電気代の節約術
【独自調査】冬の電気代は夏の何倍?上がる家・下がる家の違いを225世帯で調査
「冬は電気代が高くなる」と言われますが、実際に夏の何倍になるのかは家庭によって違います。
電気比較ガイドが225世帯に夏と冬の電気代を聞いたところ、冬の電気代は夏の1.14倍(中央値)でした。ただし、0.9倍を下回る家庭から1.3倍を超える家庭まで差があり、約3割は冬のほうが安くなっていました。
差を生んでいたのは、冬にエアコンで暖房するか、オール電化か、戸建てか、寒冷地かの4つの条件です。この記事では、条件ごとの倍率と、夏の電気代から冬の電気代を見積もる方法を紹介します。
目次
冬の電気代は夏の1.14倍。ただし家庭によって0.87倍〜1.33倍

電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
冬の電気代が夏の何倍になるかは、家庭によって異なります。全体では1.1倍強ですが、夏より安い家庭もあれば、3割以上高い家庭もあります。
調査の概要
本調査は、電気比較ガイドが2026年3月〜8月に実施した自社アンケートです。全国の電気契約者295世帯から回答があり、このうち夏(7〜9月)と冬(12〜2月)の平均的な電気代を両方回答した225世帯のデータをもとにしています。
倍率は、冬の電気代を夏の電気代で割った数字です。自分の家庭の夏の電気代に倍率を掛ければ、冬の電気代の目安になります。金額ではなく倍率で比べると、住まいの広さや契約している電力会社が違う家庭どうしでも比べやすくなります。
225人全体の中央値は、夏の電気代が9,000円、冬が10,000円、倍率が1.14倍でした。夏の電気代が10,000円の家庭なら、冬は約11,400円になる計算です。
ただし倍率には幅があり、下位25%は0.87倍、上位25%は1.33倍でした。夏が9,000円の家庭でも、0.87倍なら冬は約7,800円、1.33倍なら約12,000円と、4,000円以上の差が出ます。
※倍率と金額はいずれも中央値のため、金額同士を割った値と倍率が異なる場合があります。
約3割の家庭は、冬のほうが電気代が安い
電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
225人のうち、冬の電気代が夏より安かったのは73人(32%)でした。約3人に1人は、冬より夏のほうが電気代が高いことになります。
回答者提供の写真(四国・戸建て・2人世帯・オール電化)。夏の電気代25,000円、冬15,000円
写真は四国の戸建てに住むオール電化の2人世帯で、夏の電気代は25,000円、冬は15,000円(0.6倍)でした。エアコンは夏しか使わないと回答しています。
冬のほうが安くなりやすいのは、暖房に電気をあまり使わない家庭です。ガスファンヒーターや石油ストーブで暖房をしていれば、冬の電気代は上がりにくくなります。一方、冷房にはエアコンを使うため、夏の電気代は上がります。
自分の家庭がどちらに当てはまるかは、昨年の夏と冬の請求額を比べれば確認できます。冬のほうが安い家庭なら、節電は夏に重点を置くほうが効果的です。
冬の電気代の上がり方を決める4つの条件

電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
倍率に差を生んでいた条件は4つです。冬にエアコンで暖房するか、オール電化か、戸建てか、寒冷地かによって、倍率は0.1〜0.3倍変わります。世帯人数による差はありませんでした。
①冬にエアコンで暖房するか(0.89倍/1.18倍)
最も差が出たのが、冬にエアコンで暖房するかどうかです。エアコンを夏だけ使う59人の倍率は0.89倍で、冬の電気代は夏より1,500円安くなっていました。夏と冬の両方で使う134人は1.18倍で、冬は2,000円高くなっています。冬にエアコンで暖房する家庭は、1.18倍を目安にしてください。
回答者提供の写真(近畿・分譲マンション・2人世帯)。夏の電気代15,000円、冬8,000円
写真は近畿の分譲マンションに住む2人世帯で、エアコンは夏だけ使っています。夏は27℃設定でほぼつけっぱなしにしているため、夏15,000円に対して冬は8,000円(0.53倍)でした。
エアコン暖房で冬の電気代が上がるのは、冷房より暖房のほうが消費電力が増えやすいためです。夏は外気温32℃を27℃に下げる5℃分ですが、冬は外気温5℃を20℃に上げる15℃分の差を埋める必要があります。エアコンの電気代はエアコンの電気代で詳しく解説しています。
②オール電化か(1.33倍/1.11倍)
電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
オール電化の39人は1.33倍で、冬は夏より3,000円高くなっていました。ガス併用の185人は1.11倍で、増加額は1,215円です。倍率の差は0.22倍、増加額では約2.5倍の差があります。冬の電気代の中央値は、オール電化が15,000円、ガス併用が10,000円でした。
オール電化住宅は、暖房に加えて給湯にも電気を使います。冬は水道水の温度が10℃を下回るため、同じ量のお湯を沸かすにも夏より多くの電力が必要です。暖房と給湯の電力が同じ時期に増えるため、冬の電気代が上がりやすくなります。
ただし、オール電化住宅はガス代がかかりません。電気代だけで比べると高く見えますが、光熱費全体では差が小さくなります。詳しくはオール電化のメリット・デメリットをご覧ください。
オール電化の家庭は、1.33倍を目安にしてください。戸建てのオール電化は増加額がさらに増えるため、後半の見積もり方法もあわせて確認してください。
③戸建てか集合住宅か(1.25倍/1.12倍)
電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
戸建ての83人は1.25倍、賃貸マンションの67人と賃貸アパートの55人はどちらも1.12倍、分譲マンションの18人は1.00倍でした。
回答者提供の写真(東北・戸建て・4人世帯・ガス併用)。夏の電気代9,000円、冬13,000円
写真は東北の戸建てに住むガス併用の4人世帯で、夏9,000円に対して冬は13,000円(1.44倍)でした。
集合住宅は上下左右を他の住戸に囲まれているため外気に触れる面が少なく、室内の熱が逃げにくい構造です。一方、戸建ては外気に触れる面が多く、部屋も広くなりがちです。本調査で広さを回答した人では、戸建ての約6割が70㎡以上だったのに対し、賃貸マンションは1割未満でした。
戸建てなら1.25倍、マンションやアパートなら1.12倍を目安にしてください。窓の多い戸建てでは、暖房中に厚手のカーテンを閉めるだけでも熱の出入りを抑えられます。
④寒冷地か(1.30倍/1.12倍)
北海道・東北・北陸・長野の寒冷地に住む45人は1.30倍で、冬は夏より4,000円高くなっていました。寒冷地以外の179人は1.12倍、増加額は1,000円です。寒冷地では暖房を使う期間も長くなるため、冬の電気代の負担が続きやすくなります。寒冷地に住んでいる場合は、1.30倍を目安にしてください。
回答者提供の写真(北海道・戸建て・4人世帯・ガス併用)。夏の電気代10,000円、冬13,000円
写真は北海道の戸建てに住むガス併用の4人世帯です。エアコンは使っていないと回答していますが、夏10,000円に対して冬は13,000円(1.30倍)でした。なお寒冷地では灯油で暖房をする家庭もあり、その場合は電気代の倍率が低く出る代わりに灯油代がかかります。
一方、世帯人数による差はありませんでした。一人暮らしは1.15倍、2人世帯は1.14倍、3人以上の世帯も1.1倍台です。世帯人数が増えると電気代の金額は上がりますが、夏と冬の比率は変わりません。
夏の電気代から冬の電気代を見積もる方法
回答者提供の写真(関東・戸建て・2人世帯・オール電化)。夏の電気代12,000円、冬15,000円
自分に当てはまる条件の倍率を夏の電気代に掛ければ、冬の電気代の目安がわかります。
条件に合う倍率を夏の電気代に掛ける
| 条件 | 人数 | 倍率 | 冬の増加額 |
|---|---|---|---|
| エアコンは夏だけ | 59人 | 0.89倍 | −1,500円 |
| ガス併用の賃貸マンション | 63人 | 1.12倍 | +1,500円 |
| 寒冷地以外 | 179人 | 1.12倍 | +1,000円 |
| ガス併用の戸建て | 56人 | 1.18倍 | +2,500円 |
| 寒冷地 | 45人 | 1.30倍 | +4,000円 |
| オール電化 | 39人 | 1.33倍 | +3,000円 |
| オール電化の戸建て | 27人 | 1.33倍 | +6,000円 |
たとえば夏の電気代が8,000円のガス併用の戸建てなら、8,000円×1.18倍で、冬は約9,400円が目安です。夏が10,000円のオール電化の戸建てなら、冬は約13,300円になります。
写真は関東の戸建てに住むオール電化の2人世帯で、夏12,000円に対して冬は15,000円でした。オール電化の倍率1.33倍で計算すると約16,000円なので、実際の金額に近い目安が出せます。
複数の条件に当てはまる場合は、高いほうの倍率を使ってください。なお、昨年の冬の請求額がわかる場合は、そちらを目安にするのが確実です。
条件が重なると、冬の増加額は6,000円に
オール電化の戸建て27人は、夏12,000円から冬18,000円へ6,000円増えていました。全体の増加額(1,000円)の6倍です。倍率は1.33倍とオール電化全体と同じですが、もともと夏の電気代が高いため、増加額が増えています。
同じ戸建てでもガス併用なら増加額は2,500円、ガス併用の賃貸マンションでは1,500円でした。オール電化の戸建てとは4倍の差があります。同じ倍率でも、夏の電気代が高い家庭ほど冬の増加額は多くなります。
オール電化の戸建てに住んでいる場合は、冬に月6,000円前後の負担増を見込んでおくと安心です。資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃にすると年間約1,430円、エアコンのフィルター掃除で年間約860円の節約になります。フィルター掃除は冷房にも暖房にも効果があるため、暖房を本格的に使い始める前に見直しておきましょう。節約のポイントは電気代の節約方法で解説しています。
よくある質問
Q. 冬の電気代は夏の何倍になりますか?
A. 本調査では、225人の倍率の中央値は1.14倍でした。夏の中央値9,000円に対し、冬は10,000円です。
ただし家庭によって差があり、下位25%は0.87倍、上位25%は1.33倍でした。冬にエアコンで暖房するか、オール電化か、戸建てか、寒冷地かの4つの条件で倍率が変わるため、自分に当てはまる条件の倍率を使ってください。
目安は、ガス併用の集合住宅で約1.1倍、ガス併用の戸建てで約1.2倍、オール電化や寒冷地で約1.3倍です。
Q. 冬のほうが電気代が安くなることはありますか?
A. あります。本調査では、225人のうち73人(32%)が冬のほうが電気代が安いと回答しました。
特に、エアコンを夏だけ使う家庭の倍率は0.89倍で、冬は夏より1,500円安くなっていました。ガスや灯油で暖房をしている家庭では、冬の電気代は上がりにくくなります。一方、冬にエアコンで暖房する家庭は1.18倍で、冬のほうが高くなっていました。昨年の夏と冬の請求額を比べれば、自分の家庭がどちらに当てはまるか確認できます。
Q. オール電化だと冬の電気代はどのくらい上がりますか?
A. オール電化の39人の倍率は1.33倍で、冬は夏より3,000円高くなっていました。ガス併用は1.11倍、1,215円の増加です。
戸建てに限ると、オール電化の27人は夏12,000円から冬18,000円へ6,000円増えていました。暖房に加えて給湯にも電気を使うため、水温が下がる冬は電力の使用量が増えます。ただし、ガス代はかからないため、光熱費全体では差が小さくなります。オール電化の家庭は、1.33倍を目安に冬の電気代を見積もってください。
Q. 世帯人数が多いほど、冬の電気代は上がりやすいですか?
A. 本調査では、世帯人数による倍率の差はありませんでした。一人暮らしは1.15倍、2人世帯は1.14倍、3人以上の世帯も1.1倍台です。
世帯人数が増えると電気代の金額は上がりますが、夏と冬の比率は変わりません。冬の電気代を見積もるときは、世帯人数ではなく、暖房の方法・オール電化かどうか・住まい・地域で倍率を選んでください。同じ1.14倍でも、夏の電気代が6,000円なら冬の増加額は約840円、15,000円なら約2,100円です。
まとめ|冬の電気代は夏の1.14倍。4つの条件で自分の倍率を選ぶ
電気比較ガイド自社調査(2026年/夏・冬ともに回答した225人)
225世帯の調査では、冬の電気代は夏の1.14倍(中央値)でした。ただし約3割の家庭は冬のほうが安く、「冬は電気代が高くなる」とは一概に言えません。
冬の電気代の上がり方は、冬にエアコンで暖房するか、オール電化か、戸建てか、寒冷地かの4つで決まります。自分に当てはまる倍率を夏の電気代に掛ければ、冬の電気代の目安がわかります。
この記事のポイント
- 冬の電気代は夏の1.14倍(中央値)。夏9,000円→冬10,000円
- 73人(32%)は、冬のほうが電気代が安かった
- エアコンを夏だけ使う家庭は0.89倍、夏と冬の両方で使う家庭は1.18倍
- オール電化は1.33倍、ガス併用は1.11倍
- 戸建ては1.25倍、集合住宅は1.12倍以下
- 寒冷地は1.30倍。世帯人数による差はなかった
- オール電化の戸建ては、冬に6,000円増えていた
※本記事の調査数値は、電気比較ガイドが2026年3月〜8月に実施した自社アンケート(回答295世帯のうち、夏・冬ともに回答した225世帯)に基づきます。寒冷地は北海道・東北・北陸・長野としました。節約効果の数値は資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」によります。
まずは昨年の夏の電気代を確認し、条件に合う倍率を掛けて冬の電気代の目安を出してみましょう。
この記事を監修した人
家計・節約アドバイザー
(FP2級)
ファイナンシャルプランナーとして累計3,000世帯以上の家計相談を担当。光熱費の見直しが最も即効性の高い節約手段であることを実感し、電気代の最適化に特化したアドバイスを行っています。2児の母としての実体験を交えた情報発信が強み。当サイトでは節約術・家電別電気代の記事を担当。プロフィール詳細はこちら
家計・節約アドバイザー
山田 美咲
冬の家計を組むときは、去年の冬の請求額をそのまま予算にするのがいちばん確実です。手元にない場合は、夏の請求額に倍率を掛けて見積もります。ただし倍率は家庭によって0.9倍を下回るところから1.3倍を超えるところまで差があります。冬にエアコンで暖房するか、オール電化か、戸建てか、寒い地域か。この4つを確かめてから倍率を選んでください。