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電気とガスのセットは本当にお得?メリット・注意点と選び方
「電気とガスをまとめるとお得と聞くけれど、本当に安くなるの?」と気になっていませんか。
結論から言うと、電気とガスのセット割には割引や手間の削減といったメリットがある一方、必ずしも最安になるとは限りません。電気だけ・ガスだけで安い会社を別々に選んだほうが、合計では安くなることもあるからです。
この記事では、電力アナリストの視点で電気とガスのセット割の仕組み・メリット・注意点・損しない選び方を、順位付けではなく中立の立場で整理します。
※本記事の情報は執筆時点(2026年7月)のものです。料金・割引・プランは変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
目次
電気とガスのセット割とは?仕組み

まずは、電気とガスのセット割がどのような仕組みなのかを押さえましょう。ここが分かると、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。
同じ会社で電気とガスをまとめると割引やポイントがつく
電気とガスのセット割とは、同じ会社で電気とガスをまとめて契約すると、割引やポイントの特典が受けられる仕組みです(2026年7月時点)。電力自由化と都市ガス自由化により、電力会社がガスを、ガス会社が電気を売れるようになったことで広がりました。
特典の形は会社によってさまざまで、電気料金やガス料金が数%割り引かれるタイプや、ポイントが上乗せされるタイプなどがあります。毎月の請求がひとつにまとまるため、支払いの管理がしやすくなるのも特徴です。どの形の特典かによって、お得さの感じ方も変わってきます。割引タイプは料金がそのまま下がり、ポイントタイプは使い道によって価値が変わる点も覚えておきましょう。
電力会社やガス会社を切り替えても、電気やガスの品質、供給の安定性は変わりません。電気の送配電網もガスの導管も、地域の会社が共通で管理しているためです。まとめても供給の仕組みそのものは変わらず、変わるのは料金と契約の中身だけだと考えて大丈夫です。切り替えの流れは電力会社の切り替え方法で解説しています。
対象は都市ガスが中心|プロパン(LPガス)は対象外が多い
注意したいのが、セット割の対象になるのは基本的に「都市ガス」だという点です(2026年7月時点)。多くのセットプランは都市ガスのエリアを前提にしており、プロパンガス(LPガス)は対象外になっていることが多くあります。
自宅がプロパンガスの場合、電気とガスをまとめられるプランが限られたり、そもそも対象外だったりします。まずは、自分の家のガスが都市ガスかプロパンかを確認しておきましょう。検針票やガスの請求書を見れば、どちらの契約かが分かります。ガス会社名や「都市ガス」「LPガス」といった記載を確認してみましょう。
セット割を検討する前に確認したいこと
- 自宅のガスが都市ガスか、プロパン(LPガス)か
- 都市ガスの提供エリア内か(エリア外だと対象外のことがある)
- オール電化住宅ではないか(ガスがないためセット割の対象外)
都市ガスのエリアであっても、会社によって対応状況は異なります。申し込み前に、自分の住まいが対象になるかを公式サイトで確認しておくと安心です。
電気とガスをまとめるメリット

電気とガスをまとめると、料金面だけでなく暮らしの手間の面でもメリットがあります。おもな利点を見ていきましょう。
割引やポイントで負担を抑えやすい
いちばんのメリットは、セット割引やポイント還元で、毎月の負担を抑えやすくなることです。電気とガスをそれぞれ別の会社で契約するより、まとめることで割引が適用されるプランがあります。
とくに、電気もガスも使用量が多い家庭ほど、割引やポイントの効果は金額として大きくなりやすい傾向があります。冬にガス暖房や給湯をよく使う家庭などは、恩恵を感じやすいでしょう。反対に、使用量が少ない家庭では割引の額も小さくなりがちで、効果を実感しにくいこともあります。まずは自分の電気とガスの使用量を把握しておくと、恩恵の大きさを見積もりやすくなります。使う量が多いか少ないかで、セット割の向き不向きも変わってきます。ポイントの場合は、ふだんの生活で使いやすいポイントかどうかも価値を左右します。
ただし、割引額は会社やプランによって大きく異なります。数字の見た目だけで判断せず、電気とガスを合わせた総額で比べることが大切です。この点は後半の選び方でくわしく説明します。
支払い・問い合わせが一本化できて手間が減る
料金以外の大きなメリットが、支払いと問い合わせ窓口を一本化できることです。電気とガスの請求がひとつにまとまるため、明細の管理や支払いがシンプルになります。
問い合わせ先も一つになるので、引っ越しや契約変更の手続きもまとめて済ませやすくなります。「電気はA社、ガスはB社」と分かれていると連絡先が二つになりますが、それを一つにできるのは地味ながら便利な点です。トラブルのときに、どちらに連絡すればよいか迷わずに済むのも安心材料です。
家計簿をつけている家庭や、複数の契約を管理するのが面倒に感じる人にとって、手間が減ること自体が価値になります。多少の割引に加えて、この「わかりやすさ」を重視する人にはセット割が向いています。
電気とガスをまとめる主なメリット
- セット割引やポイントで毎月の負担を抑えやすい
- 請求や支払いが一本化され、家計管理がシンプルになる
- 問い合わせ・手続きの窓口が一つにまとまり、手間が減る
ただし、これらのメリットが料金の安さに直結するとは限りません。次に挙げる注意点とあわせて、総額で判断することが大切です。
電気とガスをまとめる注意点・デメリット

メリットの一方で、まとめたからといって必ず得になるとは限りません。契約前に知っておきたい注意点を整理します。
割引が小さく、単体で安い会社の組み合わせに負けることも
最大の注意点は、セット割の割引が思ったより小さく、別々に契約したほうが安くなる場合があることです。セット割の割引額は会社やプランで異なり、月あたりでは小さいこともあります。
電気だけで安い会社と、ガスだけで安い会社を別々に選ぶと、その合計がセット割より安くなるケースもあります。「まとめる=いちばん安い」とは限らないのがポイントです。
「まとめれば安い」と決めつけないための視点
- セット割の割引は会社・プランで差が大きく、小さいこともある
- 電気単体・ガス単体で安い会社の組み合わせに負けることがある
- 判断は割引率ではなく、電気+ガスの合計額で行う
割引率の大きさに惹かれても、もとの単価が高ければ総額は下がりません。あくまで自分の使用量での合計金額で、複数の選択肢を比べることが大切です。とくに「◯%割引」という表示は、割引前の料金が分からないと本当の安さは判断できない点に注意しましょう。割引後の単価そのものを、他社の単価と同じ条件で見比べるのが確実です。
解約金・契約期間の縛りや、片方解約で条件が変わる場合
契約条件にも注意が必要です。セットプランのなかには、契約期間の縛りや解約金があるものがあります。短期間で乗り換える可能性がある人は、事前に確認しておきましょう。
また、電気かガスのどちらか一方だけを解約すると、セット割引が外れることがあります。引っ越しや片方だけの見直しをしたときに、残った契約の条件が変わる場合がある点も押さえておきましょう。セット割を前提にしていると、片方を見直しにくくなるという面もあります。
とくに引っ越しの予定がある場合は、転居先が同じ会社の対応エリアかどうかも関わってきます。まとめる前に、解約や住所変更のときの扱いも確認しておくと安心です。契約前に、割引の条件だけでなく「やめるとき」の条件まで目を通しておくと、あとで困りにくくなります。とくに解約金の有無と、片方解約時の割引の扱いは要チェックです。長く使う前提かどうかも、まとめるかを決める判断材料になります。頻繁に見直したい人は、縛りのないプランを選んでおくと身軽です。
プロパン・オール電化・エリアで対象外になることがある
前半でも触れたとおり、プロパンガスの家庭やオール電化住宅、都市ガスのエリア外では、セット割が使えない、または選べるプランが限られることがあります(2026年7月時点)。
オール電化住宅はそもそもガスの契約がないため、電気とガスのセット割の対象にはなりません。オール電化の料金の考え方はオール電化のメリット・デメリットを参考にしてください。
自分の住まいの条件によっては、セット割よりも電気単体・ガス単体で選ぶほうが現実的なこともあります。まずは対象になるかを確認し、対象外なら別の方法で見直すという判断も大切です。都市ガスのエリアでも、住所によっては対応していない会社もあるため、事前の確認が欠かせません。対象外だった場合は、電気とガスをそれぞれ見直すだけでも負担を抑えられることがあります。セット割にこだわらず、単体での見直しという選択肢も持っておくと安心です。自分の住まいの条件を先に把握しておくと、遠回りせずに検討を進められます。
セット割が向いている人・損しない選び方

ここまでの内容を踏まえ、セット割が向いている人と、選ぶときのコツを整理します。自分の状況に照らして考えてみてください。
向いている人・慎重に検討したい人
まずは、電気とガスのセット割が向いている人と、慎重に検討したい人を整理します。あくまで一般的な傾向として参考にしてください。
セット割が向いている人
- 都市ガスを使っていて、電気もガスも同じくらい使う家庭
- 支払いや問い合わせを一本化して手間を減らしたい人
- そこそこの割引と管理のしやすさを重視する人
慎重に検討したい人
- プロパンガスやオール電化の住まいの人(対象外になりやすい)
- 手間よりとにかく総額の安さを優先したい人
- 短期間で引っ越しや乗り換えの予定がある人
どちらが正解ということはなく、料金の安さを最優先するか、手間の少なさも含めて考えるかで選び方は変わります。自分が何を重視するかを先に決めておくとよいでしょう。優先順位が決まっていれば、たくさんの選択肢の中からも自分に合うものを絞り込みやすくなります。迷ったときは、まず総額を比べたうえで、手間の少なさを加味して決めるのがおすすめです。手間の削減にどれだけ価値を感じるかは人によって違うので、正解は一つではありません。
「電気+ガスの合計年額」で複数の選択肢を比べる
損しないためのいちばんのコツは、電気とガスを合わせた年間の総額で、複数の選択肢を比べることです。比べる対象は、次の3つが基本になります。
比べたい3つの選択肢
- ①いまの電気・ガスの契約(見直し前)
- ②電気とガスをまとめたセットプラン
- ③電気単体・ガス単体で選んだ会社の組み合わせ
この3つを、自分の使用量での年間の合計金額で比べれば、セット割が本当にお得かどうかが見えてきます。割引率やキャンペーンの数字ではなく、実際に払う総額で判断しましょう。ひと手間かかりますが、一度比べておけば長く続く固定費の見直しにつながります。
数字は世帯や使い方で変わるため、平均ではなく自分の検針票の使用量で試算するのが確実です。まずはシミュレーションで、自分の条件に合う選択肢を確かめてみてください。手間をかけたくない場合でも、一度だけ総額を比べておけば、あとは安心してまとめる・分けるを選べます。
電気とガスのセット割に関するよくある質問
最後に、電気とガスのセット割についてよく寄せられる疑問をまとめました。検討の参考にしてください。
Q. 電気とガスをまとめると必ず安くなりますか?
A. 必ず安くなるとは限りません。セット割には割引やポイントのメリットがありますが、割引額は会社やプランで異なり、小さいこともあります。電気単体・ガス単体で安い会社を別々に選んだほうが、合計では安くなる場合もあります。
大切なのは、割引率ではなく電気とガスを合わせた総額で比べることです。自分の使用量で、いまの契約・セットプラン・単体の組み合わせの3つを見比べて判断しましょう。使用量が多い家庭ほどセット割の効果は出やすい傾向がありますが、それでも総額での確認は欠かせません。
Q. プロパンガスでも電気とセットにできますか?
A. 多くのセットプランは都市ガスが対象で、プロパンガス(LPガス)は対象外のことが多いです(2026年7月時点)。プロパンガスの場合は、電気とまとめられるプランが限られる、または選べないことがあります。
まずは自宅のガスが都市ガスかプロパンかを確認しましょう。プロパンの場合は、電気は電気で使い方に合う会社を選び、ガスはガスで見直すというように、別々に検討するほうが現実的なこともあります。プロパンガスの料金は販売店によって差があるため、ガス単体での見直しも検討する価値があります。
Q. セットにした電気かガスの片方だけ解約できますか?
A. 解約はできますが、片方を解約するとセット割引が外れることがあります(2026年7月時点)。残ったほうの契約の料金条件が変わる場合があるため、片方だけ見直すときは注意が必要です。
また、プランによっては契約期間の縛りや解約金がある場合もあります。引っ越しや乗り換えの予定がある人は、まとめる前に解約時の扱いを確認しておくと安心です。片方だけを見直す可能性があるなら、その場合に割引がどうなるかも事前にチェックしておきましょう。
Q. オール電化でもセット割は使えますか?
A. オール電化住宅はガスの契約がないため、電気とガスのセット割は対象外です(2026年7月時点)。オール電化の家庭は、ガスとのセットではなく、オール電化向けの電気料金プランの中で見直すことになります。
夜間割引を前提としたプランが多いため、切り替えの際は今の料金と総額を比べて慎重に検討しましょう。ガスがない分、電気のプラン選びがそのまま光熱費を左右します。詳しくはオール電化のメリット・デメリットを参考にしてください。
Q. 2026年夏の電気・ガスの支援はセット契約でも受けられますか?
A. 2026年夏の電気・ガス料金支援は、対象の会社と契約していれば受けられます(2026年7月時点)。2026年7〜9月使用分を対象に、電気・ガスそれぞれの料金から自動で値引きされます。
申請は不要で、契約中の電力・ガス会社を通じて請求から差し引かれます。セット契約でも、電気・ガスそれぞれが対象であれば値引きが適用されます。詳しい単価や対象は公式の発表で確認しておきましょう。契約先が支援の対象事業者かどうかは、各社の案内で確かめておくと確実です。
まとめ|電気とガスのセットは「合計の総額」で判断する
電気とガスのセット割には、割引やポイント、支払い・問い合わせの一本化といったメリットがあります。一方で、割引が小さく単体の組み合わせに負けることや、プロパン・オール電化・エリアで対象外になることもあります。
「まとめる=いちばん安い」とは限りません。大切なのは、割引率の見た目ではなく、電気とガスを合わせた年間の総額で複数の選択肢を比べることです。手間の少なさも含め、自分が何を重視するかで選びましょう。
この記事のポイント
- セット割は割引・ポイント・支払いの一本化がメリット。手間を減らせる
- 対象は都市ガスが中心で、プロパン・オール電化・エリア外は対象外になりやすい
- 割引額は会社で差が大きく、単体で安い会社の組み合わせに負けることがある
- 片方だけ解約すると割引が外れる、契約期間の縛りがあるなどの注意点もある
- 判断は割引率ではなく、電気+ガスの合計年額で複数の選択肢を比べる
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。料金・割引・プランは変更される場合があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事を監修した人
電力アナリスト
Kenichi Sato大手エネルギー調査会社で10年間、700社以上の電力会社の料金データを分析。エネルギー管理士の資格を持ち、燃料費調整額や電源調達調整費を含めた「実質請求額」ベースの料金比較を専門としています。当サイトでは電力会社の料金比較・ランキング・口コミ記事のデータ分析を担当。プロフィール詳細はこちら
電力アナリスト
Kenichi Sato
電気とガスのセット割は、「安さ」と「手間の少なさ」のどちらを取るかで評価が変わります。割引や支払いの一本化は確かに便利ですが、割引率の大きさに惹かれても、もとの単価が高ければ総額は下がりません。損をしないコツは、いまの契約・セットプラン・電気単体とガス単体の組み合わせを、自分の使用量での合計年額で見比べること。プロパンやオール電化の家庭は対象外になりやすいので、まず自宅の条件を確認してから検討してください。