売電気事業者から電気の供給を受けることはできないと整理されています。

つまり、一括受電マンションに住んでいる限り、入居者がどれだけ希望しても、新電力への個別の切り替えはできないのです。

分譲・賃貸を問わず仕組みは共通で、変更するには建物全体で受電方式を見直すほかなく、入居者個人の手続きではどうにもなりません。当てはまる場合は、契約アンペアの見直しなど、いまの契約の範囲でできる節約に目を向けましょう。

※出典:資源エネルギー庁 電力・ガス基本政策小委員会 資料「共同住宅等に対する電気の一括供給の在り方について」(2018年11月)

一括受電かどうかの確認方法|アパートは対象外が多い

自分の物件が一括受電かどうかは、次の3つの方法で確認できます。

  • ①毎月の検針票・請求書の発行元を見る。地域の電力会社や新電力ではなく、一括受電サービス会社や管理会社の名前になっていれば一括受電の可能性が高い
  • ②入居時に自分で電力会社へ使用開始の申し込みをしたか思い出す。記憶がなく、家賃や共益費と一緒に電気代を払っている場合は建物単位の契約の可能性がある
  • ③賃貸借契約書・重要事項説明書の電気に関する記載を確認するか、管理会社・大家さんに直接問い合わせる

なお、高圧一括受電は専用の受電設備を建物に設置する必要があるため、導入されているのは主に一定規模以上のマンションです。小規模なアパートで導入されているケースはまれで、アパートの電力会社は各住戸で自由に選べるのが一般的です。

賃貸で電力会社を変えられない主なケース

  • 高圧一括受電のマンション:建物全体で受電契約をしているため、各住戸の個別切り替えができない
  • 電気代が家賃・共益費に含まれている物件:入居者個人が電力会社と直接契約していない
  • オーナーや管理会社の名義で契約している物件:変更には名義人の同意・手続きが必要になる

賃貸で電力会社を変更する手順と退去時の注意点

一括受電などの例外に当てはまらなければ、賃貸での変更手続きは持ち家と同じです。手順と切り替えまでの期間、退去時にやるべきことを順番に確認しましょう。

変更手順は3ステップ|切り替えまで約4日〜2週間

賃貸で電力会社を変更する手順は、次の3ステップで完了します。

  • ①検針票やWeb明細で「お客さま番号」と「供給地点特定番号」を確認し、手元に用意する
  • ②新しい電力会社の公式サイトなどから申し込む。現在の会社への解約連絡は原則不要
  • ③スマートメーター未設置の場合は交換を経て、契約で定められた切り替え日を待つ

現在の会社への解約手続きは、利用者の同意に基づいて切り替え先の電力会社が代行するのが一般的なため、自分で連絡する必要は基本的にありません。

切り替えまでの期間は、資源エネルギー庁の案内ではスマートメーターへの交換が必要な場合で約2週間程度、不要な場合で約4日程度とされています。

賃貸で意識したいのは名義と住所の正確さです。申し込み時の記載が検針票の表記と異なると手続きが止まることがあるため、部屋番号まで検針票のとおりに入力しましょう。

料金プランは使用量によって向き不向きが変わるため、申し込み前にシミュレーションで料金の目安を確認しておくと安心です。

※出典:資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」

※関連記事:電力会社の切り替え方法を手順つきで解説

退去時の手続きと原状回復の考え方

賃貸で新電力に変更した場合でも、退去時の手続きは難しくありません。引越しが決まったら、契約中の電力会社へWebや電話で退去日に合わせた利用停止(解約)を申し込むだけです。退去時に元の電力会社へ契約を戻すような手続きは不要です。

なお、解約金の有無はプランによって異なるため、契約条件をあらかじめ確認しておきましょう。

原状回復についても心配はいりません。原状回復とは、入居者の故意・過失などで生じた損耗を元に戻すことを指しますが、電力会社の変更では室内の設備に手を加えないためです。交換したスマートメーターも送配電事業者の設備であり、退去時に元のメーターへ戻す必要はありません。

引越し先でも同じ電力会社を続けたい場合は、供給エリアと引越し先の受電方式(一括受電でないか)を確認したうえで使用開始の手続きを行いましょう。事前に手続きしておけば、引越し当日から電気を使えるのが一般的です。

※解約金・契約条件に関する記述は執筆時点(2026年7月)の一般的な情報です。最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。

※関連記事:引越しのときの電気の手続きを解説

賃貸の電力会社変更に関するよくある質問

賃貸マンション・アパートでの電力会社の変更について、入居者の方が特に疑問に感じやすいポイントを質問形式でまとめました。契約前の不安解消に役立ててください。

Q. 賃貸で電力会社を変更するのに大家さんや管理会社の許可は必要ですか?

A. 電気の契約名義が自分であれば、許可は原則不要です。電気の契約は入居者と電力会社の間で結ばれるもので、建物や部屋の設備を変更するわけではないためです。資源エネルギー庁も、契約名義が本人であれば切り替えは可能と案内しています。

ただし、オーナー名義の契約や電気代が家賃に含まれる物件は例外のため、検針票の名義を確認し、不明なら管理会社に問い合わせましょう。賃貸借契約書に電気に関する取り決めがないかもあわせて確認しておくと、より安心です。

Q. マンションで電力会社を変えられないのはどんな場合ですか?

A. 代表的なのは高圧一括受電のマンションに住んでいる場合です。建物全体で一括受電サービス会社と契約しているため、各住戸が個別に小売電気事業者と契約することはできません。

このほか、電気代が家賃・共益費に含まれている物件や、オーナー・管理会社の名義で契約している物件も、入居者の判断だけでは変更できず、名義人の同意と手続きが必要です。

検針票の発行元や賃貸借契約書を確認し、判断がつかない場合は管理会社に問い合わせるのが確実です。

Q. 賃貸で電力会社を変更すると、退去時に原状回復が必要になりますか?

A. 電力会社の変更が退去時の原状回復に影響することは基本的にありません。変更にあたって室内の設備を工事することはなく、スマートメーターへの交換も送配電事業者側の設備の付け替えで、費用は原則かかりません。退去時に元のメーターや元の電力会社へ戻す必要もありません。

退去時に必要なのは、契約中の電力会社への利用停止(解約)の連絡だけです。解約金の有無はプランによって異なるため、契約時に確認しておきましょう。

Q. 賃貸で新電力に変更すると、電気が不安定になりませんか?

A. なりません。送配電網は地域の送配電事業者が共通で管理しているためです。資源エネルギー庁も、電気そのものの品質や信頼性はどの会社から電気を買っても同じと説明しています。

万が一契約先の新電力が撤退・倒産した場合も、送配電網を管理する会社がその分を補給するため、ただちに電気が止まることはありません。撤退の際は事前に契約者へ案内が届くのが一般的です。

賃貸か持ち家かで仕組みに違いはなく、アパートやマンションの一人暮らしでも安心して変更を検討できます。

まとめ|賃貸でも電力会社の変更は可能。一括受電だけ要確認

賃貸マンション・アパートでも、電気の契約名義が自分であれば電力会社の変更は原則可能で、大家さんや管理会社の許可も基本的に不要です。室内の工事や退去時の原状回復の心配もほとんどなく、退去時は利用停止の連絡をするだけで完了します。

唯一の大きな例外が高圧一括受電のマンションです。検針票の発行元や賃貸借契約書で建物の受電方式を確認し、変更できるとわかったら、まずは現在の使用量をもとにシミュレーションで料金の目安を確かめてみましょう。

この記事のポイント

  • 賃貸でも電気の契約名義が自分なら電力会社の変更は原則可能で、大家・管理会社の許可も不要
  • 高圧一括受電のマンションは建物単位の契約のため、各住戸が個別に電力会社を変更できない
  • 一括受電かどうかは検針票の発行元・賃貸借契約書・管理会社への問い合わせで確認できる
  • 切り替えに室内工事は不要で、スマートメーター交換も原則無料。退去時の原状回復にも影響しない
  • 退去時は契約中の電力会社へ利用停止の連絡をするだけでよく、元の会社に戻す必要はない

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電力自由化研究家
鈴木 翔太

「賃貸だから」とあきらめている方が実に多いのですが、自由化から10年、契約名義が自分なら賃貸でも自由に選べるのが原則です。確認すべきは建物の受電方式ただ一つで、検針票の発行元を見ればすぐに見当がつきます。

一人暮らしのアパートほど使用量に合わないプランのまま放置されがちなので、契約更新や引越しのタイミングで一度見直してみてください。

電力会社の切り替え方法を3ステップで解説|必要書類と注意点まとめ

「電力会社を切り替えたいけれど、何から始めればいいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、電力会社の切り替えはWebで5〜10分の申し込みだけで完了し、工事や立ち会いは一切不要です。

電力自由化により、2016年4月からすべての家庭で自由に電力会社を選べるようになりました。切り替えても電線や送配電網は今までと同じものを使い続けるため、停電のしやすさや電気の品質は変わりません。

この記事では、電力自由化研究家の視点で電力会社を切り替える3つのステップと、事前に用意しておきたい書類、切り替え時の注意点を整理します。初めて切り替える方でも迷わず進められる内容です。

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電力会社切り替えの流れ早見表


まずは全体の流れをざっと確認しておきましょう。詳細は後述しますが、この早見表を見れば全体像がつかめます。

ステップ 内容 所要時間の目安
①比較 使用量を確認し、電力会社・プランを比較する 10〜15分
②申し込み Webから契約者情報・供給地点特定番号などを入力する 5〜10分
③自動切替 次回検針日にあわせて自動的に切り替わる 申し込みから約2〜4週間

※スマートメーター未設置の家庭は、送配電会社による無料の交換工事が別途入るため、切替までの期間がやや長くなる場合があります。

電力会社の切り替えとは?知っておきたい基礎知識


具体的な手順に入る前に、切り替えの仕組みをおさえておきましょう。仕組みがわかると、安心して手続きを進められます。

切り替えても停電しやすくなることはない

電力会社を切り替えても、電気を家庭まで届ける「送配電網」は、これまでと同じ地域の送配電会社(東京電力パワーグリッドなど)が管理し続けます。契約する電力会社が変わるのは、あくまで発電・小売の部分だけです。そのため、切り替え後も停電のしやすさや電気の品質は一切変わりません。

工事や立ち会いは不要

新しい電力会社への切り替えは、原則として工事も立ち会いも不要です。すでにスマートメーターが設置されている家庭であれば、Webでの申し込みだけで手続きが完了します。まだスマートメーターが設置されていない場合のみ、送配電会社による無料の交換工事が入りますが、この場合も長時間の立ち会いが必要になることは基本的にありません。

今の電力会社への解約連絡は原則不要

「切り替える前に、今契約している電力会社に解約の連絡をしなければ」と思う方もいますが、その必要はありません。新しい電力会社が送配電会社と連携し、旧契約の解約手続きを代行してくれるためです。

スマートメーターとは何か

切り替え手続きの説明でたびたび登場する「スマートメーター」とは、電気の使用量を自動で計測し、通信機能によって送配電会社にデータを送信できる次世代の電力量計です。従来の検針員による目視検針が不要になるほか、電力会社の切り替え時にも遠隔操作で契約情報を切り替えられるため、工事や立ち会いなしでのスムーズな切替が可能になっています。

現在、多くの家庭にはすでにスマートメーターが設置されていますが、古い建物や一部の地域では従来型のアナログメーターのままになっているケースもあります。スマートメーターが未設置の場合のみ、送配電会社による交換工事が発生します。

※スマートメーターが設置済みかどうかは、検針票やメーターの表示画面(デジタル表示か、従来のアナログ式の円盤か)で確認できるほか、契約中の電力会社に問い合わせても確認できます。

※引っ越しにあわせて電力会社を切り替える場合の手続きは引っ越し時の電気の手続きで詳しく解説しています。この記事では、今の住まいのまま契約先だけを切り替えるケースを中心に解説します。

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

電力自由化は「発電・小売」の自由化であり、「送配電」は今まで通り地域の送配電会社が担っています。この仕組みを理解しておくと、「切り替えたら電気の質が落ちるのでは」といった不安を解消できます。電力自由化の仕組み全体については、別記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

切り替え前に用意しておきたいもの

申し込みをスムーズに進めるために、事前に手元に用意しておきたい情報をまとめました。

検針票またはマイページ

現在契約している電力会社が発行する検針票、またはWebマイページ(東京電力エリアなら「くらしTEPCO web」)に、申し込みに必要な情報がまとまっています。

申し込み時に確認しておきたい情報

  • お客様番号:現在契約している電力会社が発行する番号(検針票に記載)
  • 供給地点特定番号(22桁):電気の供給地点を示す番号。検針票やマイページで確認可能
  • 契約アンペア数:現在契約しているアンペア数(10A〜60A)
  • 直近の電気使用量:過去1〜12ヶ月分の使用量(kWh)

使用量がわかると比較の精度が上がる

過去12ヶ月分の使用量がわかると、季節による変動を含めた年間の電気代シミュレーションが可能になります。多くの電力会社のマイページでは、過去1年分の使用量グラフを確認できるため、切り替え前に必ずチェックしておきましょう。

電力会社切り替えの3ステップ

必要な情報が揃ったら、実際の切り替え手続きに進みます。手順はどの電力会社でもほぼ共通しており、大きく3ステップです。

ステップ1:新しい電力会社・プランを比較する

まずは自分の使用量や生活スタイルに合った電力会社・プランを探します。郵便番号と世帯人数を入力するだけで、地域や家庭に合った電気代の目安をシミュレーションできるツールを使うと、比較の手間を大きく減らせます。

  • 電力量料金の仕組み(従量料金型・固定単価型など)を確認する
  • 基本料金・解約金の有無を確認する
  • セット割やポイント還元の条件を確認する

比較するときにチェックしたい5項目

  • 料金体系:使用量に応じて単価が変わる従量料金型か、使用量にかかわらず一律の固定単価型か
  • 燃料費調整額の有無・上限:上限がないプランは燃料価格高騰時に料金が上がりやすい
  • 基本料金:契約アンペア数や契約容量によって変わるため、現在の契約と同条件で比較する
  • 特典・セット割:ポイント還元、都市ガスやスマホとのセット割の有無
  • 解約条件:契約期間の縛りや解約金の有無

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電力会社の主なタイプ

比較の際は、電力会社を大まかなタイプで捉えると選びやすくなります。

  • 従量料金型:大手電力会社と同様、使用量に応じて3段階で単価が変わるタイプ。使用量が少ない世帯にも大きな負担増になりにくい
  • 固定単価型:使用量にかかわらず単価が一律のタイプ。使用量が多い世帯ほど割安になりやすい
  • 時間帯別・季節別料金型:オール電化住宅など、特定の時間帯に電気を多く使う世帯向け

※市場価格に連動して30分ごとに単価が変動する「市場連動型」プランは、料金の見通しが立てづらいため、初めての切り替えでは避けたほうが無難です。

ステップ2:Webから申し込む

契約したいプランが決まったら、電力会社の公式サイトから申し込みます。所要時間の目安は5〜10分です。

申し込み時に入力する主な項目

  • 氏名・住所・連絡先などの契約者情報
  • お客様番号・供給地点特定番号(検針票またはマイページで確認したもの)
  • 契約アンペア数、または契約容量
  • 支払い方法(クレジットカード・口座振替・コンビニ払いなど、会社により異なる)

ステップ3:自動切替の完了を待つ

申し込みが完了すると、新しい電力会社が送配電会社と連携し、次回の検針日にあわせて自動的に切り替わります。

  • 切替までの期間:申し込みから約2〜4週間後(検針日のタイミングによって前後)
  • 切替日以降:新しい電力会社からの請求に切り替わる
  • 切替日より前:従来の電力会社からの請求が適用される

切替の作業中も電気の供給が止まることはなく、特別な立ち会いも必要ありません。

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

切り替え手続きで最も多いつまずきが「供給地点特定番号がわからない」というものです。この番号は検針票の右上や、電力会社のマイページの「契約内容」ページに記載されていることがほとんどです。見当たらない場合は、現在契約している電力会社のカスタマーサポートに問い合わせれば確認できます。

切り替え時に注意しておきたいポイント


手続き自体はシンプルですが、契約内容によっては事前に確認しておくべき点もあります。

切り替え前に確認しておきたい注意点

  • 解約金・違約金の有無:一部プラン(オール電化向けやキャンペーン適用プランなど)には契約期間の縛りがある場合がある
  • オール電化プランの対応可否:すべての電力会社がオール電化向けプランを用意しているわけではない
  • キャンペーン割引の適用期間:初年度限定の割引が終了すると、翌年以降の料金が変わる場合がある
  • スマートメーター未設置の場合:交換工事が必要になり、切替までの期間がやや長くなることがある
  • 市場連動型プランのリスク:市場価格に応じて単価が変動するプランは、見通しが立てづらい

これらの点は、申し込み前に各社の公式サイトや契約約款で必ず確認しておきましょう。

切り替えでやりがちな失敗と避け方


手続き自体は簡単ですが、比較の仕方を間違えると「思ったより安くならなかった」という結果になりがちです。よくある失敗パターンを押さえておきましょう。

失敗①:電力量料金の単価だけで決めてしまう

電気料金は基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金など複数の要素で構成されています。単価の一部だけを見て「安い」と判断すると、実際の請求額では期待した節約にならないことがあります。年間トータルの試算額で比較するのが失敗を避けるコツです。

失敗②:キャンペーン割引を実質料金と勘違いする

新規契約者向けのキャンペーン割引は、多くの場合初年度限定です。2年目以降の通常料金がいくらになるのかを必ず確認し、割引終了後も含めた長期的な視点で比較しましょう。

失敗③:供給地点特定番号を確認せずに申し込みを始めてしまう

申し込みの途中で番号がわからず手続きが止まってしまうケースはよくある失敗です。検針票やマイページで事前に確認してから申し込みを始めると、スムーズに完了できます。

失敗④:契約期間の縛りを見落とす

「解約金無料」を謳うプランが多い一方で、オール電化向けプランやキャンペーン適用プランの一部には、1〜2年の契約期間が設定されている場合があります。将来的に引っ越しの可能性がある方は、契約前に解約条件を確認しておくと安心です。

失敗⑤:シミュレーションの前提条件を確認しない

電力会社の比較サイトやシミュレーションツールでは、想定使用量や試算条件が会社によって異なる場合があります。「年間○円お得」という表示だけを鵜呑みにせず、自分の実際の使用量に近い条件で試算されているかを確認すると、より実態に近い比較ができます。

供給地点特定番号についてよくある疑問

切り替え手続きで多くの方がつまずく「供給地点特定番号」について、もう少し詳しく解説します。

供給地点特定番号とは

供給地点特定番号は、電気の供給地点(住所)ごとに割り振られた22桁の番号です。全国共通の仕組みで、どの電力会社と契約していても、供給地点特定番号自体は変わりません。切り替え手続きの際は、この番号を使って新しい電力会社が供給地点を特定します。

番号が見つからない場合の対処法

供給地点特定番号は、検針票やマイページの「契約内容」ページに記載されていますが、発行元によって表示位置が異なります。見つからない場合は、以下の方法で確認できます。

  • 契約中の電力会社のマイページで契約詳細を確認する
  • 契約中の電力会社のカスタマーサポートに電話で問い合わせる
  • 過去の検針票やメールでの通知を確認する

※引っ越し等で新規に電気の使用を開始する場合は、供給地点特定番号がまだ発行されていないことがあります。その場合は住所を伝えることで手続きを進められる電力会社もあるため、各社の申し込みページで確認しましょう。

切り替えに適したタイミング


「いつ切り替えても良いのか」「タイミングによって損することはないか」という疑問もよく聞かれます。基本的な考え方を整理しておきましょう。

基本的にはいつ切り替えても問題ない

電力会社の切り替えは、季節や時期を問わずいつでも申し込み可能です。年間契約の縛りがある一部プランを除けば、「今月中に切り替えないと損をする」といった制約は基本的にありません。

キャンペーン適用のタイミングは要チェック

一方で、電力会社によっては期間限定のキャンペーン(ポイント還元やキャッシュバックなど)を実施していることがあります。急ぎでなければ、気になる電力会社のキャンペーン実施状況を確認してから申し込むと、同じ契約内容でもより多くの特典を受けられる場合があります。

使用量が多い季節の直前に見直すのも一案

冬(暖房)や夏(冷房)など使用量が増える季節の直前に見直しておくと、電気代がかさむ時期から新しいプランの恩恵を受けられます。冬の電気代が高い原因と対策もあわせて確認しておくと、季節ごとの見直しポイントが把握しやすくなります。

切り替え完了後にやっておきたいこと

無事に新しい電力会社への切り替えが完了したあとも、いくつか確認しておくとよいことがあります。

初回の請求内容を確認する

切替後最初の請求は、旧電力会社と新電力会社それぞれから、切替日の前後で使用した分が別々に届くことがあります。請求が二重になっているわけではないので、それぞれの請求期間を確認すれば安心です。

マイページへの登録・アプリのダウンロード

多くの電力会社では、使用量や料金をリアルタイムで確認できるマイページやアプリを提供しています。切替後早めに登録しておくと、月々の使用量の推移を把握しやすくなり、その後の節約にも役立ちます。

口座振替・クレジットカード情報の設定を忘れずに

支払い方法の設定が完了していないと、初回請求が振込用紙での支払いになり、手数料がかかる場合があります。切り替え後は支払い方法の登録状況も確認しておきましょう。

電力会社の切り替えに関するよくある質問

Q. 電力会社を切り替えると停電しやすくなりますか?

A. いいえ、停電のしやすさは変わりません。送配電網は契約先によらず地域の送配電会社が管理しているため、切り替え後も同じ品質・安定性で電気が供給されます。

Q. 切り替えにかかる期間はどのくらいですか?

A. 申し込みから約2〜4週間が目安です。次回の検針日にあわせて自動的に切り替わるため、申し込みのタイミングによって多少前後します。

Q. 今契約している電力会社への解約連絡は必要ですか?

A. 基本的に不要です。新しい電力会社が送配電会社と連携し、旧契約の解約手続きを代行してくれます。

Q. 賃貸住宅でも電力会社を切り替えられますか?

A. ほとんどのケースで切り替え可能です。契約者本人の判断で切り替えられますが、一部のマンション(高圧一括受電契約の物件など)では個別契約ができない場合があるため、事前に管理会社や大家さんへの確認が安心です。

Q. 新電力が倒産した場合、電気は止まりますか?

A. 即座に止まることはありません。契約していた電力会社が事業を撤退・倒産した場合でも、送配電会社による「最終保障供給」として一時的に電気の供給が継続されます。その間に別の電力会社を選び直せば問題ありません。

Q. 切り替えの申し込みに費用はかかりますか?

A. 申し込み自体に費用はかかりません。スマートメーターがすでに設置されている家庭であれば、交換工事費用も原則発生しません。未設置の場合の交換工事も、多くのケースで無料です。

Q. 複数の電力会社を比較するにはどうすればいいですか?

A. 郵便番号と世帯人数を入力するシミュレーションが手軽です。各社のプランを個別に調べて計算するのは手間がかかるため、地域・世帯人数に応じた電気代の目安を一度に比較できるツールを使うと効率的です。

Q. 切り替え後、以前の電力会社に戻すことはできますか?

A. はい、いつでも戻せます。新しい電力会社との契約を解除したうえで、以前契約していた電力会社に再度申し込めば契約可能です。ただし、以前と同じキャンペーンや割引が適用されるとは限らないため、料金条件は再度確認しましょう。

Q. 固定単価型と従量料金型、どちらを選べばいいですか?

A. 使用量によって異なります。一般的に、使用量が多い世帯ほど固定単価型のメリットが出やすく、使用量が少ない世帯では従量料金型の方が有利な場合があります。ご自身の月間使用量を確認したうえで、シミュレーションで比較することをおすすめします。

まとめ|電力会社の切り替えは3ステップで完結

電力会社の切り替えは、比較・申し込み・自動切替の3ステップで完了し、工事や立ち会いは基本的に不要です。事前に検針票やマイページで必要な情報を確認しておけば、手続きはスムーズに進みます。

この記事のポイント

  • 切り替えても送配電網は変わらず、停電のしやすさや品質に影響はない
  • 事前に用意するもの:お客様番号・供給地点特定番号・契約アンペア数・使用量
  • 手続きは比較→申し込み→自動切替の3ステップ、所要時間は5〜10分
  • 切替完了までの期間は申し込みから約2〜4週間が目安
  • 解約金・オール電化対応・キャンペーン適用期間は事前に確認しておく

必要な情報さえ揃えておけば、電力会社の切り替えは決して難しい手続きではありません。まずはご自身の使用量を確認し、シミュレーションで比較するところから始めてみてください。

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引越しの電気手続き|解約・新規申込はいつまで?流れを解説

引越しが決まると、やることが一気に増えます。なかでも電気の手続きは「いつまでに」「どこに」連絡すればいいのか迷いがち。手続きを忘れると、新居で電気が使えなかったり、旧居の電気代を払い続けたりすることもあります。

引越しの電気の手続きは、大きく分けて「旧居の解約(使用停止)」と「新居の契約(使用開始)」の2つです。どちらも引越しの1週間前までに連絡しておくと安心です(繁忙期は早めに)。引越しは、電力会社や料金プランを見直す絶好のタイミングでもあります。

この記事では、引越しの電気手続きの流れ・連絡の期限・必要なもの・当日のトラブル対処・ガスや水道とのまとめ方・電力会社の見直しまで、順番にわかりやすく解説します。

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引越しの電気手続きは「解約」と「新規契約」の2つ


まずは全体像を押さえましょう。手続きは2つに分かれており、それぞれ連絡先と期限が異なります。

旧居の解約(使用停止)

今住んでいる家の電気は、引越しで使わなくなるため「使用停止(解約)」の手続きが必要です。現在契約している電力会社へ、引越し日(電気を使わなくなる日)を伝えて連絡します。これを忘れると、退去後も基本料金などがかかり続けてしまうため注意が必要です。

新居の契約(使用開始)

新しい家では「使用開始」の手続きが必要です。新居で契約する電力会社へ、電気を使い始める日を伝えて申し込みます。これを忘れると、入居初日に電気が使えないことがあります。

同じ会社を使う場合・別の会社にする場合

新居でも今と同じ電力会社を使う場合は、1回の連絡で「停止」と「開始」をまとめて手続きできることが多いです。別の会社に切り替える場合は、解約は今の会社、新規申込は新しい会社へそれぞれ連絡します。

引越しで必要な2つの手続き

  • 旧居の解約(使用停止):現在契約中の電力会社へ連絡
  • 新居の契約(使用開始):新居で契約する電力会社へ申し込み
  • 同じ会社ならまとめて1回、別の会社ならそれぞれ連絡

引越しの電気手続きはいつまで?|時系列チェックリスト


手続きで最も気になるのが「いつまでに連絡すればいいか」です。引越しの準備と合わせて、時系列で確認しましょう。

手続きスケジュールの目安

電気の使用停止・使用開始の連絡は、引越しの1週間前までに済ませておくのが安心です。下の表を目安に進めましょう。

タイミング やること
2〜4週間前 新居の電力会社・プランを検討する
1週間前まで 旧居の解約(使用停止)と新居の新規申込(使用開始)を連絡
前日まで 申込内容(使用開始日・住所)を確認
引越し当日 新居でブレーカーを入れ、電気がつくか確認

繁忙期(3〜4月)は早めに

引越しが集中する3〜4月は、手続きの申し込みも混み合います。希望日に手続きできないこともあるため、この時期に引越す場合は2週間以上前を目安に、早めに連絡しておくと安心です。

電力自由化研究家 鈴木翔太

電力自由化研究家
鈴木 翔太

引越しは、電力会社を見直す絶好のタイミングです。新居では「使用開始」の手続きが必要になるので、どうせ連絡するなら、その機会に料金プランを比べてみるのがおすすめです。今の会社をそのまま使う前提で考えがちですが、新居のエリアや使用量に合った会社を選べば、引越しを機に電気代を下げられることもあります。手続きの手間はほとんど変わりません。

電気の手続きの方法と必要なもの

手続きの具体的な方法と、準備しておくものを確認しましょう。事前に揃えておくとスムーズです。

Web・電話・アプリで手続きできる

手続きは、電力会社のWebサイト・マイページ・電話で行えます。最近はWebからの手続きが主流で、24時間いつでも申し込めるため便利です。電話は繁忙期につながりにくいことがあるため、Webがおすすめです。

手続きに必要な情報

手続きで必要になる主な情報

  • 契約者の氏名・連絡先
  • 旧居・新居の住所
  • お客さま番号・供給地点特定番号(検針票や請求書に記載)
  • 電気の使用停止日・使用開始日
  • 支払い方法(口座・クレジットカードなど)

※お客さま番号や供給地点特定番号は、検針票・請求書・マイページで確認できます。新居の供給地点特定番号は、不動産会社や管理会社、現地の検針票でわかる場合があります。

引越し当日の流れと立会いの要否

手続きが済んでいても、当日に戸惑わないよう流れを確認しておきましょう。立会いの要否やトラブル対処を知っておくと安心です。

スマートメーターなら立会いは原則不要

スマートメーターが設置されている住宅では、電気の使用開始・停止に立会いは原則不要です。申し込んだ使用開始日になれば、新居でブレーカーを入れるだけで電気が使えます。一部、オートロックや特殊な設備がある場合は立会いが必要なこともあります。

新居で電気がつかないときの対処

新居でブレーカーを入れても電気がつかない場合は、次の順番で確認しましょう。

電気がつかないときの確認手順

  • 分電盤の「アンペアブレーカー」と「漏電ブレーカー」が入っているか確認
  • 個別のブレーカー(配線用遮断器)がすべて入っているか確認
  • それでもつかない場合は、使用開始の申し込みができているか確認
  • 申し込み済みでもつかない場合は、契約予定の電力会社に連絡

※ブレーカーを入れる順番は「アンペアブレーカー → 漏電ブレーカー → 個別ブレーカー」です。一気に上げず、順番に入れましょう。

電気・ガス・水道はまとめて手続きできる

引越しで必要なライフラインは電気だけではありません。ガス・水道とあわせて段取りすると、手続き漏れを防げます。

電気・ガス・水道は、それぞれの提供事業者へ連絡が必要です。最近は、複数のライフラインの手続きをまとめて申し込めるサービスもあります。注意したいのはガスの開栓で、電気や水道と違い、立会いが必要なことがほとんどです。引越し当日にお湯やガスコンロを使うためには、事前にガス会社と開栓の日時を予約しておきましょう。

ライフライン手続きのポイント

  • 電気:スマートメーターなら立会い原則不要
  • 水道:立会い不要なことが多い(自治体・水道局へ連絡)
  • ガス:開栓に立会いが必要。早めに日時を予約する

引越しを機に電力会社を見直すには

新居では電気の契約をいちから行うため、電力会社やプランを選び直す自然なタイミングです。見直しのポイントを押さえましょう。

新居のエリアと使用量で選ぶ

電力会社やプランは、エリアによって選べるものや料金が異なります。新居の使用量(世帯人数・暮らし方)に合ったプランを選ぶと、引越しを機に電気代を下げられることがあります。新居では契約アンペアの設定も見直せるため、契約アンペアの目安もあわせて確認しておくと安心です。オクトパスエナジー・CDエナジー・TERASELでんき・東京ガスのでんきなど、各社に料金設計の特徴があります。

※電力会社選びの前提として電力自由化とは、節約のコツは電気代を安くする方法も参考にしてください。

シミュレーションで比べる

どの会社・プランが合うかは、新居の郵便番号と世帯人数を入れるだけでシミュレーションできます。手続きのついでに比べておくと、ムダなく選べます。

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引越しの電気手続きでやりがちな失敗・注意点


最後に、引越しの電気手続きでありがちな失敗を確認しておきましょう。知っておけば未然に防げます。

よくある失敗と注意点

  • 解約を忘れる:退去後も旧居の基本料金がかかり続ける
  • 新規申込を忘れる:入居初日に電気が使えない
  • 申し込みがギリギリ:繁忙期は希望日に手続きできないことがある
  • 使用開始日を間違える:入居日とずれると電気が使えない期間が生じる
  • ガスの開栓予約を忘れる:立会いが必要なため当日お湯が使えない

これらは、早めに「解約」と「新規申込」をセットで済ませておけば防げます。引越し準備のチェックリストに、電気・ガス・水道の手続きを入れておきましょう。

引越しの電気手続きに関するよくある質問

最後に、引越しの電気手続きについてよく寄せられる疑問をまとめました。

Q. 引越しの電気手続きはいつまでにすればいいですか?

A. 引越しの1週間前までが目安です。繁忙期(3〜4月)は混み合うため、2週間以上前を目安に早めの連絡をおすすめします。Webからなら24時間申し込めます。

Q. 手続きを忘れるとどうなりますか?

A. 解約を忘れると旧居の電気代がかかり続け、新規申込を忘れると新居で電気が使えません。どちらも忘れずに連絡しましょう。

Q. 引越し当日に立会いは必要ですか?

A. 電気はスマートメーターの住宅では原則不要です。使用開始日にブレーカーを入れれば電気が使えます。ただしガスの開栓は立会いが必要なことがほとんどです。

Q. 新居で電気がつきません。どうすればいいですか?

A. まずブレーカーを順番に確認してください。アンペアブレーカー・漏電ブレーカー・個別ブレーカーが入っているか確認し、それでもつかない場合は使用開始の申し込み状況を確認のうえ、電力会社に連絡しましょう。

Q. 引越しを機に電力会社を変えるのは面倒ですか?

A. むしろ手間が少ないタイミングです。新居ではどのみち使用開始の手続きが必要なので、その際に新しい会社へ申し込めば、切り替えの手間はほとんど変わりません。

まとめ|手続きは「解約」と「新規申込」を1週間前までに

引越しの電気手続きは、旧居の解約と新居の新規申込の2つを、引越しの1週間前まで(繁忙期は早めに)に済ませるのが基本です。スマートメーターなら立会いは原則不要で、当日はブレーカーを入れれば電気が使えます。

この記事のポイント

  • 手続きは解約(使用停止)と新規契約(使用開始)の2つ
  • 連絡は引越しの1週間前まで(繁忙期は2週間以上前に)
  • スマートメーターなら電気の立会いは原則不要(ガス開栓は立会い必要)
  • 当日電気がつかないときはブレーカーを順番に確認
  • 引越しは電力会社・プランを見直す絶好のタイミング

引越しは新生活のスタート。電気の手続きとあわせて、新居に合った電力会社を選べば、気持ちよく節約のスタートを切れます。シミュレーションで新居の電気代を確認してみてください。

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