電気料金の基礎知識
「基本料金0円」の電気料金プランのしくみと、向いている家庭
電力会社を探していると、「基本料金0円」という料金プランを目にすることがあります。毎月かかる基本料金がないなら安くなりそうですが、本当に得なのか気になる人もいるでしょう。
基本料金0円のプランは、基本料金がない代わりに、使った電気の量に応じた料金(電力量料金)だけで電気代が決まるしくみです。電力量料金の単価を、使用量にかかわらず一律にしているプランもあります。
得かどうかは、今の電気代を使用量で割った「1kWhあたりの実質単価」と比べるとわかります。この記事では、基本料金0円プランのしくみと比べ方、向いている家庭・注意が必要な家庭を紹介します。
※従量電灯Bの料金は、東京電力エナジーパートナーが公表している2026年11月1日からの料金単価をもとにしています。燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金・国の値引きは含みません。情報は2026年10月時点のものです。
出典:東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」
この記事のポイント
- 基本料金0円プランは、電力量料金だけで電気代が決まるしくみ
- 電力量料金の単価を、一律にしているプランもある
- 従量電灯B(東京電力EP・30A)の実質単価は、11月1日から月100kWhで約41.6円、月300kWhで約37.7円
- 0円プランの単価が今の実質単価より安ければ、0円プランが得
- 家を空ける月がある家庭や、大きなアンペアが必要な家庭に向いている
- 市場連動型・調整費・解約金は、契約前に確認する
基本料金0円プランのしくみ

基本料金0円のプランは、毎月の固定費をなくし、使った電気の量だけで電気代を計算する料金プランです。まずは、一般的な従量電灯との違いを確認しましょう。
基本料金がない代わりに、電力量料金だけで電気代が決まる
一般的な従量電灯Bの電気代は、契約アンペアで決まる基本料金と、使った電気の量に応じた電力量料金を合わせて計算します。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、30Aの基本料金が2026年11月1日から月1,176.18円です(10月31日までは935.25円)。電気をまったく使わなかった月も、基本料金は半額がかかります(※)。
基本料金0円のプランには、この基本料金がありません。電気代は、使った電気の量×電力量料金の単価に、燃料費調整額や再エネ賦課金などを足して計算します。使った電気の量が少ない月は、それだけ電気代も下がります。
ただし、基本料金がないぶん、電力量料金の単価は従量電灯Bの最初の段階(11月1日から29.85円)より高いプランもあります。基本料金がない効果は、使用量が少ない月ほど電気代に表れ、使用量が増えるほど、単価の差のほうが電気代に影響します。従量電灯のしくみは従量電灯A・Bとはで解説しています。
| 項目 | 従量電灯B(東京電力EP) | 基本料金0円プラン |
|---|---|---|
| 基本料金 | 契約アンペアで決まる(30Aで月1,176.18円) | かからない |
| 電力量料金 | 使用量で3段階に単価が上がる | 単価が一律のプランもある |
| 電気を使わない月 | 基本料金がかかる | 電力量料金はほぼかからない |
| 契約アンペアを上げたとき | 基本料金が上がる | 基本料金は変わらない |
(※2026年10月時点 東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」)
契約アンペアで固定費が変わらない。関西などは最低料金制
従量電灯Bでは、契約アンペアが大きいほど基本料金が上がります。東京電力エナジーパートナーの場合、2026年11月1日からは、30Aなら月1,176.18円、40Aなら月1,568.24円、60Aなら月2,352.36円です。
基本料金0円のプランでは、契約アンペアで決まる基本料金がないため、アンペアの大きさで毎月の固定費は変わりません。家族が多く、エアコンや電子レンジなどを同時に使うために大きなアンペアが必要な家庭では、この差が電気代に表れます。アンペアの目安は契約アンペアの目安で紹介しています。
| 項目 | 10月31日まで | 11月1日から |
|---|---|---|
| 基本料金 30A | 935.25円 | 1,176.18円 |
| 基本料金 40A | 1,247.00円 | 1,568.24円 |
| 基本料金 60A | 1,870.50円 | 2,352.36円 |
| 電力量料金(120kWhまで) | 29.80円/kWh | 29.85円/kWh |
| 電力量料金(120〜300kWh) | 36.40円/kWh | 36.45円/kWh |
| 電力量料金(300kWh超) | 40.49円/kWh | 40.54円/kWh |
※2026年10月時点
出典:東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」
11月1日の見直しでは、基本料金が約26%上がり、電力量料金は1kWhあたり0.05円上がります。基本料金の上がり幅のほうが目立つため、基本料金0円のプランと比べるときは、11月からの料金で計算しておくと安心です。
なお、関西・中国・四国・沖縄のエリアでは、もともと契約アンペアごとの基本料金がなく、「最低料金」がある料金のしくみ(最低料金制)です。たとえば関西電力の従量電灯Aでは、最初の15kWhまでが2026年11月1日から763.81円です(※)。10月31日までは522.58円でした。
最低料金には最初の15kWh分の電気代も含まれているため、東京電力エナジーパートナーの30Aの基本料金(11月1日から1,176.18円)のように、電気代とは別に毎月かかる固定費とは性質が違います。そのため、最低料金制のエリアでは、電力量料金の単価どうしを比べるのが基本です。
(※2026年10月時点 関西電力「託送供給等約款の変更に伴う電気料金等の見直し」)
得かどうかは「1kWhあたりの実質単価」で比べる

基本料金0円のプランが得かどうかは、今の電気代を1kWhあたりの単価に直して比べるとわかります。従量電灯Bの実質単価は、使用量によって変わる点に注意が必要です。
従量電灯Bの実質単価は、使用量によって変わる
従量電灯Bの電気代を使用量で割ると、基本料金を含めた1kWhあたりの実質単価が出ます。東京電力エナジーパートナーの30Aで、2026年11月1日からの単価で計算すると、月100kWhでは約41.6円、月300kWhでは約37.7円、月500kWhでは約38.9円です。10月31日までの単価では、それぞれ約39.2円、約36.9円、約38.3円でした。
使用量が少ない月は、電気代に占める基本料金の割合が上がるため(30A・月100kWhで約28%)、実質単価が上がります。一方、使用量が300kWhを超えると、3段階目の単価(40.54円)がかかる量が増えるため、実質単価がまた上がります。
従量電灯Bは、11月1日から、120kWhまでが29.85円、120kWhを超えて300kWhまでが36.45円、300kWhを超える分が40.54円という3段階の料金です。実質単価がいちばん低くなるのは、月300kWh前後です。
契約アンペアが大きいと、基本料金のぶん実質単価は上がります。40Aでは、11月1日から月100kWhで約45.5円、月300kWhでも約39.0円です(10月31日までは約42.3円、約37.9円)。同じ従量電灯Bでも、家庭によって実質単価は1kWhあたり数円違うため、比べるときは自分の明細の数字を使いましょう。
| 1か月の使用量 | 30A(10月31日まで) | 30A(11月1日から) | 40A(10月31日まで) | 40A(11月1日から) |
|---|---|---|---|---|
| 100kWh | 約39.2円(月3,915円) | 約41.6円(月4,161円) | 約42.3円(月4,227円) | 約45.5円(月4,553円) |
| 200kWh | 約37.1円(月7,423円) | 約38.4円(月7,674円) | 約38.7円(月7,735円) | 約40.3円(月8,066円) |
| 300kWh | 約36.9円(月11,063円) | 約37.7円(月11,319円) | 約37.9円(月11,375円) | 約39.0円(月11,711円) |
| 400kWh | 約37.8円(月15,112円) | 約38.4円(月15,373円) | 約38.6円(月15,424円) | 約39.4円(月15,765円) |
| 500kWh | 約38.3円(月19,161円) | 約38.9円(月19,427円) | 約38.9円(月19,473円) | 約39.6円(月19,819円) |
※2026年10月時点。燃料費調整額・再エネ賦課金を含まない
出典:東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」をもとに計算
0円プランの単価が実質単価より安ければ、0円プランが得
基本料金0円のプランの電力量料金の単価が、今の実質単価より安ければ、0円プランのほうが電気代は安くなります。たとえば30Aで月200kWh使う家庭なら、実質単価は約38.4円なので、これより単価が安い0円プランなら得になります。同じ0円プランでも、月500kWh使う家庭なら比べる相手は約38.9円になり、得かどうかの判断が変わることがあります。
比べるときは、電力量料金の単価だけでなく、燃料費調整額や、各社が独自に決めている調整費も確認しましょう。この記事の実質単価には燃料費調整額や再エネ賦課金を含めていないため、0円プラン側もそれらを除いた単価で比べます。調整費のしくみは電源調達調整費とはで解説しています。
自分の実質単価は、次の手順で計算できます。電気代の計算方法は電気代の計算方法で紹介しています。
- 直近の明細で、基本料金と電力量料金の金額を確認する
- 基本料金と電力量料金を足し、使用量(kWh)で割る
- 0円プランの電力量料金の単価と比べる
- 季節で使用量が変わるので、夏や冬の明細でも計算してみる
基本料金0円プランが向いている家庭・注意が必要な家庭

基本料金0円のプランは、電気の使い方によって得になる家庭とならない家庭があります。向いている家庭の特徴と、契約前に確認したい注意点を紹介します。
向いているのは、家を空ける月がある家庭や大きなアンペアが必要な家庭
基本料金0円のプランが向いているのは、出張や帰省で家を空ける月がある家庭です。電気を使わない月は、基本料金がかからないぶん電気代を抑えられます。電気比較ガイドが2026年3〜8月に実施した自社アンケートでも、「基本料金が0円なので、長期出張などで家を空けた月は電気代がガクッと安くなるのが嬉しいです」という声がありました。
また、大きな契約アンペアが必要な家庭も、基本料金がないメリットを受けやすくなります。同じアンケートでは、「基本料金が1247円もして」と、40Aで契約している回答者から基本料金に不満を持つ声もありました。
使用量が少ない一人暮らしや、別荘・セカンドハウスなど使う日が少ない家も、実質単価が高くなりやすいため、0円プランと比べる価値があります。30Aで月100kWhなら実質単価は約41.6円で、月300kWhの家庭より約3.9円高くなります。
- 出張・帰省などで家を空ける月がある
- 40A以上など大きな契約アンペアが必要
- 一人暮らしなどで使用量が少ない
- 別荘・セカンドハウスなど、使う日が少ない家
市場連動型・調整費・解約金は契約前に確認する
基本料金0円のプランの中には、電力量料金が卸電力市場の価格に合わせて変わる市場連動型のプランもあります。市場の価格が安い時間帯に電気を使えば安くなる一方、冬の寒い日など市場の価格が上がる時期は、電気代も上がります。しくみは市場連動型プランとはで解説しています。
また、燃料費調整額に上限がないプランや、各社が独自に決める調整費があるプランもあります。基本料金とは別の名前で、毎月決まった金額がかかる料金がないかも確認しましょう。燃料費調整額については燃料費調整額とはで紹介しています。これらの料金は月によって変わるため、1か月分だけでなく、過去数か月分の単価が公開されていれば確認しておくと安心です。
契約期間内に解約すると解約金がかかるプランもあります。試しに使ってみたい場合は、解約金の有無と、解約金がかからなくなる時期を確認してから申し込みましょう。料金表のほか、重要事項説明書や約款にも条件が書かれています。くわしくは解約金・違約金で解説しています。
今の料金と、同じ使用量で比べる

基本料金0円のプランが得かどうかは、家庭の使用量で変わります。今の明細で実質単価を出し、同じ使用量で0円プランの電気代を試算して比べましょう。
明細で使用量と基本料金を確認する
まずは直近の明細で、1か月の使用量(kWh)と、基本料金の金額を確認します。基本料金が月1,500円を超えている家庭(11月1日からの東京電力エナジーパートナーなら40A以上)や、使用量が月100kWh前後の家庭は、0円プランとの差が出やすくなります。30Aで月100kWhなら、電気代に占める基本料金の割合は約3割(約28%)です。
使用量は季節で変わるため、夏と冬の明細もあれば確認しましょう。1年分の使用量がわかれば、1年間の電気代で比べられます。電力会社のWebサービスやアプリなら、過去の使用量をまとめて確認できることがあります。
基本料金の金額は、明細の「基本料金」の欄に書かれています。最低料金制のエリアでは「最低料金」と書かれていることもあります。明細で確認しておきたい項目は次のとおりです。
- 1か月の使用量(kWh)
- 基本料金(最低料金)の金額
- 電力量料金の金額
- 契約アンペア(30A・40Aなど)
確認した数字は、実質単価の計算と料金シミュレーションの両方に使えます。夏や冬の明細も手元に置いておくと、季節による違いも比べられます。
同じ使用量で、0円プランの電気代を試算する
使用量がわかったら、同じ使用量で0円プランの電気代を試算しましょう。電気料金シミュレーションなら、郵便番号と世帯人数を入れるだけで、料金プランごとの電気代を比べられます。
試算するときは、1か月分だけでなく、使用量が増える夏や冬の月でも比べておくと、1年を通した差がわかります。0円プランの燃料費調整額や調整費は月によって変わるため、試算の結果は目安として考えましょう。
比べるときは、電力量料金の単価だけでなく、燃料費調整額や調整費、解約金の有無もそろえて確認しましょう。単価だけを比べると、調整費の分だけ差を見誤ることがあります。料金の内訳は、各社の料金表や重要事項説明書に書かれているため、申し込む前に目を通しておきましょう。
基本料金0円のプランが合わない場合でも、ほかの料金プランのほうが安くなることがあります。0円プランだけにしぼらず、基本料金があるプランも含めて、同じ使用量で比べると判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 基本料金0円なら、電気を使わない月は電気代も0円になりますか?
電気を少しでも使えば、その分の電力量料金がかかります。冷蔵庫など、家を空けていても電気を使う家電があれば、その分の電気代はかかります。家を空けていた月の使用量は、明細や電力会社のWebサービスで確認できます。家を空ける前に電源を切っておける家電は、切っておくとよいでしょう。また、プランによっては、燃料費調整額や調整費、再エネ賦課金のほかに、別の名前の固定的な料金がかかる場合もあります。契約前に、料金の内訳を確認しておきましょう。
Q. 基本料金0円のプランなら、契約アンペアを上げても料金は変わりませんか?
契約アンペアで決まる基本料金がないため、アンペアの大きさで毎月の固定費は変わりません。ただし、使える電気の上限は契約アンペアなどで決まるため、同時に使う家電の消費電力の合計が上限を超えるとブレーカーが落ちることがあります。アンペアの設定方法はプランによって違うため、申し込むときに確認しましょう。契約アンペアの変更は、スマートメーターであれば遠隔で行えることがあります。今の契約アンペアは、明細や電力会社のWebサービスで確認できます。
Q. 関西電力エリアでも、基本料金0円のプランは得ですか?
関西・中国・四国・沖縄のエリアは、もともと契約アンペアごとの基本料金がない最低料金制です。関西電力の従量電灯Aでは、最初の15kWhまでが2026年11月1日から763.81円です。
最低料金には最初の15kWh分の電気代も含まれているため、基本料金が電気代とは別にかかるエリアとは比べ方が違います。得かどうかは、同じ使用量で電気代を試算して比べましょう。最低料金制のエリアでは、15kWhを超えた分の単価と、0円プランの単価を比べるのが目安です。料金シミュレーションを使えば、エリアに合わせて計算できます。
Q. 基本料金0円のプランは、市場連動型ばかりですか?
基本料金0円のプランには、市場連動型のプランも、単価が決まっているプランもあります。市場連動型は、市場の価格が安い時間帯に電気を使えば安くなりますが、価格が上がる時期は電気代も上がります。毎月の電気代を安定させたいなら、単価が決まっているプランを選ぶと安心です。申し込む前に、料金のしくみを公式サイトで確認しましょう。単価が決まっているプランでも、燃料費調整額や調整費は毎月変わるため、あわせて確認しておくと安心です。
まとめ|基本料金0円プランは、実質単価で比べて選ぶ
基本料金0円のプランは、基本料金がない代わりに、使った電気の量に応じた電力量料金だけで電気代が決まるしくみです。得かどうかは、今の電気代を使用量で割った1kWhあたりの実質単価と比べるとわかります。
家を空ける月がある家庭や、大きな契約アンペアが必要な家庭は、0円プランのメリットを受けやすくなります。市場連動型や調整費、解約金も確認したうえで、同じ使用量で電気代を試算してみましょう。
※料金・制度の情報は2026年10月時点のものです。実質単価は、燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金を含みません。
この記事を監修した人
電力アナリスト
佐藤 健一大手エネルギー調査会社で10年間、700社以上の電力会社の料金データを分析。エネルギー管理士の資格を持ち、燃料費調整額や電源調達調整費を含めた「実質請求額」ベースの料金比較を専門としています。当サイトでは電力会社の料金比較・ランキング・口コミ記事のデータ分析を担当。プロフィール詳細はこちら
電力アナリスト
佐藤 健一
「基本料金0円」は、電気代が安いという意味ではありません。毎月の固定費をなくし、そのぶんを使った電気の単価に含めている料金のしくみです。得かどうかは、今の電気代を使用量で割った「1kWhあたりの実質単価」と、0円プランの単価を比べればわかります。燃料費調整額や調整費のしくみも、あわせて確認しておきましょう。