電気のトラブル解決
電気代が2社から請求された?切り替え後に二重請求か確かめる方法
電力会社を切り替えたあと、前の電力会社と新しい電力会社の両方から請求が届いて、「二重に請求されているのでは」と不安になる人もいるでしょう。
切り替えた月に2社から届く請求は、ふつう、前の会社が切り替えるまでの分、新しい会社が切り替えたあとの分です。同じ期間の電気代を2社から請求されることは、基本的にありません。
この記事では、2社から請求が来る理由と、本当に二重請求かを確かめる方法、引っ越しや二重払いなど実際にお金が重なってしまうケースの対処法を紹介します。
※2026年10月時点の情報です。請求の時期や方法は電力会社によって違うため、契約している会社の案内で確かめましょう。
この記事のポイント
- 切り替えた月の2社の請求は、使用期間が違う別々の請求
- 同じ期間の電気代を2社が請求することは、基本的にない
- 前の会社の最後の請求は、切り替えの数か月後に届くこともある
- 確かめるのは、明細の使用期間と供給地点特定番号
- 引っ越しで旧居の電気を止め忘れると、旧居の分も請求が続く
- 申し込んでいない切り替えは、消費者ホットライン188などに相談
切り替えた月に2社から請求が来るのは、使った期間が分かれているから

電力会社を切り替えると、ひとつの家の電気代を、切り替えた日を境に2社が分けて請求します。それぞれの請求の中身と、前の会社の請求が遅れて届く理由を見ていきましょう。
前の会社は切り替えるまでの分、新しい会社は切り替えたあとの分を請求する
電力会社の切り替えは、基本的に新しい電力会社に申し込めば進みます。今の電力会社への解約の手続きは、本人の同意をもとに、切り替え先の電力会社が行うことができます(※1)。切り替えの日は個別の契約によって決まるため、切り替え先の電力会社に確かめましょう(※2)。
切り替えた月は、前の会社と新しい会社がそれぞれ、自分の会社と契約していた期間の電気代を請求します。
切り替え前後の電力会社は連携して手続きをするため、同じ使用期間の請求が2社から届くことは、基本的にありません(※3,4)。
切り替えは、申し込んだ日にすぐ行われるわけではありません。スマートメーターへの交換工事が必要な場合はおよそ2週間、不要な場合はおよそ4日かかります(※5)。切り替え日が思っていたより遅いと、そのぶん前の会社の請求期間が長くなります。
| 請求する会社 | 請求の対象 | 届く時期 |
|---|---|---|
| 前の電力会社 | 前回の検針から、切り替えるまでに使った分 | 切り替えたあと。会社によっては数か月後 |
| 新しい電力会社 | 切り替えたあとに使った分 | 新しい会社の検針日のあと |
※2026年10月時点。請求の時期は電力会社や支払い方法によって違います
出典:ENEOS Power「切り替え前後の電力会社から請求がきた。二重請求では?」、ソフトバンク「ソフトバンクでんき 解約のお手続き」
どちらの請求も、それぞれの期間に実際に使った電気の料金です。電気とガスをセットで契約していて電気だけを切り替えた場合は、ガスの請求は前の会社から続きます。セット割引がなくなり、ガスの請求額が変わることもあります。
2社の請求額が、いつもの1か月分とずれて見えることもあります。前の会社の最後の請求は、前回の検針から切り替えるまでの分なので、1か月より短い期間の料金になることがあります。反対に、2社の請求が同じ月に届くと、合わせた額がいつもより高く見えます。
金額だけで判断せず、それぞれの使用期間が何日分かを確かめましょう。切り替えの流れは、電力会社の切り替え方法で紹介しています。
(※1,2,5 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)
(※3 2026年10月時点 ENEOS Power「切り替え前後の電力会社から請求がきた。二重請求では?」)
(※4 2026年10月時点 ソフトバンク「ソフトバンクでんき 解約のお手続き」)
前の会社の最後の請求は、切り替えの数か月後に届くこともある
前の会社の最後の請求は、新しい会社の最初の請求と同じころに届くとは限りません。たとえばソフトバンクでんきでは、解約後も2か月から3か月ほど請求が続くことがあります(※1)。
同社の場合、電気代は使った期間の2か月後に請求され、クレジットカード払いでは、そこからさらに1〜2か月後にカード会社から請求されます。このため解約後も、最長で6か月ほど支払いが続くことがあります(※2)。カードの利用明細に、2社の電気代が同じ月に並ぶこともあります。
切り替える前の期間の請求が、切り替えたあとに遅れて届くこともあります(※3)。届いた時期だけで二重請求だと決めつけず、明細の使用期間を確かめましょう。
前の会社の最後の請求に、解約金や違約金が含まれていることもあります。契約期間の途中で解約すると解約金がかかるプランがあり、解約するには解約金を払う必要があると言われたという相談も寄せられています(※4)。解約金については、電気の解約金と違約金で紹介しています。
市場連動型のプランから切り替えたあとに、前の会社から調整費の請求が続いているという相談もあります(※5)。請求の中身がわからないときは、前の会社に何の期間の、何の費用かを確かめましょう。
(※1,2 2026年10月時点 ソフトバンク「ソフトバンクでんき 解約のお手続き」)
(※3 2026年10月時点 ENEOS Power「切り替え前後の電力会社から請求がきた。二重請求では?」)
(※4,5 2026年10月時点 国民生活センター・消費者庁・電力・ガス取引監視等委員会「電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.19」)
二重請求かどうかは「使用期間」と「供給地点特定番号」で確かめる

2社から届いた請求が二重請求かどうかは、明細のいくつかの項目を見比べるとわかります。確かめる順番と、見るときの注意点を紹介します。
2社の明細の「使用期間」が重なっていないかを見る
まず、2社の明細を並べて、電気料金の使用期間が重なっていないかを確かめましょう(※1)。前の会社の使用期間の終わりと、新しい会社の使用期間の始まりがつながっていれば、別々の期間の請求です。あわせて、使用量(kWh)が、ふだんの1か月分とかけ離れていないかも見ておきましょう。
明細で見比べるのは、次の項目です。
- 使用期間(いつからいつまでの分か)
- 使用量(kWh)
- 供給地点特定番号(どこの場所の電気か)
- 請求している会社の名前
| 項目 | 前の電力会社 | 新しい電力会社 |
|---|---|---|
| 使用期間 | 9月12日〜10月5日 | 10月6日〜11月10日 |
| 日数 | 24日 | 36日 |
| 供給地点特定番号 | 同じ番号 | 同じ番号 |
※2026年10月時点。日付と日数は説明のための例です
この例では、前の会社の使用期間が10月5日で終わり、新しい会社の使用期間が10月6日から始まっています。期間がつながっていて重なっていないため、二重請求ではありません。もし新しい会社の使用期間が9月から始まっていれば、重なっている日があります。
明細は紙で届くとは限らず、電力会社の会員サイトやメール、アプリで確かめる場合もあります。たとえばENEOSでんきでは、請求期間を会員ページで確かめられます(※2)。
使用期間が重なっている場合は、同じ期間を2社が請求しているおそれがあります。重なっている日付をメモしてから、まずは切り替えの手続きをした新しい電力会社に、切り替え日を確かめましょう。
そのうえで前の会社に、最後の請求の使用期間を問い合わせると、話がスムーズに進みます。明細の見方は、検針票の見方で紹介しています。
(※1,2 2026年10月時点 ENEOS Power「切り替え前後の電力会社から請求がきた。二重請求では?」)
「供給地点特定番号」で、同じ場所の請求かを確かめる
使用期間が重なっていても、別の場所の契約の請求であれば、二重請求ではありません。電気の契約が複数ある人は、供給地点特定番号もあわせて確かめましょう。別の契約の請求と取り違えた問い合わせが増えている電力会社もあります(※1)。
供給地点特定番号は、電気を使う場所ごとに決まっている22けたの番号で(※2)、検針票に書かれています(※3)。実家や店舗など、自宅以外にも電気の契約がある場合は、番号を見比べれば、どの契約の請求かを区別できます。
明細に書かれた会社の名前にも注意しましょう。申し込んだ窓口が取次店などの場合、契約している電力会社(小売電気事業者)の名前は、申し込んだサービスの名前と違うことがあります(※4)。
会社の名前に心当たりがないときは、契約書類や検針票に書かれた電力会社の名前と見比べましょう。それでもわからない場合は、今の電力会社に問い合わせると、契約している会社を確かめられます(※5)。
(※1 2026年10月時点 ENEOS Power「切り替え前後の電力会社から請求がきた。二重請求では?」)
(※2,4,5 2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」)
(※3 2026年10月時点 国民生活センター・消費者庁・電力・ガス取引監視等委員会「電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.19」)
二重請求や思わぬ請求が届く3つのケースと対処法

切り替えのしくみでは同じ期間の請求は起きにくいものの、手続きの漏れや払い方などによって、本当に請求が重なったり、思わぬ請求が届いたりすることもあります。主な3つのケースと対処法を見ていきましょう。
引っ越しで、旧居の電気を止め忘れている
引っ越しのときは、今の住所で電力会社を切り替えるときと手続きが違います。新居の電気の使用開始とあわせて、旧居の電気の解約・使用停止の手続きが必要です(※)。
旧居の使用停止を申し込んでいないと、旧居の契約が続き、新居と旧居の両方の請求が届くことがあります。この場合は、使用期間は重なっていても、供給地点特定番号が違う2つの契約の請求です。
新居で別の電力会社と契約しても、新しい会社が旧居の契約を止めてくれるわけではありません。同じ電力会社で引っ越す場合も、旧居の停止日を伝えないと、旧居の契約は続きます。
旧居の請求に気づいたら、すぐに旧居の電力会社に連絡して、使用停止を申し込みましょう。請求書に書かれた住所や供給地点特定番号を見れば、どちらの家の請求かがわかります。停止の日までの基本料金などは、契約が続いていた分として請求されることがあります。
これから引っ越す人は、新居の申し込みとあわせて、旧居の停止日も決めておくと止め忘れを防げます。手続きの流れは、引越しの電気手続きで紹介しています。
(※2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「電気・ガスの申込みや解約の手続きはどこからできますか」)
同じ月の電気代を2回払ってしまった
請求は1回だけなのに、払込票で払ったあとに口座振替でも引き落とされたなど、同じ請求を2回払ってしまうこともあります。切り替えや引っ越しで支払い方法が変わる時期は、とくに注意しましょう。
口座振替やクレジットカード払いの手続きが終わるまでは、払込票が届くことがあります。払込票で払う前に、明細で今の支払い方法を確かめておくと、二重払いを防げます。
ENEOSでんきでは、二重に払った電気代を、翌月以降の料金から差し引いて精算します。入金は会社のほうで確かめるため、こちらから連絡する必要はありません(※1)。
同社では、すでに解約していて相殺しきれないお金が残る場合、個別に返金の方法が連絡されます(※2)。
精算のしかたは電力会社によって違うため、次のような2回払ったことがわかる記録を手元に置いて、請求元の会社に確かめましょう。
- 払込票の控えやコンビニの領収書
- 口座振替なら通帳の記帳や、ネットバンキングの入出金の明細
- クレジットカードの利用明細
(※1,2 2026年10月時点 ENEOS Power「【ENEOSでんき】料金を二重に支払ってしまった」)
申し込んだ覚えのない電力会社から請求が来た
まずは、明細の会社名が、申し込んだサービスの名前と違うだけではないかを確かめましょう。取次店などから申し込んだ場合、明細には契約している電力会社の名前が書かれることがあります。
それでも申し込んだ覚えのない会社から請求が届いた場合は、知らないうちに契約が切り替えられているおそれがあります。訪問販売で勧誘され、あとの確認の電話で断ったのに契約したことにされていたという相談も寄せられています(※1)。
訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフで解除できます(※2)。法律で決められた書面を受け取っていない場合も、クーリング・オフはできます(※3)。契約するつもりがない勧誘には、はっきり断ることも大切です(※4)。
困ったときは、消費者ホットライン(188)や、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725)に相談できます(※5)。電力・ガス取引監視等委員会の窓口は、事業者とのあいだに入って話をまとめることはしないため、契約先の会社への連絡もあわせて行いましょう(※6)。
電力会社をかたる不審なメールやSMSで、支払いを求められることもあります。請求元が本物の電力会社かどうかは、電力会社をかたる不審なメール・SMSで確かめ方を紹介しています。
(※1,2,3,4,5 2026年10月時点 国民生活センター・消費者庁・電力・ガス取引監視等委員会「電力・ガス自由化をめぐるトラブル速報!No.19」)
(※6 2026年10月時点 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」)
よくある質問
Q. 電力会社を切り替えるとき、前の会社に解約の連絡は必要ですか?
今の住所のまま切り替える場合は、原則として前の会社への解約の連絡は必要ありません。前の会社への解約の手続きは、本人の同意をもとに、切り替え先の電力会社が行うことができます(※1)。
ただし、例外もあります。たとえばソフトバンクでんきから東京電力の従量電灯プランに切り替える場合は、切り替え予定日をソフトバンクに伝える必要があります(※2)。地域の電力会社の規制料金のプランに戻すときは、前の会社への連絡が要るかを確かめましょう。
また、引っ越しにあわせて切り替える場合は、旧居の電気の使用停止の手続きが別に必要です(※3)。前の会社の最後の請求が届くまで、明細を確かめられる会員サイトなどは残しておくと安心です。切り替えの日は、新しい電力会社の会員サイトや案内で確かめられます。
(※1 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)
(※2 2026年10月時点 ソフトバンク「[でんき]他の電力会社に切り替えたいので「ソフトバンクでんき」を解約したいです。どうしたらいいですか?」)
(※3 2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「電気・ガスの申込みや解約の手続きはどこからできますか」)
Q. 前の会社の口座振替やクレジットカードの登録は、すぐに止めていいですか?
前の会社の最後の請求を払い終えるまでは、止めないほうが安心です。前の会社の請求は切り替えたあとに届くことがあり、ソフトバンクでんきでは解約後も2〜3か月、カード払いでは最長で6か月ほど支払いが続くことがあります(※)。
最後の請求が引き落とされたことを、通帳やカードの利用明細で確かめてから、口座振替の停止やカードの登録の削除を考えましょう。先に止めてしまうと、最後の請求の払い方が変わり、払込票などで払い直す手間がかかることがあります。
(※2026年10月時点 ソフトバンク「ソフトバンクでんき 解約のお手続き」)
Q. 前の会社から解約金を請求されたのはなぜですか?
契約期間の途中で解約すると、解約金や違約金がかかる料金プランがあります。電力会社は原則として、料金などの大切な事項を書面で説明し、契約後も契約内容の書面を渡すことになっています(※1)。解約金の有無や金額は、その書面で確かめられます。
契約の前に、契約期間の途中で解約するときの制約や解約手数料があるかを確かめておくことが大切です(※2)。次に電力会社を選ぶときも、解約金があるかを先に確かめておきましょう。
前の会社から届いた最後の明細に、解約金の項目があるかも見ておきましょう。金額に納得できないときは、請求元の会社に計算のしかたを確かめられます。
(※1,2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「電力・ガス自由化 切替え契約時は、ココに注意!」)
まとめ|2社からの請求は、まず使用期間を見比べる
電力会社を切り替えた月に2社から届く請求は、ふつう、前の会社が切り替えるまでの分、新しい会社が切り替えたあとの分です。前の会社の最後の請求は、数か月後に届くこともあります。
二重請求かどうかは、2社の明細の使用期間と供給地点特定番号を見比べると確かめられます。旧居の止め忘れや二重払い、心当たりのない会社からの請求のときは、請求元の会社や相談窓口に早めに連絡しましょう。
※2026年10月時点の情報です。請求の時期や方法は電力会社によって違うため、契約している会社の案内で確かめましょう。
この記事を監修した人
電力自由化研究家
(元・大手電力会社社員)
大手電力会社に12年間勤務し、料金プラン設計・法人営業を担当した業界経験者。電力会社の「中の人」だった視点から、公式サイトには書かれていない注意点や料金表示のカラクリを発信しています。自身も退職後に3社の電力会社を切り替えた実体験あり。当サイトでは乗り換え・契約手続きに関する記事の監修を担当。プロフィール詳細はこちら
電力自由化研究家
鈴木 翔太
切り替えた月に2通の請求が届くのは、仕組みのうえでは自然なことです。慌てて問い合わせる前に、2通の明細を並べて「使用期間」を見比べましょう。期間がつながっていれば、二重に請求されているわけではありません。重なっているときは請求元に確かめましょう。心当たりのない会社から届いたときは、請求書に書かれた連絡先ではなく、契約書類や公式サイトの窓口で確かめると安心です。