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従量電灯A・Bとは?料金の仕組みと他プランとの違いをわかりやすく解説
「検針票に書いてある『従量電灯B』って何?」「従量電灯AとBの違いがわからない」と思ったことはありませんか?従量電灯は、東京電力や関西電力など大手電力会社が電力自由化以前から提供している標準的な料金プランで、現在も多くの家庭が契約しています。
この記事では、従量電灯A・B・Cの違い、料金の仕組み、エリア別の対応、他プランとの比較まで、ややこしい部分をわかりやすく整理して解説します。仕組みを理解することで、自分が契約しているプランの特徴や、他プランへの切り替えを検討する際の判断材料になります。
目次
従量電灯とは?

従量電灯は、電気の使用量に応じて料金が決まる、大手電力会社の標準的な電気料金プランです。2016年の電力自由化以前から提供されており、現在も多くの家庭が契約しています。電力自由化以降は「新電力」と呼ばれる多くの電力会社が独自プランを提供していますが、従量電灯はそれらの比較基準としてもよく使われる代表的なプランです。仕組みを押さえておくと、新電力への切り替えを検討する際の判断もしやすくなります。
従量電灯の基本
- 大手電力会社が提供する標準的なプラン(東京電力EP・関西電力など)
- 規制料金(経過措置料金)に該当し、国の認可で価格が決定
- 燃料費調整額に上限あり:燃料価格急騰時の負担が抑えられる仕組み
- 3段階の従量料金:使用量が多いほど単価が高くなる
従量電灯は大手電力会社の標準的な料金プラン
従量電灯は、東京電力エナジーパートナー・関西電力・中部電力ミライズなど、旧一般電気事業者(大手電力10社)が提供している料金プランです。電力自由化以前は、各エリアの大手電力会社しか電気を販売できなかったため、ほとんどの家庭が従量電灯を契約していました。
現在も「電力会社を切り替えていない家庭」のほとんどが従量電灯を契約しており、契約件数では最も多い料金プランの一つです。
規制料金(経過措置料金)に該当する
従量電灯は「規制料金(経過措置料金)」と呼ばれるプランの一種です。料金の値上げ・値下げには国(経済産業大臣)の認可が必要で、消費者保護の観点から自由料金プランとは異なる規制を受けています。
電力自由化以降は、新規参入の新電力会社が「自由料金プラン」を提供しており、こちらは電力会社が自由に価格設定できるという違いがあります。規制料金と自由料金の違いは「規制料金と自由料金の違い」でも詳しく解説しています。
従量電灯A・B・Cの違い

従量電灯にはA・B・Cの3つの区分があり、契約できる電気の容量(アンペア・kVA)によって分かれています。さらに、エリアによって採用されているプランが異なるため、自分が住んでいる地域がどのプランに該当するかを把握しておくことが重要です。混同しやすいポイントなので、まずは全体の整理から見ていきましょう。
従量電灯A・B・Cのざっくり違い
- 従量電灯A:契約容量が最も小さい(5A未満〜6kVA未満)。集合住宅の共用部や、関西・中国・四国エリアの一般家庭
- 従量電灯B:契約容量10A〜60Aの一般家庭向け。東京電力など6社で最も契約件数が多い
- 従量電灯C:契約容量6kVA(60A相当)以上50kVA未満。電気使用量が多い家庭・商店向け
従量電灯A:契約容量が最も小さい
従量電灯Aは、契約容量が最も小さい料金プランです。エリアによって対象の容量が異なります。
東京電力エナジーパートナー・東北電力・北海道電力・中部電力ミライズ・北陸電力・九州電力の6社では、5A以下の契約に適用されます。集合住宅の共用部の照明など、電気の使用量が少ないケース向けです。料金体系は「最低料金制」を採用しており、電力量料金は使用量にかかわらず固定単価になっています。
一方、関西電力・中国電力・四国電力では、従量電灯Aが一般家庭向けのスタンダードなプランです。最大需要容量6kVA未満の契約に適用され、関西エリアの多くの家庭が契約しています。
従量電灯B:契約容量10A〜60Aの一般家庭向け
従量電灯Bは、契約アンペア10A〜60Aの一般家庭向けプランです。東京電力エナジーパートナー・東北電力・北海道電力・中部電力ミライズ・北陸電力・九州電力など6社で、最も契約件数が多いプランです。
料金体系は「基本料金制」を採用しており、契約アンペアに応じた基本料金が毎月かかります。例えば東京電力EPの場合、30A契約なら基本料金が1ヶ月935.25円、40A契約なら1,247.00円といったように、契約アンペアによって基本料金が変わります。
電力量料金は3段階制で、使用量に応じて単価が上がっていく仕組みです。
なお、関西電力・中国電力・四国電力の従量電灯Bは、家庭用ではなく商店・事務所向けの大容量プランです。同じ「従量電灯B」でもエリアによって意味が異なる点に注意が必要です。
従量電灯C:契約容量6kVA以上の大容量向け
従量電灯Cは、契約容量6kVA以上50kVA未満に適用される大容量向けプランです。電気の使用量が多い一般家庭や、商店・事務所などで契約されているケースが多くなっています。
料金体系は従量電灯Bと同じく「基本料金制」で、電力量料金も3段階制です。
なお、関西電力・中国電力・四国電力には「従量電灯C」というプランは存在しません。これらのエリアでは、東京電力の従量電灯Cに相当する大容量契約が「従量電灯B」として提供されています。
エリア別の従量電灯プラン対応

従量電灯のA・B・Cの分類は、エリア(電力会社)によって異なります。自分が住んでいるエリアの大手電力会社がどのプランを採用しているかを把握しておくと、検針票を確認する時にも混乱しにくくなります。以下に主要エリアの対応をまとめました。
| エリア | 大手電力会社 | 一般家庭向け標準プラン | 大容量プラン |
|---|---|---|---|
| 関東(東京) | 東京電力エナジーパートナー | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C(6kVA〜) |
| 東北 | 東北電力 | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C |
| 北海道 | 北海道電力 | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C |
| 中部 | 中部電力ミライズ | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C |
| 北陸 | 北陸電力 | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C |
| 関西 | 関西電力 | 従量電灯A(6kVA未満) | 従量電灯B |
| 中国 | 中国電力 | 従量電灯A(6kVA未満) | 従量電灯B |
| 四国 | 四国電力 | 従量電灯A(6kVA未満) | 従量電灯B |
| 九州 | 九州電力 | 従量電灯B(10A〜60A) | 従量電灯C |
| 沖縄 | 沖縄電力 | 従量電灯(A・B・Cの区分なし) | ― |
※上記の対応は2026年5月時点の各社の料金プランに基づきます。最新情報は各電力会社の公式サイトでご確認ください。
従量電灯の料金の仕組み

従量電灯の電気代は、基本料金(または最低料金)・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の4つの要素で構成されています。各要素の役割を理解することで、毎月の請求書の数字の意味が見えてきます。
基本料金制(契約アンペア制)
東京電力など6社の従量電灯B・Cでは、契約アンペアに応じた基本料金が毎月かかります。電気を全く使わなかった月でも、基本料金は発生します。
例えば東京電力EPの従量電灯Bの基本料金(2026年5月時点)は以下の通りです。
- 10A:311.75円/月
- 20A:623.50円/月
- 30A:935.25円/月
- 40A:1,247.00円/月
- 50A:1,558.75円/月
- 60A:1,870.50円/月
契約アンペアが大きいほど、同時に使える電気の容量が増えるため、家族構成や家電の使用状況に合わせて選びます。
最低料金制(関西・中国・四国・沖縄)
関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力の従量電灯A(沖縄は従量電灯)では、「最低料金制」を採用しています。最初の15kWhまで(関西電力の場合)は「最低料金」として定額が請求され、それ以降は使用量に応じた電力量料金が加算されます。
例えば関西電力の従量電灯A(2026年5月時点)では、最初の15kWhまで522.58円の最低料金が固定で発生し、16kWh以降は3段階の単価(第1段階20.21円/kWh、第2段階25.61円/kWh、第3段階28.59円/kWh)が適用されます。
電力量料金は3段階制
従量電灯の電力量料金は、使用量に応じて単価が3段階に変動する仕組みです。これは「省エネルギーの推進」のために設計された制度で、使えば使うほど単価が高くなる構造になっています。
例えば東京電力EPの従量電灯B(2026年5月時点)では、以下のような単価設定です。
- 第1段階(0〜120kWh):29.80円/kWh
- 第2段階(121〜300kWh):36.40円/kWh
- 第3段階(301kWh〜):40.49円/kWh
使用量が多い家庭ほど高い単価が適用されるため、節電すると単価の高い段階の使用が減り、節約効果が大きくなる仕組みです。
燃料費調整額と再エネ賦課金
電力量料金に加えて、毎月変動する燃料費調整額と、毎年改定される再エネ賦課金が加算されます。
従量電灯(規制料金)には燃料費調整額に上限があり、燃料価格が大幅に高騰しても、基準燃料価格の1.5倍を超えた分は電気代に反映されません。詳しくは「燃料費調整額とは?」で解説しています。
従量電灯と他プランとの違い

従量電灯と、自由料金プラン・新電力のプランとの違いを整理します。電力会社の切り替えを検討する際の判断材料として、それぞれのメリット・デメリットを押さえておきましょう。料金の安さだけでなく、燃料費調整額の上限有無や契約の安定性など、いくつかの観点で比較することが大切です。
自由料金プランとの違い
電力自由化以降、大手電力会社も「自由料金プラン」を提供しています。例えば東京電力EPの「スタンダードS」は自由料金プランで、従量電灯Bと同じ家庭をターゲットにしています。
| 項目 | 従量電灯(規制料金) | スタンダードS(自由料金) |
|---|---|---|
| 燃料費調整額の上限 | あり | なし |
| 料金変更 | 国の認可が必要 | 電力会社が自由設定 |
| セット割・特典 | 対象外 | 対象になることが多い |
燃料価格が落ち着いている時期は、特典やセット割が使える自由料金プランの方がお得になることもあります。逆に燃料価格高騰時は、上限ありの従量電灯の方が電気代の上昇を抑えられる傾向があります。
新電力プランとの違い
新電力会社のプランは、基本的に自由料金プランです。燃料費調整額の上限がない代わりに、独自の割引やキャンペーン、ガス・ネットとのセット割など、多様な特典を用意しているケースが多くなっています。
ただし、新電力の中には「独自燃調」(電源調達調整費・市場価格調整額など)を採用している会社や、JEPX市場価格に24時間連動する「市場連動型プラン」もあります。料金の見通しが立てづらいプランもあるため、契約前に必ず料金体系を確認することが大切です。
従量電灯を選ぶメリット・デメリット

従量電灯には、料金の安定性や契約の安心感といったメリットがある一方、自由料金プランと比べると割引・特典が少ないなどのデメリットもあります。自分のライフスタイルや電気の使い方に合っているかを考えるための判断材料として整理します。
メリット
従量電灯を選ぶメリット
- 燃料費調整額に上限がある:燃料価格高騰時の負担が抑えられる
- 国の認可で価格が決まる:急な大幅値上げのリスクが小さい
- 契約の安心感:大手電力会社の標準プランで知名度・信頼性が高い
- 切替の手間がない:現在契約中なら何もしなくてOK
デメリット
従量電灯のデメリット
- セット割・ポイント還元の対象外:ガス・ネットとのセット割が使えない
- キャンペーン特典が少ない:新規申込キャンペーンの対象外が多い
- 燃料価格安定時は割高になりがち:平時は新電力の方が単価が安いことも
従量電灯はどんな世帯におすすめ?

従量電灯は、料金の安定性を重視する家庭や、電気の使用量が少ない家庭に向いています。一方、料金の安さや特典の充実を重視する家庭は、新電力や自由料金プランへの切替を検討するとよいでしょう。
従量電灯がおすすめな家庭
- 料金の安定性を重視する家庭:燃料費調整額に上限があり、急な値上げのリスクが小さい
- 電気の使用量が少ない家庭:第1段階の単価が他プランより安い場合も
- 切替手続きを面倒に感じる家庭:現在契約中なら何もしなくて済む
切替検討がおすすめな家庭
- 電気の使用量が多い家庭:新電力の自由料金プランの方が単価が安いことが多い
- セット割や特典を重視する家庭:ガス・ネットとのセット割が使える新電力がお得
- 節約を本格的に取り組みたい家庭:時間帯別単価や独自割引のあるプランが有利
東京電力エリアでお住まいの方は、自分の使用量や生活スタイルに合わせて電力会社を比較できる「東京・関東でおすすめの電力会社」もあわせてご参照ください。
従量電灯に関するよくある質問
従量電灯について、検針票を見るときに気になりがちな疑問を中心にQA形式でまとめます。プラン名の読み方や、エリアごとの違い、新電力との比較など、よく問い合わせがある内容です。
Q. 自分が契約しているプランが従量電灯かどうか、どこで確認できますか?
A. 検針票やマイページに記載されている「料金プラン名」を確認しましょう。「従量電灯B」「従量電灯A」と書かれていれば、規制料金の従量電灯です。「スタンダードS」「ベーシック」など横文字のプラン名であれば、自由料金プランの可能性が高いです。
Q. 関西電力の従量電灯Aと東京電力の従量電灯Bの違いは?
A. 両方とも一般家庭向けの標準プランですが、料金体系が異なります。関西電力の従量電灯Aは「最低料金制」で、東京電力の従量電灯Bは「基本料金制(契約アンペア制)」です。同じ「一般家庭向け」でも仕組みが違うため、引越しエリアが変わる時は要確認です。
Q. 従量電灯は新電力に切り替えると安くなりますか?
A. 使用量や生活スタイルによりますが、電気使用量が多い家庭や、セット割・特典を活用できる家庭では、新電力の自由料金プランに切り替えることで電気代を抑えられる可能性があります。ただし、新電力には燃料費調整額の上限がないプランも多いため、契約前に料金体系を確認することが大切です。
Q. 従量電灯はいつまで提供されますか?
A. 従量電灯(規制料金)は「経過措置料金」と位置づけられていますが、2026年5月時点では廃止のスケジュールは決まっていません。当面は引き続き提供される見込みです。最新情報は経済産業省や契約している電力会社の公式情報をご確認ください。
まとめ:従量電灯A・Bの基本

従量電灯は、大手電力会社の標準的な電気料金プランで、現在も多くの家庭が契約しています。A・B・Cの違いは「契約容量の違い」と「エリアによる呼び方の違い」の2つで決まります。最後に本記事のポイントを整理します。
従量電灯A・Bの基本まとめ
- 従量電灯は、大手電力会社の標準的な規制料金プラン
- 東京電力エリアなど6社は従量電灯B(10A〜60A)が一般家庭の標準
- 関西電力エリアなど3社は従量電灯A(6kVA未満)が一般家庭の標準
- 料金は基本料金(または最低料金)+電力量料金(3段階)+燃料費調整額+再エネ賦課金で構成
- 従量電灯(規制料金)は燃料費調整額に上限があり、急な大幅値上げのリスクが小さい
- セット割・特典を活用するなら自由料金プランや新電力への切替検討もおすすめ
自分が契約している料金プランの仕組みを理解しておくことで、毎月の電気代の内訳が見えるようになり、節約や切替の判断材料にもなります。電力会社の切り替えを検討する場合は、自分の使用量や生活スタイルに合うプランをシミュレーションで確認するのがおすすめです。
東京電力エリアの場合は、自分の使用量に合わせて電力会社・料金プランを比較できる「東京・関東でおすすめの電力会社」もあわせてご参照ください。
この記事を監修した人
電力アナリスト
佐藤 健一大手エネルギー調査会社で10年間、700社以上の電力会社の料金データを分析。エネルギー管理士の資格を持ち、燃料費調整額や電源調達調整費を含めた「実質請求額」ベースの料金比較を専門としています。当サイトでは電力会社の料金比較・ランキング・口コミ記事のデータ分析を担当。プロフィール詳細はこちら