電気代の節約術
【独自調査】みんなが実際にやっている節電方法とは?279人にアンケート
節電の記事はたくさんありますが、そこに書かれている工夫を実際に何人がやっているのかは、あまり知られていません。
電気比較ガイドでは、全国の電気利用者295人にアンケートを実施しました。このうち節電の工夫を具体的に書いてくれた279人の回答を集計したのがこの記事です。
結果を見ると、やっている人が多い工夫と、効果が大きい工夫は一致していませんでした。とくに年間で約860円の差になる方法を、279人中1人も挙げていなかったのが印象的です。
目次
279人が実際にやっていた節電

まずは何をやっているかの実態からです。用意された選択肢から選んでもらうのではなく、自由記述で書いてもらった内容を分類しました。誘導が入らない分、実態に近い数字になっています。
どうやって集計したか
この調査は、電気比較ガイドが2026年に実施した自社アンケートです。全国の電気契約者から回答を集め、重複投稿を除いた295人を有効回答としています。
そのうち「節電で工夫していること」の設問に具体的な記述があったのが279人でした。残りは未記入です。なお「特になし」と明記した人も6人(2.2%)含まれています。
集計では、書かれた文章を読んで内容ごとに分類しています。1人が複数の工夫を書いている場合はそれぞれに数えているため、合計は100%を超えます。
回答者の内訳は、一人暮らしから5人以上の世帯まで、戸建てから賃貸アパートまで幅広く含まれています。特定の層に偏った結果ではありません。
自由記述にした理由は、選択肢を用意すると「言われてみればやっている」という回答が増えてしまうためです。自分から書いた内容に絞ることで、意識してやっている工夫だけが残ります。
※本記事の数値はすべて電気比較ガイドの自社アンケート調査によるものです。統計上の全国平均ではなく、回答者279人の実態を示したものとしてお読みください。
最多は「こまめに消す」で37.6%
電気比較ガイド自社調査(2026年・節電の工夫を記入した279人/自由記述を分類・複数該当あり)
圧倒的に多かったのが「こまめに消す・電源を切る」で105人、37.6%でした。2番目の「エアコンの設定温度を調整」42人(15.1%)と比べても倍以上の差があります。
3番目が「扇風機・サーキュレーターの併用」41人(14.7%)、4番目が「コンセントを抜く」26人(9.3%)と続きます。
ここまでは、節電と言われて思い浮かぶ内容とほぼ一致するはずです。実際、記述の多くは「使っていない部屋の電気はこまめに消す」「使わない家電のコンセントを抜く」といった短い文でした。
On the other hand「エアコンのフィルター掃除」を挙げた人は0人でした。279人の記述を通して読んでも、一度も出てきません。ここが今回の集計でもっとも目を引いた点です。
やっている人が多い節電ほど、効くとは限らない

では、その工夫は実際いくらの差になるのでしょうか。資源エネルギー庁が出している試算と、やっている人の割合を並べると、両者がずれていることがはっきりします。
誰もやっていなかったフィルター掃除
資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の試算値をもとに作成
エアコンのフィルター掃除は、年間で31.95kWh、金額にして約860円の省エネになると試算されています。冷房の設定温度を1℃上げる(約820円)よりも大きい数字です。
にもかかわらず、279人の誰もこれを節電の工夫として挙げていませんでした。効果でいえば3番目に入る方法を、やっている人が1人もいなかったことになります。
理由は想像がつきます。フィルター掃除は掃除であって節電ではない、と思われているのでしょう。消したり温度を変えたりするのと違って、節電をしている実感がわきません。
ただ、目詰まりしたフィルターは風の通りを悪くします。同じ温度にするために余計な電力を使うため、掃除をしないまま使い続けると静かに負担が増えていきます。
フィルター掃除が節電になる理由
- ほこりが詰まると風量が落ち、同じ温度にするまで長く運転することになる
- 2週間に1回の掃除機がけが目安。取り外して水洗いする必要は毎回ない
- 冷房でも暖房でも効く(年間を通して効果がある数少ない工夫)
いちばん効くのに、やっている人は15.1%
効果がもっとも大きいのは、暖房の設定温度を21℃から20℃に下げることでした。年間53.08kWh、約1,430円の差になります。
次に大きいのが暖房の使用時間を1日1時間短くすることで、年間40.73kWh、約1,100円です。冷房側はこれより小さく、27℃から28℃で約820円、1時間短縮で約510円となっています。
つまり効果が大きいのは、冷房よりも暖房です。これから冬に向かう時期は、節電の効きどころが夏より大きいということになります。
ところが「設定温度を調整している」と書いた人は42人、15.1%にとどまりました。こまめに消すと答えた105人の半分にも届きません。
※横にスクロールできます
| 工夫 | 年間の節約額 | 279人中の実施率 |
|---|---|---|
| 暖房を21℃→20℃ | 約1,430円 | 15.1% |
| 暖房を1日1時間短く | 約1,100円 | ― |
| フィルター掃除 | 約860円 | 0.0% |
| 冷房を27℃→28℃ | 約820円 | 15.1% |
| 冷房を1日1時間短く | 約510円 | ― |
※節約額は資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の試算値(外気温6℃、2.2kWのエアコンを9時間運転などの条件)。実施率は本調査の自由記述の分類によるもので、設定温度の調整は冷暖房を分けずに集計しています。
寄せられた工夫を、効く順に並べ直す
ここからは実際に寄せられた回答を見ながら、どこに手を入れると金額が動くのかを整理します。回答者が提供してくれた部屋の写真もあわせて載せます。
エアコンまわりでできること
調査回答者から提供された部屋の写真。エアコンと、厚手カーテン+レースカーテンの窓
エアコンの効きを左右するのは本体だけではありません。この写真のように窓に厚手のカーテンとレースカーテンが掛かっていると、熱の出入りをかなり抑えられます。
家の熱は開口部から逃げていく割合が大きいため、暖房中にカーテンを閉めるだけでも設定温度を上げずに済むことがあります。今回の調査で「カーテン・窓の断熱」を挙げたのは6人(2.2%)と少数派でした。
実際の記述には「冬は寝るときは電気毛布、部屋で過ごすときは着る毛布を使い、できるだけエアコンを使わずに過ごす」といった内容もありました。体のほうを暖める発想です。
この考え方は理にかなっています。部屋全体の空気を暖めるより、人の周りだけを暖めるほうが消費電力は小さく済むためです。
ただし、寒さを我慢する方向に寄りすぎるのはおすすめしません。体調を崩せば結果的に高くつきます。設定温度を1℃下げるところまでにして、足りない分を着るもので補う程度が続けやすい落としどころです。エアコン自体の電気代はエアコンの電気代で解説しています。
扇風機・サーキュレーターの併用は14.7%
調査回答者から提供された部屋の写真。エアコンと扇風機を併用している例
3番目に多かったのが扇風機・サーキュレーターの併用で41人、14.7%でした。写真のようにエアコンと扇風機が同じ部屋に置かれているのは、回答者の家でもよく見られた形です。
回答には「夏は扇風機を使うことで、エアコンの設定温度を27度にしている」という具体的なものがありました。これは効果の面から見ても理にかなった使い方です。
空気をかき混ぜると温度のムラが減り、設定温度を1℃ゆるめても体感が変わりにくくなるからです。前の章で見たとおり、設定温度1℃は冷房で約820円、暖房で約1,430円の差になります。
冬も同じ理屈が使えます。暖かい空気は天井付近にたまるため、サーキュレーターを上向きに回して循環させると、足元の寒さが和らぎます。
扇風機やサーキュレーターの消費電力はエアコンと比べてかなり小さいため、併用で設定温度をゆるめられるなら差し引きで有利になります。併用そのものが電気代を押し上げる心配は、まずありません。
「こまめに消す」はどこまで効くのか
いちばん多かった工夫について、効果を確かめておきます。無駄ではありませんが、期待するほど金額が動かないことは知っておいたほうがいいはずです。
待機電力は家庭の消費電力の5%以上
調査回答者から提供された部屋の写真。常時通電している家電が並ぶキッチンまわり
「コンセントを抜く」と答えた人は26人(9.3%)でした。写真のように、電子レンジや炊飯器など常に通電している家電は、意外と数が多くなります。
資源エネルギー庁によると、待機時の消費電力は2012年度の時点で家庭の世帯当たり全消費電力の5%以上を占めていました。決して小さくはない割合です。
ただし、すべてのコンセントを抜いて回るのは現実的ではありません。冷蔵庫は当然抜けませんし、録画予約中のレコーダーや時計表示のある機器も対象外になります。
効率を考えるなら、長期間使わない家電に絞るのが現実的です。使っていないシーズン家電や、来客時だけ使う機器などが候補になります。回答にも「使っていない家電はスイッチを切ってコンセントごと引っこ抜く」という書き方がありました。
スイッチ付きの電源タップを使えば、抜き差しの手間なく同じことができます。毎日続ける前提なら、手間の少ない形にしておくほうが結果的に効きます。
消すより「使う時間を短くする」ほうが効く
照明をこまめに消す行為そのものを否定するつもりはありません。ただ、金額として大きいのは、消費電力の大きい機器の稼働時間のほうです。
前章の数字で言えば、暖房を1日1時間短くするだけで年約1,100円でした。照明を数分早く消すのとは桁が違います。
回答のなかにも、この発想に近いものがありました。「食洗機や浴室乾燥などは、20時から8時の稼働になるようにタイマーを駆使している」という記述です。
これは消しているのではなく、使う時間をずらしています。夜間が安いプランなら同じ量を使っても請求額が変わるので、労力のわりに効く方法です。時間帯をずらしていると答えたのは20人(7.2%)でした。
ただし、時間帯によって単価が変わるのは夜間が安いタイプのプランに限られます。一般的な従量制のプランでは、時間を移しても請求額は変わりません。自分の契約がどちらかを先に確認してください。
どの家電がどれだけ使っているかは、使用量の実績から逆算できます。確認方法は電気使用量の調べ方にまとめました。
節電だけでは下がらなくなったら

最後に、集計で見えたもうひとつのことをお伝えします。工夫をたくさんしている人は、本当に電気代が安いのか。努力と請求額の関係を、同じデータから確かめました。
工夫を多く書いた人は、本当に安かったのか
一人暮らしの回答者に絞って、節電の記述が短い人と長い人で先月の電気代を比べてみました。
※横にスクロールできます
| 区分 | 人数 | 先月の電気代(中央値) |
|---|---|---|
| 節電の記述が15字未満 | 36人 | 5,091円 |
| 節電の記述が40字以上 | 30人 | 4,753円 |
差は約340円でした。たくさん工夫を書いた人のほうがやや安いものの、劇的な差にはなっていません。
もちろん記述量は努力の量そのものではありませんし、住まいや在宅時間の違いも混ざっています。厳密な比較ではない点はご了承ください。
それでも見えてくることはあります。使い方の工夫だけで下げられる幅には、どこかで頭打ちがあるということです。我慢を増やしても、その先はあまり伸びません。
節電に意味がないという話ではありません。工夫している人のほうが安いこと自体は数字に出ています。ただその差は月に数百円ほどだと考えておくほうが、現実に近いはずです。
実際、長く書いてくれた人の多くは複数の工夫を組み合わせていました。それでも差が約340円にとどまったことは、覚えておいて損はありません。
使い方を変えずに下げる方法もある
ひととおり工夫をやっている人に残っているのは、使う量ではなく基本料金や単価のほうを見直すという手です。
たとえば契約アンペアです。今回の調査では、契約アンペアを「わからない」と答えた人が295人中68人で最多でした。基本料金に直結する項目なので、実際の使い方に対して大きすぎないかを確認する価値があります。
詳しくは契約アンペアの選び方にまとめています。アンペアを下げれば基本料金はそのぶん毎月下がるため、一度手続きすれば効果が続くのが節電との違いです。
あわせて、契約しているプランが今の生活時間帯に合っているかも確認しておきたいところです。
在宅時間が長い人と、日中ほとんど家にいない人では、合うプランの形が変わります。生活パターンが数年前と変わっているなら、契約もそのままでよいとは限りません。
今回の調査でも、在宅状況によって電気代に差が出ていました。一人暮らしでは、ほぼ在宅の人の中央値が5,322円、ほぼ不在の人が4,698円です。同じ一人暮らしでも使う量が違えば、合う契約も変わってきます。
節電の基本は電気代の節約方法にまとめています。工夫と契約の両方を押さえておけば、打てる手はひととおり揃います。
Frequently Asked Questions
Q. いちばん効果が大きい節電はどれですか?
A. 今回参照した試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃に下げることが最大で、年間約1,430円の差になります。次いで暖房の使用時間を1日1時間短くする約1,100円、エアコンのフィルター掃除が約860円です。
いずれもエアコンに関わる内容です。消費電力が大きい機器ほど、少しの使い方の違いが金額に表れやすいためです。照明をこまめに消す行為と比べると、効果の桁が変わってきます。
冷房より暖房のほうが効果が大きい点も覚えておくと便利です。これから寒くなる時期は、節電の効きどころが夏より大きくなります。
Q. フィルター掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?
A. 2週間に1回程度が目安とされています。毎回取り外して水洗いする必要はなく、掃除機でほこりを吸うだけでも効果があります。
今回の調査では279人中1人も節電の工夫として挙げていませんでした。掃除と節電が別のものとして認識されているためだと考えられます。
冷房でも暖房でも効く数少ない方法なので、季節の変わり目に習慣にしておくと無駄がありません。暖房を使い始める前のこの時期は、ちょうどよいタイミングです。
Q. コンセントを抜く節電は意味がありますか?
A. 意味はあります。資源エネルギー庁によると、待機時の消費電力は2012年度の時点で家庭の世帯当たり全消費電力の5%以上を占めていました。
ただし、すべての機器で実行するのは現実的ではありません。冷蔵庫や録画予約中の機器は抜けませんし、毎日抜き差しする手間も続きにくくなります。
長期間使わない家電に絞るほうが、労力に対する効果は高くなります。スイッチ付きの電源タップを使えば、抜き差しの手間なく同じことができます。
Q. 扇風機とエアコンを一緒に使うと電気代は増えませんか?
A. 扇風機の消費電力はエアコンと比べてかなり小さいため、併用によって設定温度をゆるめられるなら差し引きで有利になります。
今回の調査でも41人(14.7%)が併用を挙げており、「扇風機を使うことでエアコンを27度に設定している」という具体的な記述がありました。
冬もサーキュレーターを上向きに回して空気を循環させると、天井付近にたまった暖かい空気が下りてきて、足元の寒さが和らぎます。夏だけの工夫ではありません。
Q. 節電をがんばっても電気代が下がりません。
A. 使い方の工夫だけで下げられる幅には限りがあります。今回の集計でも、節電の工夫を多く書いた人と少ない人で、一人暮らしの電気代の中央値の差は約340円にとどまりました。
ひととおり工夫をしているなら、次は使う量ではなく契約のほうを見直す段階です。契約アンペアが実際の使い方に対して大きすぎないか、プランが今の生活時間帯に合っているかを確認してみてください。
契約の見直しは一度手続きすれば効果が続くため、毎日の我慢とは性質が違います。節電を続けたうえで、土台のほうも点検しておくという順番になります。
まとめ|やっている人が多い工夫と、効く工夫は別だった
279人の回答を集計すると、節電の実態がはっきり見えました。もっとも多いのは「こまめに消す」で37.6%。一方、年約860円の効果があるフィルター掃除を挙げた人は1人もいませんでした。
効果が大きいのはエアコンまわりで、しかも冷房より暖房側です。これから寒くなる時期は、設定温度とフィルターを見直すだけで差が出ます。
この記事のポイント
- 実施率の最多は「こまめに消す」105人・37.6%。2位の設定温度調整の2倍以上
- エアコンのフィルター掃除を挙げた人は279人中0人。効果は年約860円
- 効果が最大は暖房を21℃→20℃で年約1,430円。冷房より暖房のほうが大きい
- 扇風機・サーキュレーターの併用14.7%は、設定温度をゆるめられる点で理にかなう
- 待機電力は家庭の全消費電力の5%以上(2012年度・資源エネルギー庁)
- 一人暮らしでは、節電の記述が多い人と少ない人の電気代の差は約340円
- 工夫で下げられる幅には上限がある。次は契約アンペアやプランの確認
※本記事の調査数値は電気比較ガイドが2026年に実施した自社アンケート(有効回答295人/節電の工夫を記入した279人)に基づきます。省エネ効果の数値は資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」、待機電力の割合は資源エネルギー庁の公表資料によります。掲載写真は回答者から提供されたもので、位置情報などの付帯データを削除して使用しています。
まずはフィルターを1枚外してみるところからです。そのうえで、契約が今の使い方に合っているかも確認してみてください。
この記事を監修した人
家計・節約アドバイザー
(FP2級)
ファイナンシャルプランナーとして累計3,000世帯以上の家計相談を担当。光熱費の見直しが最も即効性の高い節約手段であることを実感し、電気代の最適化に特化したアドバイスを行っています。2児の母としての実体験を交えた情報発信が強み。当サイトでは節約術・家電別電気代の記事を担当。プロフィール詳細はこちら
家計・節約アドバイザー
Misaki Yamada
「こまめに消す」が最多なのは、いちばん手軽で、いちばん思い出しやすいからです。ただ家計相談の場でも、この工夫だけで請求額が目に見えて変わった方はほとんどいません。金額として効いてくるのは、消費電力の大きい機器をどう使うかのほうです。フィルター掃除が誰の口からも出てこなかったのは、節電というより掃除だと認識されているからだと思います。