暮らしと電気
賃貸の「電気代込み」物件はお得?契約の仕組みと入居前の確認点
賃貸物件を探していると、「電気代込み」や「光熱費込み」と書かれた部屋を見かけることがあります。毎月の電気代を気にしなくてよさそうに見えますが、本当にお得なのか迷う人もいるでしょう。
電気代込みの物件は、大家や管理会社が電気の契約をしていて、入居者は家賃などと一緒に電気代を払うしくみです。お得かどうかは、込みの額と、自分で電力会社と契約した場合の電気代を比べるとわかります。
この記事では、電気代込みの物件のしくみと込み方の違い、お得かどうかの比べ方、契約前に確かめたい点を紹介します。
※制度の情報は2026年10月時点のものです。電気代込みの条件は物件によって違うため、賃貸借契約書や重要事項説明で確かめましょう。
この記事のポイント
- 電気代込みの物件は、大家や管理会社が電気の契約者
- 込み方は3つのパターン(定額・上限あり・使った分を別に請求)
- お得かは、込みの額と自分で契約した場合の電気代の差で決まる
- 定額の込みなら、在宅時間が長い人ほど有利になりやすい
- 電気代込みの物件では、電力会社を自分で選べない
- 入居時に紹介された電力会社は、料金プランと解約料を確かめてから契約
「電気代込み」の物件は、大家や管理会社が電気の契約をしている

電気代込みの物件では、入居者は電力会社と契約せず、家賃などと一緒に電気代を払います。まずは、電気代込みのしくみと、込み方の違いを見ていきましょう。
電気の契約者は大家や管理会社で、電気代は家賃や共益費と一緒に払う
一般的な賃貸物件では、入居者が自分で電力会社と契約し、毎月の電気代を電力会社に払います。電気代込みの物件では、大家や管理会社が電気の契約者になり、入居者は家賃や共益費と一緒に電気代を払います。
入居するときに電力会社へ使用開始を申し込んだり、退去するときに解約したりする手続きは、基本的にありません。電力会社から請求書は届かず、支払いは家賃と同じ方法でまとめて行います。
シェアハウスやマンスリーマンション、家具家電付きの部屋などで、電気代込みの物件を見かけることがあります。広告では「光熱費込み」「水道光熱費込み」のように、水道やガスとまとめて書かれていることもあります。
電気代込みかどうかは、広告だけで判断せず、契約前の重要事項説明や賃貸借契約書で、何の費用がいくら含まれているかを確かめましょう。電気代が「賃料」に入っているのか、「共益費」や「付帯費用」として分けて書かれているのかも見ておきます。
込み方は物件によって違う(定額・上限あり・使った分を別に請求)
電気代込みといっても、電気代の払い方は物件によって違います。主に次の3つのパターンがあります。
| パターン | 払い方 | 確かめること |
|---|---|---|
| 定額 | 家賃や共益費に決まった額が含まれ、使った量に関係なく同じ | 使いすぎたときに別に請求する特約がないか |
| 上限あり | 決まった額までは含まれ、超えた分は別に払う | 上限の額と、超えた分の計算方法 |
| 使った分を別に請求 | 部屋ごとのメーターなどで量を測り、家賃と一緒に請求 | 1kWhあたりの単価と、計算のしかた |
※2026年10月時点。パターンの呼び方は物件によって違います
定額のパターンでは、どれだけ使っても払う額が変わらないため、使う量が増えるほど割安になります。ただし、定額と書かれていても、使用量が一定を超えたら別に請求する特約が付いていることがあります。
上限ありのパターンでは、冬にエアコンや電気ストーブを長く使うと、上限を超えた分を別に払うことがあります。使った分を別に請求するパターンでは、電気代込みと書かれていても、実際には使った量に応じて払います。
込みの額や単価は、大家や管理会社が決めます。実際にかかる電気代より高く決められていることもあるため、どのパターンでも、自分で契約した場合の電気代と比べて判断しましょう。
どのパターンかは、契約書の「賃料」「共益費」「付帯費用」などの欄や特約で確かめます。わからないときは、契約前に不動産会社に聞いておきましょう。比べ方は次の章で紹介します。
電気代込みがお得かは、込みの額と自分で払う場合の差で決まる

お得かどうかは、家賃などに含まれている電気代の額と、自分で電力会社と契約した場合の電気代を比べると判断できます。比べ方と、パターンごとに向いている人を見ていきます。
込みの額と、自分で契約した場合の電気代を1年分で比べる
まず、家賃や共益費のうち、電気代に当たる額がいくらかを確かめます。契約書に書かれていない場合は、同じ建物や近くの、電気代込みでない似た部屋の家賃と比べると、電気代の分がいくらかの目安になります。
ただし、家具や家電、インターネット、水道やガスなどが付いている部屋では、その分も家賃に入っていることがあります。何が含まれているかをそろえてから比べましょう。
次に、自分で契約した場合の電気代の目安を調べます。当サイトの料金シミュレーションでは、郵便番号と世帯人数から電気代の目安を確かめられます。世帯人数ごとの平均は、電気代の平均で紹介しています。
自分で払う電気代は、冬に暖房を使うと上がるなど、季節で変わります。込みの額と、自分で契約した場合の電気代は、1か月分ではなく1年分の合計で比べると、季節の差も含めて判断できます。
たとえば、込みの分が月8,000円(年9万6,000円)で、自分で契約した場合の電気代が年8万4,000円なら、年1万2,000円割高です。上限ありや使った分を別に請求するパターンでは、別に払う分も足して比べます。
定額の電気代込みは、在宅時間が長い人ほど有利になりやすい
定額の電気代込みでは、使った量に関係なく払う額が同じです。そのため、在宅時間が長い人や、冬に暖房を長く使う人ほど、自分で契約した場合より安くなりやすいです。毎月の支払いが決まっているので、家計の見通しも立てやすくなります。
一方、上限ありや使った分を別に請求するパターンでは、使う量が増えるほど、別に払う額も増えます。単価が電力会社の料金より高いと、たくさん使う人ほど割高になるため、在宅時間が長い人は特に単価を確かめましょう。
日中は仕事や学校で家にいない人や、出張などで家を空けることがある人は、使う量が少ないため、定額の込みの額のほうが高くなることがあります。自分で契約して料金プランを選ぶほうが、電気代を抑えられることがあります。
引っ越しの手続きを減らしたい人や、短い期間だけ住む人には、電気代込みの物件が向いています。
- 定額の電気代込みが向いている人:在宅時間が長い、冬に暖房を長く使う、手続きを減らしたい
- 自分で契約するほうが向いている人:家にいる時間が短い、使う量が少ない、電力会社を自分で選びたい
- 上限ありや使った分を別に請求する物件:使う量が増えるほど別に払う額も増えるため、単価を確かめる
電気代込みの物件は、電力会社を選べず、込みの額が変わることもある

電気代込みの物件には、自分で電力会社と契約する物件にはない注意点があります。契約前に確かめておきたい2つの点を紹介します。
電力会社や料金プランを、自分で選べない
賃貸住宅でも、電気の契約名義が自分であれば、電力会社を切り替えられます(※)。一方、電気代込みの物件では、電気の契約名義が大家や管理会社のため、入居者が電力会社や料金プランを選ぶことはできません。
電力会社を選べないため、電力会社ごとのキャンペーンやポイントの還元なども受けられません。電気の契約者ではないので、料金の改定などの電力会社からのお知らせも、入居者には届きません。
契約アンペアなどの電気の契約内容も、大家や管理会社が決めています。家電を同時に使うとブレーカーが落ちやすい場合でも、入居者だけで契約内容を変えることはできないため、管理会社に相談することになります。
電気の使用量や料金の明細を、入居者が見られないこともあります。自分の使用量を知りたい場合は、明細を見せてもらえるかを管理会社に聞いてみましょう。自分で電力会社を選びたい人や、ポイントなどの特典を使いたい人には、電気代が別の物件のほうが合っています。
(※2026年10月時点 資源エネルギー庁「よくある質問」)
上限・追加の請求・値上げの扱いを、契約書で確かめる
上限ありのパターンでは、上限の額と、超えた分の計算方法を確かめましょう。超えた分の1kWhあたりの単価が書かれていない場合は、契約前に不動産会社に確認しておきます。
電気料金は、燃料費調整額や料金の改定で変わることがあります。電気料金が上がったときや契約を更新するときに、込みの額を見直すことがあるかも、契約書の特約などで確かめておきましょう。
電気代が「賃料」に含まれている場合は、賃料をもとに計算する礼金や仲介手数料、更新料も、その分高くなることがあります。初期費用や更新料も含めて、電気代が別の物件と比べましょう。
退去するときの精算も確かめておきます。使った分を別に請求するパターンでは、最後の月の電気代を日割りで計算するかなど、精算の方法が物件によって違うことがあります。
- 電気代込みのパターン(定額・上限あり・使った分を別に請求)と、使いすぎたときの特約
- 上限の額と、超えた分の1kWhあたりの単価
- 電気料金が上がったときや更新のときに、込みの額を見直すか
- 電気代が賃料・共益費・付帯費用のどれに含まれているか
- 退去するときの精算の方法
電気代が別で契約名義が自分なら、電力会社を選べる

電気代込みでない物件では、入居者が自分で電力会社と契約します。入居のときに気をつけたい点と、電力会社を選ぶときのポイントを紹介します。
入居時に紹介された電力会社を、その場で契約しない
入居の申し込みのときに、不動産会社から電気やガスの申し込み先を紹介されることがあります。仲介業者から紹介された代理店で契約し、あとで市場連動型の料金プランだったとわかった、という相談もあります(※1)。
市場連動型の料金プランは、電力の市場価格によって電気代が変わるため、市場価格が上がる時期に電気代も上がることがあります。しくみは市場連動型プランとはで解説しています。
紹介された申し込み先で契約する前に、料金プランや契約期間、解約料の有無を確かめ、その場での契約は避けましょう(※2)。訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリングオフができます(※3)。
一方、店頭などで自分から申し込んだ契約は、クーリングオフの対象にならないことがあります。電気の使用開始の申し込みは自分で電力会社を選んで行えるので、新居の手続きは引越しの電気手続きを見ながら進めましょう。
- 料金プランの種類(市場連動型かどうか)
- 契約期間と、解約料の有無
- 電気以外のサービスもあわせて勧められていないか
(※1,2,3 2026年10月時点 福岡市「電気・ガスの契約トラブル」)
入居後でも、電力会社を選び直せる
電気代が別の物件で、電気の契約名義が自分であれば、入居したあとでも電力会社を切り替えられます(※1)。料金が自分の使い方に合っていないと感じたら、ほかの電力会社と比べてみましょう。在宅時間の長さによって、合う料金プランは変わります。
比べるときは、明細の使用量をもとに、各社の基本料金と、使用量に応じた単価で計算します。燃料費調整額や再エネ賦課金も含めて比べましょう。入居したばかりで使用量がわからない場合は、当サイトの料金シミュレーションで、郵便番号と世帯人数から目安を確かめられます。
ただし、マンション全体でまとめて電気を買う契約をしている建物では、その契約やマンション内の規約によって、部屋ごとに電力会社を選べないことがあります(※2)。入居前に管理会社に確かめておくと、あとで迷いません。
賃貸で電力会社を変えるときの注意点は賃貸でも電力会社は変更できる?で、切り替えの手順は電力会社の切り替え方法3ステップで解説しています。
(※1,2 2026年10月時点 資源エネルギー庁「よくある質問」)
よくある質問
Q. 電気代込みの物件で節電すると、支払いは減りますか?
定額のパターンでは、節電しても払う額は変わりません。込みの額は、契約で決まった金額だからです。節電で電気代を下げたい人は、自分で電力会社と契約する物件のほうが向いています。
上限ありのパターンでは、節電して上限を超えなければ、超えた分の請求はありません。使った分を別に請求するパターンでは、節電すればその分の請求が減ります。どのパターンかは、契約書で確かめましょう。上限ありの場合は、上限の額を知っておくと節電の目安になります。
Q. 電気代込みの物件でも、電気の使用量はわかりますか?
物件によって違います。電気の契約者が大家や管理会社のため、入居者のもとに電力会社から明細は届きません。部屋ごとにメーターがある物件では、管理会社に聞けば使用量を教えてもらえることがあります。
使った分を別に請求するパターンでは、請求書に使用量が書かれていることがあります。次の物件探しで、自分で契約した場合の電気代を比べるときに使えるので、使用量を記録しておくと役立ちます。退去したあとは聞けなくなることもあるため、入居中に確かめておきましょう。
Q. 入居中に電気がつかなくなったら、どこに連絡すればいいですか?
まずは部屋のブレーカーが落ちていないかを確かめましょう。それでもつかない場合、電気代込みの物件では、電気の契約者である大家や管理会社に連絡します。夜間や休日の連絡先は、契約書や入居時の案内で確かめておきましょう。連絡するときは、いつから、どの部屋の電気がつかないかを伝えます。
近所の家や建物の共用部分の照明も消えている場合は、地域の停電の可能性があります。電気がつかないときの確かめ方は、電気がつかないときで紹介しています。
Q. 電気代込みの物件から、自分で契約する形に変えられますか?
入居者だけで変えることはできません。電気の契約は大家や管理会社の名義で、建物の配線やメーターのつくりによっては、部屋ごとに契約を分けられないこともあるためです。
自分で契約したい場合は、まず管理会社に相談しましょう。契約の形が変わると、家賃や共益費の額も見直されることがあります。変えられない物件で電力会社を自分で選びたい場合は、次の引っ越しで電気代が別の物件を選ぶ方法もあります。相談するときは、今の込みの額と、何が含まれているかも確かめておきましょう。
Q. 電気代込みの物件で困ったときは、どこに相談できますか?
まずは、契約書を確かめたうえで、管理会社や大家に相談しましょう。込みの額や追加の請求について説明がない場合は、どのように計算したかを書面で教えてもらうと、話がしやすくなります。
話し合っても解決しない場合は、消費者ホットライン(188)に相談できます(※)。188にかけると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。相談するときは、契約書と、請求された額がわかる書類を手元に用意しておきましょう。
(※2026年10月時点 国民生活センター「電力・ガスの契約トラブル」)
まとめ|電気代込みは、込みの額と使い方で判断する
電気代込みの物件は、大家や管理会社が電気の契約をしていて、入居者は家賃などと一緒に電気代を払うしくみです。込み方には、定額・上限あり・使った分を別に請求の3つのパターンがあります。
お得かどうかは、込みの額と、自分で契約した場合の電気代を1年分で比べて判断しましょう。定額の込みは在宅時間が長い人に有利になりやすい一方、電力会社は自分で選べません。契約前に、特約や上限、初期費用や精算の方法を書面で確かめておきましょう。
※制度の情報は2026年10月時点のものです。電気代込みの条件は物件によって違うため、賃貸借契約書や重要事項説明で確かめましょう。
この記事を監修した人
家計・節約アドバイザー
(FP2級)
ファイナンシャルプランナーとして累計3,000世帯以上の家計相談を担当。光熱費の見直しが最も即効性の高い節約手段であることを実感し、電気代の最適化に特化したアドバイスを行っています。2児の母としての実体験を交えた情報発信が強み。当サイトでは節約術・家電別電気代の記事を担当。プロフィール詳細はこちら
家計・節約アドバイザー
山田 美咲
定額の電気代込みなら、毎月の支払いが決まっていて、家計の見通しを立てやすいのが良い点です。ただし、込みの額が自分の使い方に合っているかは人によって違います。契約する前に、込みの額と、自分で電力会社と契約した場合の電気代の目安を比べてみましょう。