電力会社おすすめ・比較
PR
英国発オクトパスエナジーが日本の電力市場をどう見ているか
「英国発のテクノロジー企業」として知られるオクトパスエナジー。日本では東京ガスとの合弁会社「TGオクトパスエナジー」として事業を展開し、2021年の参入からわずか4年で国内契約件数は50万件を突破しました(2025年12月時点)。
その急成長の裏側で、同社は日本の電力市場に独自の「見方」を持っています。規制料金という障壁、テクノロジーとグリーンへの投資、そして私たち消費者にとっての意味――。公開されている発言と実績から、その市場観を読み解いていきます。
※本記事は取材・公開情報にもとづく特集です。経営陣の発言は各種公開資料(2024〜2025年時点)からの引用で、最新の見解・数値は変わる場合があります。
目次
データで見るオクトパスエナジーと日本市場

まず、同社の規模感と、その背景にある日本市場の状況を数字で押さえておきましょう。参入からの成長スピードは、国内の新電力のなかでも際立っています。
- 50万件国内の契約件数(2025年12月)
- 1,000万件世界の契約世帯数
- 8か国事業を展開する国
- 約4年50万件到達までの期間
世界では英国・ドイツ・スペイン・フランス・イタリア・日本・米国・ニュージーランドの8か国で事業を展開し、契約世帯数は1,000万件を超えます。日本市場では、東京ガスとの合弁による安定した電力調達を背景に、販売量・売上を大きく伸ばしてきました。
- 日本での運営会社:TGオクトパスエナジー(東京ガスと英オクトパスエナジー・グループの合弁)
- 参考:2024年3月期の売上高は前期比で約3.4倍と、短期間で急拡大している
※出典:TGオクトパスエナジー公表(2025年12月・国内50万件/世界1,000万件)、および各種公開資料(2024〜2025年時点)。数値は時点により変わります。
オクトパスが指摘する日本市場の「障壁」|規制料金の存在

同社が日本市場の課題として繰り返し指摘してきたのが、大手電力の「規制料金」が残り続けている点です。2016年の全面自由化から時間がたっても、その状態が続いていると見ています。
実際、経済産業省のデータでは新電力のシェアは契約口数ベースで約22%にとどまり、大手電力が約8割を占めています。さらに電力価格の高騰局面では、政府の補助によって大手の規制料金が最も安くなる場面もあり、新電力を選ぶ人が一時的に減ったと同社は指摘しています。
同社によれば、直近では新電力を選ぶ人が2年前と比べて半分から3分の1程度にまで減った時期もあったといいます。価格支援のあり方そのものが消費者の選択行動を左右しており、こうした環境が続くかぎり、料金やサービスで競い合う本来の自由化の姿にはなりにくい、というのが同社の問題意識です。
- 規制料金が残ることで、価格・サービスの競争が働きにくい面がある
- 価格高騰時の支援策が規制料金に有利に働き、新電力の選択率が下がることがある
- 同社は「規制料金をなくしたほうが独自メニューやイノベーションが生まれる」との立場
それでも日本で挑む理由|「Cheaper and Greener」とテクノロジー

課題を指摘しつつも、同社は日本市場に長期で投資を続けています。その原動力が、世界共通の理念「Cheaper and Greener(より安く、よりグリーンに)」と、独自技術の活用です。
その中核にあるのが、自社開発のプラットフォーム「Kraken(クラーケン)」です。顧客管理から請求処理までを一つの基盤で行い、運営コストを抑えます。この基盤は評価され、親会社である東京ガスも2023年10月に導入しました。
販売量や売上も短期間で大きく伸びており、テクノロジーを土台にした運営が成長の数字にも表れています。クラーケンのような基盤は、料金プランの改定や新サービスの追加にも素早く対応できるため、価格高騰といった逆風のなかでも事業を続けられる強みになっています。
日本で挑むための3つの土台
- 東京ガスとの合弁による、長期契約ベースの安定した電力調達と資金基盤
- テクノロジー基盤クラーケンによる、低コストで透明性の高い運営
- 実質再生可能エネルギー100%を軸にした「グリーンな電気」の普及戦略
日本の消費者にとって、これは何を意味するのか

一社の市場観は、私たち消費者にとっても示唆に富みます。テクノロジーとグリーンを掲げる事業者が存在感を増すことは、それだけ選択肢が多様になるということでもあるからです。
ただし、当サイトは中立の立場から、事業者の理念や勢いだけで選ぶことは推奨していません。大切なのは、自分の使い方に合うかどうかを料金と契約条件で確かめることです。グリーンやテクノロジーといった価値は、料金や条件と合わせて検討する判断材料の一つと考えるのが健全です。とくに燃料費調整の上限がないプランでは、燃料価格が上がった局面で請求が想定以上に膨らむこともあるため、平常時の単価だけで判断しないよう注意しましょう。
読者が押さえておきたい視点
- 新電力の理念・成長性は魅力だが、最終的には年間の実質料金で比較する
- 自由料金は燃料費調整の上限がないプランも多く、高騰時のリスクを確認する
- 再エネやサービスの価値を、料金・契約条件と並べて総合的に判断する
まとめ|市場観から見えてくる「これからの電力選び」
オクトパスエナジーは、規制料金という障壁を指摘しながらも、テクノロジーとグリーンを武器に日本市場へ長期投資を続けています。その市場観は、価格競争だけでなく「技術」と「環境価値」が電力選びの軸になりつつあることを示しています。料金の安さは今後も重要ですが、そこに再生可能エネルギーやテクノロジーがもたらす利便性という、新しい判断軸が加わりつつあるといえるでしょう。
消費者としては、こうした流れを踏まえつつ、最後は自分の使用量にもとづくシミュレーションで冷静に選ぶ姿勢が大切です。業界の視点を知ることは、その判断をより納得感のあるものにしてくれます。
この記事のポイント
- オクトパスエナジーは日本参入4年で国内50万件、世界では8か国・1,000万件規模
- 同社は「規制料金の残存=部分自由化」を市場の障壁と見ている(新電力シェアは約22%)
- 東京ガスとの合弁・テクノロジー(クラーケン)・グリーン戦略を土台に長期投資を継続
- 消費者は理念や勢いだけでなく、年間の実質料金と契約条件で総合的に選ぶことが大切
オクトパスエナジーと日本市場に関するよくある質問
オクトパスエナジーの日本での展開や市場の見方について、よく寄せられる質問にまとめて回答します。
Q. オクトパスエナジーはなぜ日本市場に参入したのですか?
A. テクノロジーとグリーンな電気を軸に、成長余地のある日本市場で長期的に事業を広げるためです。同社は英国発のエネルギーテック企業で、東京ガスとの合弁「TGオクトパスエナジー」として2021年に参入しました。日本は電力自由化が進む一方で新電力のシェアがまだ小さく、同社は独自のテクノロジー基盤や再生可能エネルギーの普及によって、市場を切り拓く余地が大きいと見ています。実際、参入から約4年で国内契約は50万件を突破しています(2025年12月時点)。
Q. 同社が指摘する「規制料金の障壁」とは何ですか?
A. 大手電力の規制料金が残り続けていることが、競争やイノベーションを妨げているという指摘です。2016年の全面自由化後も経過措置としての規制料金が続いており、同社の中村社長は「部分自由化の状態が続いている」と述べています。新電力のシェアは契約口数ベースで約22%にとどまり、価格高騰時には政府の支援が規制料金に有利に働く場面もありました。こうした構造が、新しい料金メニューやサービスが広がりにくい一因になっていると同社は見ています。
Q. この記事はオクトパスエナジーを推奨するものですか?
A. いいえ。特定の会社を推奨するものではなく、業界の視点を中立に紹介する特集です。当サイトは、事業者の理念や成長性だけで電力会社を選ぶことは推奨していません。どの会社が合うかは、住んでいるエリア・世帯人数・使い方によって変わります。オクトパスエナジーを含めて検討する場合も、必ず自分の直近の使用量をもとに、年間の実質料金と契約条件を確認して判断してください。
※本記事の数値・発言は2026年7月時点で確認できる公開情報(TGオクトパスエナジー公表・各種取材記事)にもとづく参考情報です。契約件数・発言内容・戦略は変わる場合があります。契約前には各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事を監修した人
電力アナリスト
佐藤 健一大手エネルギー調査会社で10年間、700社以上の電力会社の料金データを分析。エネルギー管理士の資格を持ち、燃料費調整額や電源調達調整費を含めた「実質請求額」ベースの料金比較を専門としています。当サイトでは電力会社の料金比較・ランキング・口コミ記事のデータ分析を担当。プロフィール詳細はこちら
電力アナリスト
佐藤 健一
事業者の市場観を知ることは、電力選びの「地図」を持つことに似ています。規制料金の是非やグリーン電力の広がりは、今後の料金やサービスに影響する論点です。ただし、業界がどう動くかと、いま自分にとって何が得かは別問題です。市場のトレンドは参考にしつつ、最後は必ず自分の使用量でシミュレーションし、年間の総額と契約条件で判断してください。それが後悔しない選び方です。