電気料金の仕組み
再エネ賦課金の推移【2012〜2026年】単価と家計負担の変化を解説
毎月の電気代に、使った量に応じて必ず上乗せされている「再エネ賦課金」。じわじわ上がり続け、2026年度の単価は4.18円/kWhと、制度開始以来はじめて4円を超えました。
この記事では、再エネ賦課金の単価が2012年度から2026年度までどう推移してきたかを一覧にまとめ、世帯人数別の年間負担額に換算します。あわせて、2023年度に例外的に下がった理由や、負担を減らす方法も解説します。
※本記事は経済産業省「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」の公表値をもとにしています。単価は全国一律で毎年5月に改定されます。年間負担額は当サイトの標準使用量で試算した目安です。情報は2026年9月時点。図表の引用は出典明記のうえ自由です。
再エネ賦課金とは

推移を見る前に、再エネ賦課金がどんな費用なのかを簡単に押さえておきましょう。
使用量に応じて全員が負担する費用
再エネ賦課金の正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及を、電気の利用者みんなで支えるための費用で、電気の使用量(kWh)× 単価で毎月の電気代に上乗せされます。単価は全国一律で、毎年5月に改定されます。
電力会社を選ばず、どの会社と契約していても同じ単価がかかるのが特徴です。つまり、電気を使う人全員が、使った量に比例して負担している費用です。しくみのより詳しい解説は再エネ賦課金とはをご覧ください。本記事では、その単価が年々どう変わってきたかに絞って見ていきます。負担額の大きさを知る手がかりになります。
再エネ賦課金の基本
- 正式名称は再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 使用量(kWh)× 単価で毎月上乗せ
- 単価は全国一律・毎年5月改定
- どの電力会社でも同じ単価がかかる
検針票やWeb明細を見ると、「再エネ発電賦課金」といった項目名で記載されています。基本料金や電力量料金とは別に、使った分だけ加算されるしくみです。ふだんあまり意識されませんが、電気代の一部として毎月確実に支払っている費用です。
単価の推移 2012〜2026年度

では、再エネ賦課金の単価は制度開始からどう変わってきたのでしょうか。年度別の一覧で見てみましょう。
0.22円から4.18円へ|14年で約19倍
再エネ賦課金は、制度が始まった2012年度の0.22円/kWhから、2026年度には4.18円/kWhまで上昇しました。14年間で約19倍です。2023年度に一時的に下がったのを除けば、基本的には右肩上がりで推移してきました。
| 年度 | 単価(円/kWh) | 備考 |
|---|---|---|
| 2012 | 0.22 | 制度開始(8月〜) |
| 2013 | 0.35 | |
| 2014 | 0.75 | |
| 2015 | 1.58 | |
| 2016 | 2.25 | |
| 2017 | 2.64 | |
| 2018 | 2.90 | |
| 2019 | 2.95 | |
| 2020 | 2.98 | |
| 2021 | 3.36 | |
| 2022 | 3.45 | |
| 2023 | 1.40 | 燃料価格高騰で大幅減 |
| 2024 | 3.49 | |
| 2025 | 3.98 | |
| 2026 | 4.18 | 制度開始後はじめて4円超 |
とくに2015年度以降の伸びが大きく、再生可能エネルギーの導入が一気に進んだことを反映しています。2023年度だけが例外的に大きく下がっていますが、これは後述する特別な事情によるものです。全体としては、再エネの普及とともに賦課金も増えてきた、という流れが読み取れます。最新の単価は、毎年3月下旬に経済産業省から発表されます。
標準世帯の年間負担額に換算

単価だけではピンと来ないので、実際の年間負担額に換算してみましょう。世帯人数別に見ると、負担の大きさが実感できます。
4人世帯は年間約1万8千円の負担に
再エネ賦課金の年間負担額は、「単価 × 年間使用量」で計算できます。当サイトの標準使用量で試算すると、2026年度は4人以上の世帯で年間約17,932円にのぼります。制度開始の2012年度は同じ世帯で約944円だったので、負担は大きく膨らんでいます。
| 世帯人数(年間使用量) | 2012年度 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|---|
| 1人(1,990kWh) | 約438円 | 約7,920円 | 約8,318円 |
| 2人(3,210kWh) | 約706円 | 約12,776円 | 約13,418円 |
| 3人(3,800kWh) | 約836円 | 約15,124円 | 約15,884円 |
| 4人以上(4,290kWh) | 約944円 | 約17,074円 | 約17,932円 |
計算式は「年間使用量 × 単価」です。たとえば4人以上の世帯なら、4,290kWh × 4.18円 ≒ 17,932円となります。使用量が多い世帯ほど負担も大きくなるのが、賦課金の特徴です。なお、ここで使った使用量は当サイトの標準設定値(実際の利用者の入力値とほぼ一致することを確認済み)で、根拠は電気料金の実態調査レポートにまとめています。あくまで目安として、ご自身の使用量に置き換えて計算してみてください。
2023年度に下がった理由

一貫して上がってきた再エネ賦課金ですが、2023年度だけは大きく下がりました。その理由を見ておきましょう。
燃料価格の高騰が「回避可能費用」を押し上げた
2023年度に単価が1.40円/kWhまで下がったのは、卸電力市場の価格が高騰したことが背景にあります。賦課金は「再エネの買取総額から、電力会社が支払わずに済んだ費用(回避可能費用)を差し引いて」決まります。市場価格が高いと、この差し引く費用が大きくなり、結果として賦課金が下がるしくみです。
2023年度に下がった理由(ポイント)
- 燃料高騰で卸電力市場の価格が上昇
- 電力会社が支払わずに済んだ「回避可能費用」が増加
- 買取総額から差し引く額が増え賦課金が一時的に低下
- 市場が落ち着いた2024年度以降は再び上昇
ただし、これは燃料価格の高騰という例外的な事情によるもので、再エネの普及そのものが止まったわけではありません。実際、市場価格が落ち着いた2024年度以降は再び上昇に転じています。2023年度の低下は「一時的な例外」と捉えておくのが正確です。数字の上下だけで傾向を判断しないようにしましょう。過去の推移を引用する際も、この年だけは特殊事情があった点を添えると誤解を招きません。
今後の見通しと負担を減らす方法

今後、再エネ賦課金はどうなるのでしょうか。そして、私たちにできることはあるのでしょうか。
単価は下げられない|減らせるのは使用量だけ
今後の見通しについては、断定はできません。ただ、再生可能エネルギーの買取費用の総額はしばらく高い水準が続くと見られ、賦課金がすぐに大きく下がるとは考えにくい状況です。一方で、期間を終えて買取が終わる案件(卒FIT)の増加など、長期的には変動要因もあります。
ここで押さえておきたいのが、賦課金の単価は全国一律で、私たちの努力では変えられないという点です。よくある誤解ですが、電力会社を切り替えても賦課金は変わりません。減らせるのは、かけ算のもう一方である「使用量」だけです。つまり、節電で使用量を抑えることが、賦課金の負担を直接減らす唯一の方法になります。とはいえ電気代全体で見れば、燃料費調整額やプランの違いで下げられる余地もあります。燃料費調整額のしくみは燃料費調整額とはをご覧ください。今の電気代が適正かは、シミュレーションで確認できます。
賦課金と上手に付き合うポイント
- 単価は全国一律で個人では変えられない
- 電力会社を切り替えても賦課金は同じ(よくある誤解)
- 賦課金を直接減らせるのは使用量(節電)だけ
- 電気代全体はプラン見直しで下げられる余地あり
「再エネ賦課金が高いから電力会社を変える」という判断は、賦課金だけを見ると効果がありません。ただし、同じ使用量でも電力量料金や燃料費調整のしくみは会社・プランで差があります。賦課金は固定と割り切り、それ以外で下げられる部分を探すのが現実的です。
まとめ|賦課金は上昇傾向、減らせるのは使用量
再エネ賦課金の単価は、2012年度の0.22円から2026年度は4.18円へと、14年で約19倍に上昇しました。2023年度だけは燃料高騰の影響で例外的に下がりましたが、2024年度以降は再び上昇しています。4人以上の世帯では、年間の負担が約1万8千円に達します。
賦課金の単価は全国一律で、電力会社を切り替えても変わりません。負担を直接減らせるのは使用量だけです。一方、電気代全体では見直せる部分もあるので、まずはシミュレーションで今の料金を確認し、ムダがないかを見てみましょう。賦課金は毎年5月に改定されるため、本記事も更新していきます。
この記事のポイント
- 単価は2012年度0.22円→2026年度4.18円(約19倍)
- 2023年度の低下は燃料高騰による例外
- 4人以上世帯の年間負担は約17,932円(2026年度)
- 電力会社の切り替えでは賦課金は変わらない
- 直接減らせるのは使用量だけ(節電)
※単価は経済産業省の公表値。年間負担額は当サイト標準使用量での試算目安で、実際の負担は使用量により異なります。賦課金は毎年5月改定。情報は2026年9月時点。出典明記のうえ図表の引用は自由です(出典:電気代比較ガイド/単価は経済産業省)。
本データのご利用について
本記事の単価データおよび試算表は、出典を明記いただければ自由に引用できます。ご利用にあたっては、次の点にご留意ください。
出典表記と更新について
単価の出典は経済産業省「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」です。引用の際は「出典:電気代比較ガイド(単価は経済産業省)」のように表記してください。年間負担額は、当サイトの標準使用量で試算した目安である旨もあわせて記載いただけると正確です。
引用時のお願い
- 出典表記:出典:電気代比較ガイド(単価は経済産業省)
- 年間負担額は当サイト標準使用量での目安と明記
- 取得時点(2026年9月時点)を添える
- 最新値は経済産業省の公式ページで確認
再エネ賦課金の単価は毎年3月下旬に発表され、5月に改定されます。本記事も、新しい単価が公表され次第、表に1行を追加して更新します。最新の数値は、経済産業省の公式ページもあわせてご確認ください。古い単価のまま引用されないよう、取得時点(本記事は2026年9月時点)をあわせて示すことをおすすめします。
この記事を監修した人
電力アナリスト
佐藤 健一大手エネルギー調査会社で10年間、700社以上の電力会社の料金データを分析。エネルギー管理士の資格を持ち、燃料費調整額や電源調達調整費を含めた「実質請求額」ベースの料金比較を専門としています。当サイトでは電力会社の料金比較・ランキング・口コミ記事のデータ分析を担当。プロフィール詳細はこちら
電力アナリスト
佐藤 健一
再エネ賦課金は「気づいたら増えていた」費用の代表格です。単価だけ見ると小さな数字ですが、使用量をかけると、4人世帯で年間1万8千円近く。制度開始のころの20倍近い水準です。ここで誤解が多いのが「電力会社を変えれば賦課金も安くなる」というもの。単価は全国一律なので、切り替えでは1円も変わりません。直接減らせるのは使用量だけです。ただし電気代全体で見れば、プランや燃料費調整額で下げられる部分はあります。賦課金は変えられない前提で、それ以外のムダを見直す——これが現実的な付き合い方です。まずは今の料金を確認してみてください。