電気のトラブル解決
電力会社の契約はクーリングオフできる?8日以内の期間と手順を解説
「電気代が安くなります」と訪問や電話で勧められ、よくわからないまま電力会社の契約をしてしまったとき、取り消せるのか気になる人もいるでしょう。
電力会社の契約は、訪問販売や電話勧誘販売で申し込んだ場合、契約の書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフできます。理由を伝える必要はなく、違約金もかかりません。
この記事では、クーリングオフできる契約とできない契約、期間の数え方、はがきやメールでの手順、期間を過ぎたときの解約と相談先を紹介します。勧誘で困らないための注意点もあわせて解説します。
※制度の情報は2026年10月時点のものです。個別の契約については、契約先の電力会社や消費生活センターに確認しましょう。
この記事のポイント
- 訪問販売・電話勧誘で申し込んだ電気の契約は、クーリングオフできる
- 期間は、書面を受け取った日を1日目として8日以内
- はがきかメールで通知し、控えや送信記録を残す
- 自分でネットから申し込んだ契約は対象外。通常の解約手続きをする
- 困ったら消費者ホットライン「188」に相談する
- 勧誘の場では決めず、書面や明細と見比べてから判断する
電力会社の契約は、訪問・電話の勧誘なら8日以内にクーリングオフできる

電気の契約も、特定商取引法のクーリングオフの対象です。ただし、対象になるのは訪問販売と電話勧誘販売で結んだ契約です。対象と期間を確認しましょう。
対象は訪問販売と電話勧誘。自分でネットから申し込んだ契約は対象外
訪問販売や電話勧誘販売で結んだ電気の契約は、クーリングオフの対象です(※1)。自宅に来た事業者や、かかってきた電話で勧められて申し込んだ場合が当てはまります。クーリングオフできるかどうかは申し込み方で決まり、大手電力会社か新電力かでは変わりません。
一方、自分で電力会社のホームページやアプリから申し込んだ契約は、通信販売にあたり、クーリングオフの制度はありません。ネットで申し込んだ契約をやめたい場合は、電力会社の解約の手続きをします。電力会社によっては、独自にキャンセルの期間を設けていることもあるため、申し込んだ会社の案内を確認しましょう。
なお、電力会社には、契約の前に料金などの供給条件を説明し、契約のあとに契約内容を書いた書面を渡すことが、電気事業法で義務づけられています(※2)。
クーリングオフの期間は、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えます(※3)。契約のときに受け取った書面は、届いた日がわかるよう保管しておきましょう。
| 申し込み方法 | クーリングオフ | やめたいとき |
|---|---|---|
| 訪問販売(自宅に来た事業者) | できる(8日以内) | 書面かメールで通知する |
| 電話勧誘販売(かかってきた電話) | できる(8日以内) | 書面かメールで通知する |
| 自分でネット・アプリから申し込み | できない | 電力会社の解約手続きをする |
※2026年10月時点
出典:国民生活センター「クーリング・オフ」
(※1 2026年10月時点 経済産業省 電力取引監視等委員会「よくある御質問とそれに対する考え方について」)
(※2 2026年10月時点 「電気事業法」第2条の13・第2条の14)
(※3 2026年10月時点 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ<No.11>】電気代が安くなる!?電力契約の訪問販売トラブル」)
期間は、書面を受け取った日を1日目として8日以内
クーリングオフの期間は、契約の書面を受け取った日を1日目として数えて8日以内です(※1)。たとえば10月1日に書面を受け取った場合は、10月8日までに通知を出せば間に合います。申込みの内容を書いた書面を先に受け取っていた場合は、その日から数えます(※2)。
8日以内に通知を出せば、事業者に届くのが9日目以降になっても有効です(※3)。はがきなら消印の日付、メールなら送信した日時が証拠になります。土日や祝日をはさんでも、期間は延びません。迷っているうちに期間が過ぎないよう、早めに手続きしましょう。
また、事業者が「クーリングオフできない」と事実と違うことを言ったり、威圧したりしたためにクーリングオフできなかった場合は、8日を過ぎてもクーリングオフできることがあります(※4)。
- 書面を受け取った日を1日目として、8日以内に通知する
- 8日以内に出せば、届くのが9日目以降でも有効
- 事実と違う説明や威圧があった場合は、8日を過ぎてもできることがある
(※1,2,4 2026年10月時点 国民生活センター「クーリング・オフ」)
(※3 2026年10月時点 「特定商取引に関する法律」第9条第2項・第24条第2項)
クーリングオフの手順は、はがきかメールで通知するだけ

クーリングオフは、電力会社に書面かメールで通知すれば手続きできます。通知に書くことと、送ったあとに確認しておきたいことを紹介します。
はがき・メール・専用フォームで、契約を解除すると伝える
クーリングオフは、はがきなどの書面か、メールなどの電磁的記録で通知します。電話で伝えただけでは、あとで「聞いていない」と言われるおそれがあるため、記録が残る方法を選びましょう。通知先は、契約の書面に書かれている電力会社の住所やメールアドレスです。
はがきで送る場合は、両面をコピーしてから、特定記録郵便や簡易書留で送ると、送った日の記録が残ります。メールで送る場合は送信記録を、専用フォームから送る場合は画面のスクリーンショットを保存しておきましょう。
通知には、契約した日、電力会社名、担当者名、契約者の名前と住所、「契約を解除します」という一文を書きます。明細に書かれているお客さま番号や供給地点特定番号を書いておくと、電力会社が契約を探しやすくなります。
- 契約した日と、電力会社名・担当者名
- 契約者の名前と住所
- 「上記の契約を解除します」という一文
- お客さま番号・供給地点特定番号(わかれば)
- 通知を出した日付
通知したら控えを残し、今の電気の契約先を確認する
クーリングオフをすると、契約ははじめからなかったことになり、違約金や損害賠償を払う必要はありません(※1)。すでに支払ったお金があれば返金されます(※2)。
まだ電力会社が切り替わる前なら、切り替えの手続きが取り消され、今の電力会社との契約がそのまま続きます。すでに切り替わったあとの場合は、どこから電気を買うかを決め直す必要があります。元の電力会社に申し込めば戻れますが、以前の料金プランの受付が終わっている場合は、同じプランに戻れないことがあります。
通知を出したあとは、はがきのコピーやメールの記録を少なくとも5年間保管しておき(※3)、電力会社から届く書面や明細で、契約先がどうなったかを確認しましょう。わからないことがあれば、通知した電力会社や、元の電力会社に問い合わせると確実です。
- はがきのコピーやメールの送信記録を保管する
- 切り替え前なら、今の電力会社との契約がそのまま続く
- 切り替え後なら、どこから電気を買うかを決め直す
(※1,2 2026年10月時点 「特定商取引に関する法律」第9条第3項・第6項、第24条第3項・第6項、消費者庁「特定商取引法ガイド 電話勧誘販売」)
(※3 2026年10月時点 国民生活センター「クーリング・オフ」)
クーリングオフできないときの解約と相談先

期間を過ぎた場合や、自分でネットから申し込んだ場合は、クーリングオフではなく通常の解約になります。解約金の確認方法と、困ったときの相談先を紹介します。
期間を過ぎたら、解約金を確認してから解約する
クーリングオフの期間を過ぎた場合は、電力会社の通常の解約手続きで契約をやめられます。別の電力会社に切り替える場合は、新しい電力会社に申し込むだけで、今の電力会社への解約の連絡は必要ありません。
ただし、契約期間の途中で解約すると、解約金がかかる料金プランもあります。解約金の有無や金額は、契約のときに受け取った書面や、電力会社の会員サイトで確認しましょう。くわしくは電気の解約金・違約金で解説しています。
また、事実と違う説明を受けて契約した場合などは、期間を過ぎていても、契約を取り消せることがあります。自分で判断せず、消費生活センターに相談しましょう。解約の手続きの方法がわからない場合は、契約の書面に書かれている電力会社の問い合わせ窓口に確認すると確実です。
- 新しい電力会社に申し込めば、今の会社への連絡は不要
- 解約金の有無を、契約書面や会員サイトで確認する
- 事実と違う説明があった場合は、消費生活センターに相談する
困ったら、消費者ホットライン「188」に相談する
勧誘や契約で困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます(※1)。
クーリングオフの通知の書き方がわからないときや、期間を過ぎてしまったときも、消費生活センターに相談すると、状況に合った進め方を案内してもらえます。
電気の制度やしくみについてわからないことは、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725)でも相談できます(※2)。
相談するときは、契約の書面、勧誘を受けた日時、事業者名や担当者名、言われた内容のメモを用意しておくと、話がスムーズに進みます。
勧誘を受けたときに名刺やチラシをもらっていれば、それも手元に置いておきましょう。訪問や電話の内容は、時間がたつと忘れやすいため、気づいたときにメモしておくと、あとで相談するときに役立ちます。家族が契約した場合でも、契約者本人と一緒に相談すれば、手続きを進めやすくなります。
| 相談先 | 電話番号 | 相談できること |
|---|---|---|
| 消費者ホットライン | 188 | 勧誘・契約のトラブル、クーリングオフの方法 |
| 電力・ガス取引監視等委員会 相談窓口 | 03-3501-5725 | 電気の制度やしくみについて |
※2026年10月時点
出典:国民生活センター「電力・ガスの契約トラブル」
(※1 2026年10月時点 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ<No.11>】電気代が安くなる!?電力契約の訪問販売トラブル」)
(※2 2026年10月時点 国民生活センター「電力・ガスの契約トラブル」)
勧誘で困らないために、その場で契約を決めない

勧誘でのトラブルを防ぐには、その場で契約を決めないことが大切です。注意したい勧誘の言葉と、説明が正しいかを自分で確かめる方法を紹介します。
「大手電力会社の委託」「マンション全体が切り替わる」には注意
訪問販売での電気の契約では、「大手電力会社から委託されている」と名乗られたり、「マンション全体の電力会社が変わる」と説明されたりして契約した、という相談があります(※1)。
なかには、検針票を見せただけで、意図せず契約先が変わっていたケースもあります(※2)。検針票には、契約の手続きに使えるお客さま番号や供給地点特定番号が書かれているため、よくわからない相手には見せないようにしましょう。
電気の切り替えと同時に、ウォーターサーバーなど別のサービスまで契約してしまったという相談もあります(※3)。別のサービスも、条件によってはクーリングオフできる場合があります(※4)。勧誘のときは、電力会社の名前だけでなく、実際に契約する会社名を書面で確かめることが大切です。
- 会社名・連絡先・訪問の目的・契約先の会社を確認する
- 「マンション全体が変わる」と言われたら、管理会社や大家さんに確認する
- よくわからない相手に、検針票を見せない
- 電気と一緒に勧められたサービスは、本当に必要か考える
(※1,2 2026年10月時点 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ<No.11>】電気代が安くなる!?電力契約の訪問販売トラブル」)
(※3,4 2026年10月時点 国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルにご注意!-ウォーターサーバーのレンタルなど、電気・ガス以外のサービスを勧誘されるケースも-」)
その場で決めず、説明が正しいかを自分で確かめる
勧誘で「電気代が安くなる」と言われても、料金プランによっては今より高くなることもあります。その場では決めず、今の明細と比べてから判断しましょう。
勧誘で示された金額が正しいかは、今の明細の使用量で確かめられます。電気料金シミュレーションなら、郵便番号と世帯人数を入れるだけで、料金プランごとの電気代の目安を確認できます。
比べるときは、基本料金と電力量料金のしくみ、燃料費調整額の上限の有無、解約金の有無もあわせて確認しましょう。勧誘で聞いた説明と、電力会社の公式サイトの料金表が同じかどうかを見比べると、説明が正しかったかもわかります。
勧誘で申し込んだ契約をやめたい場合は、書面を受け取ってから8日以内ならクーリングオフ、過ぎていれば通常の解約手続きになります。どちらも、この記事の前半で紹介した流れで進められます。判断に迷うときは、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。
- 勧誘の場では決めない
- 受け取った書面と、電力会社の公式サイトの料金表を見比べる
- 今の明細の使用量で、示された金額が正しいかを確かめる
よくある質問
Q. 検針票を見せただけで、契約されることはありますか?
あります。検針票を見せただけで、意図せず契約先が変わっていたという相談があります(※)。検針票には、契約の手続きに使えるお客さま番号や供給地点特定番号が書かれています。
身に覚えのない契約だった場合は、すぐに契約先の電力会社や消費生活センターに相談しましょう。書面を受け取った日から8日以内なら、クーリングオフもできます。検針票は、捨てる前に番号の部分を消しておくと安心です。検針票の見方は検針票の見方で解説しています。
(※2026年10月時点 国民生活センター「【若者向け注意喚起シリーズ<No.11>】電気代が安くなる!?電力契約の訪問販売トラブル」)
Q. クーリングオフに費用はかかりますか?
クーリングオフをしても、違約金や損害賠償を払う必要はありません。支払ったお金があれば返金されます。費用がかかるのは、はがきを送る場合の郵送料くらいです。
特定記録郵便や簡易書留で送ると、郵便料金に加えて手数料がかかりますが、送った日の記録が残るため安心です。メールや専用フォームなら郵送料もかかりません。電力会社から手数料などを求められても、払う必要はありません。不安な場合は、通知を出す前に消費生活センターに相談しましょう。
Q. 電気と一緒に契約したウォーターサーバーもクーリングオフできますか?
訪問販売や電話勧誘で一緒に契約したサービスも、条件によってはクーリングオフできる場合があります(※)。ウォーターサーバーのレンタルなど、電気やガスと一緒に勧められたサービスが当てはまります。サービスの契約の書面も、電気の契約の書面と同じように、受け取った日を確かめておきましょう。
電気とは別の契約になるため、それぞれの事業者に通知を出しましょう。期間は、それぞれの契約の書面を受け取った日から数えます。届いた書面は、契約ごとに分けて保管しておきましょう。
(※2026年10月時点 国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルにご注意!-ウォーターサーバーのレンタルなど、電気・ガス以外のサービスを勧誘されるケースも-」)
Q. クーリングオフしたら、元の電力会社に戻れますか?
切り替わる前なら、今の電力会社との契約がそのまま続きます。切り替わったあとでも、元の電力会社に申し込めば戻れます。元の電力会社に戻す場合も、新しい電力会社に申し込むときと同じく、元の電力会社に申し込むだけで手続きできます。
ただし、以前の料金プランの新規受付が終わっている場合は、同じプランに戻れないことがあります。
たとえば東京電力エナジーパートナーの「季節別時間帯別電灯(電化上手)」は、2016年3月31日で新規加入の受付を終了しています(※)。戻る前に、申し込めるプランを確認しましょう。
(※2026年10月時点 東京電力「電気料金プランの見直しについて」)
まとめ|8日以内なら、はがきかメールでクーリングオフできる
訪問販売や電話勧誘で申し込んだ電力会社の契約は、書面を受け取った日から8日以内ならクーリングオフできます。はがきやメールで、契約を解除すると通知するだけで、違約金はかかりません。自分でネットから申し込んだ契約は対象外なので、通常の解約手続きをします。
困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。勧誘を受けたときは、その場で決めず、受け取った書面や今の明細と見比べてから判断しましょう。
※クーリングオフの制度は、特定商取引法にもとづきます。個別の契約で対象になるかどうかは、契約先の電力会社や消費生活センターに確認しましょう。
この記事を監修した人
電力自由化研究家
(元・大手電力会社社員)
大手電力会社に12年間勤務し、料金プラン設計・法人営業を担当した業界経験者。電力会社の「中の人」だった視点から、公式サイトには書かれていない注意点や料金表示のカラクリを発信しています。自身も退職後に3社の電力会社を切り替えた実体験あり。当サイトでは全記事の監修および乗り換え関連記事を担当。プロフィール詳細はこちら
電力自由化研究家
鈴木 翔太
訪問や電話の勧誘で申し込んだ電気の契約は、書面を受け取ってから8日以内ならクーリングオフできます。迷ったら、まず書面の日付を確認しましょう。勧誘の場では決めず、受け取った書面の内容を落ち着いて確かめてから判断すると、トラブルを防げます。