電力会社の乗り換え
【独自調査】引っ越しのときの電力会社の決め方は?94世帯を調査
引っ越しが決まると、新居の電気をどの電力会社と契約するか決める必要があります。不動産会社に勧められた会社や、前の家と同じ会社に申し込むこともできますが、どう選ぶのがよいのでしょうか。
電気比較ガイドが、引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人に聞いたところ、新居で使う電気の量をもとに各社の料金を比べて選んだ人は、81%が今の電気に満足していました。勧められた会社に決めた人(43%)や、セット割を決め手にした人(33%)を上回っています。
引っ越しのときは、前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめです。比べる時間がなければ、入居後に見直すこともできます。この記事では、94人の選び方と満足度をもとに、新居の電力会社の選び方を紹介します。
目次
おすすめは、新居で使う電気の量で料金を比べて選ぶこと

94人の選び方と、今の電気の満足度を比べると、新居での料金を比べて選んだ人の満足度がいちばん高くなりました。比べるときに使うのは、前の家の明細の使用量です。
料金を比べて選んだ人は、81%が今の電気に満足していた
電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)
満足度5段階で4以上と答えた人は、新居での料金を比べて選んだ人で81%(16人中13人)でした。それ以外の選び方をした78人では45%です。勧められた会社に決めた人は43%、セット割を決め手にした人は33%でした。
料金を比べて選んだ人からは、「引っ越しの際にネットで料金を比較して一番安かったので選びました。実際に月1,000円くらい安くなっていると思います」「独り暮らしの自分には合っているプランだったし、実際、毎月約800円ほど安くなっている」という声がありました。
自分の使用量で比べておくと、契約する前に毎月の電気代の見込みがわかります。使い始めてから届いた請求額と見込みを比べれば、選んだ会社で安くなったかどうかも確かめられます。比べるのは、基本料金と1kWhあたりの単価を使用量に当てはめた毎月の電気代です。ポイントや特典は、そのうえで上乗せして考えましょう。
比べるときは、前の家の明細の使用量を使う
新居の電力会社は、次の手順で比べます。
- 前の家の明細で、1か月の使用量(kWh)を確認する
- 世帯人数や新居の設備が変わるなら、使用量の増減を見込む
- 同じ使用量で、各社の毎月の料金を試算する
- いちばん安くなる会社に、新居の電気を申し込む
北海道の戸建てに住む2人世帯は、新築の家に移る前に、1年分の電気の使用量と料金をもとに各社の単価を計算し、いちばん安くなる会社を選んでいました。季節によって使用量は変わるため、夏や冬の明細もあると、1年を通した電気代で比べられます。
回答者提供の写真(北海道・戸建て・2人世帯)。新築の家に移る前に、1年分の使用量で各社の料金を比べて選んだ
一人暮らしを始めるときなど、前の家の明細がない場合は、世帯人数が近い家庭の使用量を目安にして試算しましょう。調査でも、おおよその使用量をもとに各社を比べて選んだ人がいました。
セット割やキャンペーンは、毎月の料金とあわせて比べる

新居の設備やほかの契約に合わせて選ぶ方法もあります。セット割やキャンペーンで選ぶときは、割引の内容だけでなく、毎月の料金とあわせて比べることが大切です。
セット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上は2人
ガスや携帯電話とのセット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上と答えたのは2人(33%)でした。「セットにすると安くなると聞いたので」選んだ人や、「当時はガスと電気をセットで契約するとキャッシュバックがあったりお得だった」ものの、「現在はそこまでお得感はない」と答えた人もいます。
セット割は、電気代ではなく、ガス代や携帯電話料金から割り引かれることもあります。また、キャッシュバックや入居時のキャンペーンは、一度きりや数か月だけの割引のこともあります。調査でも、入居時のキャンペーンで3か月間の基本料金が0円になる会社を選んだ人がいました。
セット割やキャンペーンで選ぶときは、次の3つを確認しましょう。
- 割引が、電気・ガス・携帯電話のどの料金から引かれるか
- 割引やキャッシュバックが続く期間
- 割引がない月も含めた1年分の支払い総額
電気だけでなく、ガスや携帯電話の料金も合わせて計算すると、本当に安くなるかがわかります。
オール電化・床暖房・EVがある新居は、設備に合うプランで比べる
新居の設備に合わせてプランを選んだ5人のうち、4人は満足度4以上でした。オール電化の新居に移るときに「料金を比較したところ一番お得なところだった」と答えた人や、電気自動車(EV)があることを前提に、複数の会社を比べた人がいます。
オール電化の家庭は、エコキュートなどで夜間の電気を使ってお湯を沸かすため、時間帯によって単価が変わるプランを契約している家庭もあります。比べるときは、夜間と昼間の単価と、それぞれの時間帯にどれだけ電気を使うかを確認しましょう。
回答の中には、「当時はオール電化対応不可の所が多かった」として、地域の電力会社を使い続けている家庭もありました。今はオール電化向けのプランを用意している会社もあるため、数年前に検討してあきらめた家庭も、比べ直してみましょう。
床暖房がある新居では、ガスの床暖房の割引があるプランを、ガス会社の電気とセットで選んだ人もいました。この場合も、電気とガスを合わせた1年分の総額で、ほかの組み合わせと比べると確実です。
勧められた会社や物件で決まっている会社は、決める前に確認する

94人のうち、不動産会社などに勧められた会社に決めた人は22%、物件で電力会社が決まっていた人は13%でした。案内された会社に申し込む前に、確認しておきたいことがあります。
勧められた会社も、同じ使用量でほかの会社と比べる
電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)
勧められた会社に決めた21人のうち、10人は不動産会社や管理会社からの紹介でした。そのほか、住宅会社やガス会社、引っ越し業者に勧められた人もいます。引っ越しの準備で忙しい時期なので、案内された会社にそのまま申し込むのは珍しいことではありません。
ただ、勧められた会社に決めた人のうち、今の電気に満足していたのは43%でした。「入居時、案内されたとおりで契約し、使用を続けていますが、他社への変更も検討中です」という声もあります。
一方で、不動産会社に紹介された会社について、口コミや料金を自分で確認してから契約し、満足度5と答えた人もいました。案内された会社に決める場合も、同じ使用量でほかの会社の料金と比べてから申し込みましょう。比べても案内された会社のほうが安ければ、そのまま申し込んで問題ありません。比べた結果を見てから決めれば、納得して使い続けられます。
「物件で決まっている」と言われたら、一括受電かどうかを確認する
物件で電力会社が決まっていた12人の中には、「大家さんに聞いたところ変えられないようでそのままです」と答えた人もいました。ただ、資源エネルギー庁は、賃貸住宅でも電気の契約名義が本人であれば、電力会社を切り替えられるとしています。
切り替えが制限されることがあるのは、マンションの管理組合などが、建物全体でまとめて電気を買う契約をしている場合です。この契約は「一括受電」と呼ばれ、マンションの契約や規約によって、各住戸で電力会社を選べないことがあります(資源エネルギー庁「よくある質問」)。
不動産会社や管理会社に「電力会社は決まっている」と言われたら、次の2つを確認しましょう。
- 電気の契約名義が自分になるか
- 建物全体で一括受電をしているか
契約名義が自分で、一括受電でなければ、案内された会社以外も選べます。その場合は、ほかの会社と料金を比べたうえで、申し込む先を決めましょう。わからない場合は、管理会社に問い合わせれば確認できます。
引っ越しまでに比べられなければ、入居後に見直す
引っ越しの直前は、料金を比べる時間が取れないこともあります。その場合は、入居時の電力会社で使い始め、あとから見直して切り替える方法もあります。
入居時の会社をあとから見直した5人は、全員「安くなった」と回答
回答者提供の写真(中国地方・分譲マンション・一人暮らし・オール電化)。入居時の電力会社から切り替えて、月3,000円ほど安くなった
入居時の電力会社をそのまま使い始め、あとから見直して切り替えた人が5人いました。5人とも、切り替えたあとの電気代について「安くなった」と答えています。
中国地方の分譲マンションに住む一人暮らしの人は、入居時に契約されていた電力会社が生活のリズムに合わず、電気代が高かったため、自分に合うプランを探して切り替えました。電気代は月3,000円ほど安くなったそうです。
関東の賃貸マンションに住む一人暮らしの人も、入居時に契約されていた電力会社の料金が予想より高かったため、料金を比べ直して切り替えました。電気代は月2,500円ほど下がったと答えています。
回答者提供の写真(関東・賃貸マンション・一人暮らし)。入居時の電力会社から切り替えて、月2,500円ほど安くなった。画像の一部をぼかしています
旧居の解約・新居の申し込み・入居後の切り替えの手続き
引っ越し日が決まったら、旧居で契約している電力会社に連絡し、電気を止める日を伝えます。新居の電気は、選んだ電力会社に使用開始日を指定して申し込みます。電話で申し込めば、引っ越し当日から使えるようにできる会社もあり、調査でも「電話一本で即日開通するため選びました」という人がいました。旧居の解約の連絡を忘れると、旧居の契約が続いてしまうため注意しましょう。
入居後に切り替えるときは、新しい電力会社に申し込めば、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。切り替えの手続きに、原則として費用はかかりません。申し込みには、検針票などに書かれた「お客さま番号」と「供給地点特定番号」を使います。
切り替えにかかる期間は、スマートメーターへの交換が不要なら約4日、必要なら約2週間です(資源エネルギー庁「電力会社の切り替え方法」)。料金プランによっては解約金がかかることもあるため、今の契約の解約条件も確認しておきましょう。
Frequently Asked Questions
Q. 引っ越しのとき、電力会社はどう選べばいいですか?
前の家の明細で1か月の使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめです。調査では、新居での料金を比べて選んだ人の81%が、今の電気に満足していました。世帯人数や新居の設備が変わる場合は、使用量の増減も見込んで試算しましょう。明細がない場合は、世帯人数が近い家庭の使用量を目安にします。セット割やキャンペーンは、毎月の料金を比べたうえで、割引のない月も含めた1年分の総額で判断しましょう。
Q. 不動産会社に勧められた電力会社と契約しないといけませんか?
マンション全体で電気をまとめて買う一括受電の物件でなければ、案内された会社以外とも契約できます。賃貸住宅でも、電気の契約名義が本人であれば、電力会社を切り替えられます。案内された会社に申し込む場合も、まず新居での使用量に近い条件で、ほかの会社の料金と比べてから申し込みましょう。物件で決まっているか不明な場合は、管理会社に一括受電かどうかを確認してください。比べても案内された会社のほうが安ければ、そのまま申し込んで問題ありません。
Q. セット割で電力会社を選ぶのはお得ですか?
セット割で支払い総額が安くなる場合もありますが、割引がガス代や携帯電話料金から引かれることもあるため、電気代だけでは判断できません。キャッシュバックなどの特典が一度きりや数か月だけのこともあります。割引がない月も含めた1年分の支払い総額で、ほかの会社と比べましょう。調査では、セット割を決め手にした6人のうち、満足度4以上は2人でした。割引の内容は、毎月の料金を比べたうえで上乗せして考えるのがおすすめです。
Q. 入居後に電力会社を切り替えることはできますか?
できます。新しい電力会社に申し込めば、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。切り替えにかかる期間は約4日〜2週間で、手続きに原則として費用はかかりません。調査では、入居時の電力会社をあとから見直して切り替えた5人全員が「安くなった」と答えていました。引っ越しまでに比べる時間がなかった場合も、入居後に見直してみましょう。料金プランによっては解約金がかかるため、今の契約の条件も確認しておきましょう。
まとめ|新居の電力会社は、使用量で料金を比べて選ぶ
電気比較ガイド自社調査(2026年3〜8月/引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人)
引っ越し・入居のときに電力会社を決めた94人のうち、新居での料金を比べて選んだ人は81%が今の電気に満足していました。セット割を決め手にした人や、勧められた会社に決めた人より満足度が高い結果です。
新居の電気はどのみち申し込みが必要です。前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の毎月の料金を比べてから申し込みましょう。間に合わなければ、入居後に見直すこともできます。
この記事のポイント
- 新居で使う電気の量で、各社の毎月の料金を比べて選ぶのがおすすめ
- 料金を比べて選んだ人は81%が今の電気に満足(それ以外の選び方は45%)
- セット割やキャンペーンは、割引のない月も含めた1年分の総額で比べる
- オール電化などの設備がある新居は、時間帯ごとの単価も比べる
- 勧められた会社も比べてから決める。「指定」と言われたら一括受電かを確認する
- 比べる時間がなければ入居後に見直す。見直した5人は全員「安くなった」と回答
※本記事の調査数値は、電気比較ガイドが2026年3月〜8月に実施した自社アンケートで、引っ越し・入居のときに今の電力会社を決めたと答えた94人の回答に基づきます。満足度は5段階で聞いています。
この記事を監修した人
電力自由化研究家
(元・大手電力会社社員)
大手電力会社に12年間勤務し、料金プラン設計・法人営業を担当した業界経験者。電力会社の「中の人」だった視点から、公式サイトには書かれていない注意点や料金表示のカラクリを発信しています。自身も退職後に3社の電力会社を切り替えた実体験あり。当サイトでは全記事の監修および乗り換え関連記事を担当。プロフィール詳細はこちら
電力自由化研究家
Shota Suzuki
新居の電力会社は、紹介やキャンペーンの内容より先に、毎月の料金で比べて選びましょう。電気代は、基本料金と、使った電気の量に応じた料金で決まります。前の家の明細で使用量を確認し、同じ使用量で各社の料金を試算すれば、新居での電気代の見込みがわかります。新居ではどのみち電気の申し込みが必要なので、申し込む先を比べて決めるだけで済みます。